マダツボミの塔
マツリ side
キキョウシティに着いて一日が経った!
朝7時!ポケモンセンターから出た!
「さあ!ジム戦に行こ 「落ち着け、じゃじゃ馬娘。」
アタシの前に立つおやぶん。
「焦るな。逸(はや)る気持ちはわかるが、今一度、お前のバトルスタイルを決めておかねぇとな。」
おやぶんが言った。
「あー、マツリはクドーと同じやり方でジョウトリーグを制したいんだろ?」
「うん!」
「てことは、水ポケモン以外を持つ必要はねぇ。」
「うん!知ってる!」
「つまり、水使いのエキスパートとしてやっていかなきゃならねえって事だ!
たいていの初心者は、バランスよくポケモン手に入れて、育てていくのがセオリーだ。
てめぇの親父はな、まず最初は水タイプの技以外を使わねぇ様にしてバッジを集めたんだ!マツリも実践しろ!
・・・へ?
水タイプの技だけで?
「相手が草タイプだったら?」
「水技で攻めろ。」
「ドラゴンタイプだったら?」
「水技でのめせ。」
「『ちょすい』をもってたら?」
「・・・・・・・・ま、まあ、そのへんはオイオイとだな・・・。」
おやぶんが目を逸らした。
「わかった!水タイプだけで勝つ!でもなんで?」
「水系のポケモンはな、その名の通り水を扱い自然を共用する力づよいポケモンだ。だから体力が比較的高い。
それをどう高めるかというとだな、水技を使って使って使いまくって、水のエネルギーを消費させるのさ。やがてエネルギーは循環する。より大きく力強くな。」
「うん!解った!水タイプを使って、強くするんだね!」
「・・・・・はぁ、ま、そんなとこだ。」
.
.
マダツボミの塔。
「うはぁ。おっきいいいぃぃ!!」
五重の塔!五重の塔!
「ここはマダツボミの塔だ。トレーナーの修業の場と言われている。
いいかマツリ。今からワニッペを引き連れて最上階まで行け。最上階にいる長老とバトルして勝てたら、ジム戦を許可する。俺はここで待ってるぜ。」
おやぶんが言った。
ホントはすぐにジム戦したいけど、おやぶんは、いい加減な指導はしないから、ちゃんと言うことを聞く。
「はーーい!・・・あれ?ここでも、水タイプの技だけ?」
「たりめーだろ?」
「『ひっかく』や『かみつく』も?」
「クドーみてーになりてぇんだろ?修業の一環だ。」
・・・うーん。ま、いっか♪
「じゃあ行ってきまーーーす!」
アタシはワニッペの入ったボールを持って、マダツボミの塔に入っていった。
.
おやぶん side
・・・行ったか。
ワニッペの技でいうと、『水鉄砲』しか使えねぇ。
水鉄砲のみでマダツボミに勝てるかといえば、否だ!
当然この先でも、水鉄砲で勝てるほど、甘くない。
アイツらが負けて帰ってきたら、教えてやるつもりだしな。
水タイプの究極技、『波乗り』を!
.
.
バンッ・・・!
お、帰ってきたか。
マダツボミの塔の門から出てきたのは・・・・・・・ワニッペじゃねぇか?マツリはどうした?
「あ、おやぶんさん。」
ワニッペが言う。
「ん?お前バトルしてねぇのかよ?まだ元気そうだぜ。」
「あ、いえ、それが・・・その。」
ワニッペが、言いづらそうに口ごもる。
「んだよ。どうしたってんだ?」
.
「・・・・・・リーダーがいません。」
.
「・・・・・・・・は?」
開いた口が塞がらなくなった。
「で、ですから・・・・ウチのリーダー、途中ではぐれ 「またかぁぁぁああああーーーーーーー!!!?」
.
.
.
マツリ side
マダツボミの塔。最上階。
「よくぞここまで来られた。若きトレーナーよ。」
あれ?いつの間にか行き止まりにきちゃった。
「ここって行き止まりですか?」
「何を申す。ここが最上階の最後のフロアですぞ。」
「わーー!最上階に来たんだー!」
迷ってウロウロしてたのは内緒にしておこ。
「では、この塔の長老がお相手つかまつろうぞ!」
長老が勝負を仕掛けてきた!
.
「・・・・・・・。」
「えへへ♪」
「・・・おぬし、ポケモンは?」
「迷子になってはぐれちった〜♪」
「なんと・・・情けないのぅ。」
「えへへへ♪」
でも、笑ってる場合じゃないね。
長老さんとバトルで勝たないと、ジム戦させてくれないし。
うーーーん・・・。引き返して探してこよーかなー?
思考にふけていると、後ろから誰かの足音が聞こえた。
「あれ?ワニッペ?」
ワニッペが来てくれたのかと思って、後ろを振り向いた。
けど、そこにいたのは・・・。
.
「・・・貴様が長老だな、秘伝マシンの『フラッシュ』を頂きにきたぜ。」
オレンジの髪、黒い服。
・・・ラックだ!!
.
.
ブラック side
・・・フン、ここも大した事ないヤツらばかりだな。
目の前にいる長老とかいうヤツも、てんで弱そうだ。
さっさと片付けるに限る。
「ラックーーー!元気してたーーー!?」
・・・・うぜぇヤツがいやがるな。
なんで此処にいるのか知らねぇが、ムシだ。
「・・・おぬしは挑戦者かの?」
「ラック!あの時なんでいなくなっち 「ああ、さっさと始めようぜ。俺もヒマじゃねぇんだよ。」
「・・ワシを甘くみない事ですぞ。全身全霊で挑みなされ。」
「約束通り、アタシとバトルし 「はん、てめぇなんざ、4割程度で十分だ。」
「そうとうな自信家じゃな。じゃが、最初から勝利を気取ると足元を掬われますぞ。」
「あ。そういやアタシ、ポケモンいないんだっ 「うぜええぇんだよ!さっきから口挟みやがって!!」
・・・たく!調子狂うぜ。
俺はヒノアラシを繰り出した。
ジジイはマダツボミを繰り出す。
「・・・芸のないヤツらだぜ、マダツボミばかり。炎タイプの格好のエサだな。」
「む・・。このヒノアラシ、出来るぞ。・・・容赦なしじゃ!マダツボミ!ツルのムチ!」
マダツボミのツルのムチ!
しかし効果は今ひとつのようだ。
ヒノアラシの火の粉!
ゴオオオォォォ!!
マダツボミは倒れた。
ジジイがマダツボミを戻す。
「フン、口だけだな。」
「何を、まだまだ。ゆけ、ホーホー!」
ジジイはホーホーを出した!
「催眠術!」
「煙幕だ。」
ヒノアラシの煙幕!
ホーホーの命中率が下がった!
ホーホーの催眠術!
しかし、うまくきまらなかった!
「火の粉だ。」
「体当たりじゃ!」
ヒノアラシの火の粉!
ゴオオオォォォ!!
ホーホーは地についた!
ホーホーの体当たり!
しかし攻撃は外れた!
「電光石火だ。」
バキッ!ドカッ!
ホーホーは倒れた!
「フン、さっさとよこせ。」
長老との勝負に勝った。
.
「ほぇ〜。ラック強〜い。」
「・・・・むむ。わかりました。約束通り、この秘伝マシンを授けましょう。」
俺はジジイから秘伝マシンを受け取った。
「いやはや、実力は本物です。しかし、もう少しポケモンを労(いたわ)るべきですぞ。」
「・・・黙れ。ザコに説教される筋合いはない。」
俺は踵を返し、近くにあった窓へと足を運ぶ。カバンから、鉤爪付きのロープを取り出した。
「わわ!なにそれ!?忍者道具!?」
バカ女の言葉をシカトし、窓から下を見下ろす。
・・・25mくらいか。いけるな。
俺は穴ぬけのヒモを使った。
.
「ねえねえラック!アタシにもやらせて!忍者みたいにやりたい!」
「な!?このバカが!離れろ!」
俺が脱出している最中、バカ女がヒモを揺らした!
ユサユサユサユサ!!
「離せ!このバカが!」
「んに?」
.
したら、そのバカは・・・・・。
.
何を離したかと思いきや・・・。
.
・・・・・鉤爪。
.
・・・・・故に、俺は。
.
「・・・・ーーーーーアァァーーーーーーーーホォォーーーーーーーーーーーーー!!!!」
意味を失ったロープと共に、地面に真っ逆さまに落ちていった・・。
.
.
.
ワニッペ side
・・・・・え・・・・・ええええ!!?
「ちょ!おやぶんさん!?」
「なんだよ?」
「ちょ!上見て下さい上!!
僕達は、今からリーダーを探しに行こうかと門に入る寸前だった。
ふと、地面に影ができたから不思議に思い、空を見上げたら、人が落下してきた!
「げ!なんだありゃ!?自殺志願か!?」
「言ってる場合じゃないですよ!あの人、このままだと地面に落ちて死にますよ!?」」
「待て!近くに池がある!あそこへ落としてやろう!」
「ど、どうやって!?」
「見てろよワニッペ!!」
ビュンッ!!
そういうとおやぶんさんは、足を曲げて、垂直に跳躍した。・・って高っ!
上から降ってきた少年と、下からジャンプしてきたおやぶんさんが、同位置になった時だった。
「波乗り!!」
ザッパアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァンンン!!!
「ガボォ・・・!!?」
でえええぇぇぇ!!?
お、おやぶんさんが、技を発動したかと思えば、おやぶんさんが口から水を出して、それが、一気にすごく大きくなって、マ、マダツボミの塔の半分くらいの体積の水が、あの少年を飲み込んだ!
「そのまま池に落ちろぉ!」
おやぶんさんが発した。
ドッポオオオオオオォォォォォォン!!
おやぶんさんの波乗りの水が池に入り、池の水が氾濫する。
波乗りの水に飲みこまれた少年は、そのまま池の水へたたきつけられた。
おやぶんさんが降りてきた。
「これで大丈夫だ。」
「(・・・死んだかな?)」
.
池の淵に、全身真っ黒の服をきた、オレンジの髪の少年が、ピクピクと横たわっていた。
「お、生きてるぜ。」
「(・・・ほっ。)」
.
ブラック side
「・・・・・あんの・・・クソ女がああぁ!!」
アイツに会う度にロクな事がねぇ!
水難・水禍が、俺にまとまりつくように、災難に見舞われていく。
「・・・・・次会ったら・・・・・ぶっ殺す・・!!」
濡れて重くなった服を絞りながら、俺は塔から離れていった・・・・・。
.
おやぶん side
あのバカを探そうと思ったが、手間が省けた。
「マツリのヤロー、既に最上階にいやがるぜ。」
「そ、そうなんですか?」
「見ろよ。」
ワニッペに、マダツボミの塔の最上階の窓を見るように言った。
「・・・あ。」
「な、いただろ?」
最上階の窓から顔を出していたマツリが見えた。
「ぼ、僕無しでよく最上階まで・・。」
「修行僧のトレーナーと何人バトルした?」
「一人だけです。」
「・・一人だけ戦って勝った後に、はぐれたっつーわけか?」
「はい・・・。」
「・・・にちゃあよく勝てたな?『水鉄砲』しか使ってねぇんだろ?」
「あ、たまたま急所に当たって。」
「けっ。・・だが解っただろ?水のみを使う事の辛さが。・・だからさっき俺が使ったあの技をてめぇが習得するりゃいいんだ。
「そうですね。それならだいぶバトルも楽にってえええええぇぇ!!?ムリムリムリ!!あんなデカい技ムリムリムリ!!」
冷や汗をかきながら、必死に拒否するワニッペ。
「バカ。最初からあそこまで出来るワケねーだろ。修練を積めばより強く、より激しい『波乗り』を扱えるんだ。その為には、体内から体外へ出す水の生成を素早く行いつつ、なお膨大な水量を出さなきゃならねぇ。
・・・ま、とりあえずマツリんトコいくぜ。」
「はい。」
ワニッペが門に入る。
ガシッ。
俺はワニッペの腕を掴んだ。
「へ?」
「ワニッペ、真上に水鉄砲しろ。」
「はい?」
「いいからやれ。」
「ま、真上にですか?は、はい。」
「全力でだ。」
ワニッペの水鉄砲!
ドドドォォォオオオ!!
ワニッペの水は、マダツボミの塔の隣から湧き出るような、一本の棒状となった。
まるで小さい滝のように。
俺はワニッペのうでをガッシリと握る!
「『滝登り』!!」
ドバババババババババ!!
「ぎぃゃやあああああああ!!!?」
ワニッペの出した水鉄砲をさかのぼりし、高さ約25mのマダツボミの塔の最上階の高さまで『滝登り』で上昇した。
.
マツリ side
あーあ。ラック行っちゃった。(←罪悪感0。)
ホントに忙しそーだね、ラックは。
しばらく窓から景色を眺めていると。
.
ドドドォォォオオオオオオ!!
わ!噴水だ!
水しぶきが散るくらいの大きな噴水がアタシの鼻先に突き上がっている。。
そして次には・・・。
ドバババババババババ!!!
「マーツーリーーーー!!!」
「ワーーニャーーーーーーーー!!?」
あ!ワニッペとおやぶんだ♪
窓の外から、沸き上がる水にのって、最上階にいるアタシの高さまでおやぶん達がやってきた。
「やっほー♪楽しそーだね♪」
おやぶんのアクアジェット!
ドッシャァァアアアン!!
「いっぺん死ねぇええ!」
「がぎぃっ!?」
おやぶんに突き飛ばされて床を転げ回る。
窓の外からアクアジェットで侵入してきたおやぶん達は、アタシにタックルした。
「方向音痴も大概にしやがれ!っつーか、よく最上階まで来れたな!ポケモンなしで!?」
「あたた・・、えへへ、トレーナーさん、みんないなかったよ♪」
ワニッペ探してる間は、誰とも会わなかったしね。
「・・・このラッキー娘が。(けっ、いっぺん敗北させて気合い入れ直すつもりだったのによ。)
.
.
おやぶん side
「よぉ、長老。久しぶりだな。」
「おお、しゃべるマリルとは・・・。いやはや、何年前になるかの?」
「15年ぶりだ。」
「懐かしいですな。あの時のトレーナーは元気ですかな。」
「あぁ、死んだよ。」
「なんと!・・・お労しい限りですな、まだお若いのに。」
・・・このマダツボミの塔は、クドーと旅をしていた時に、修業僧だった今の長老に世話になった。
「コイツはあの娘だ。マツリってんだ。」
「ほう、貴女はあのトレーナーの子供さんか。・・・何処か面影がありますな。」
「えへへ〜、そう〜?」
マツリが頭をかく。
「マツリもトレーナー修業してんだ。相手してやってくんねぇか?」
「勿論ですとも。私でよければ。」
長老が言った。
「はい!お願いしまーす!」
.
マツリはワニッペを繰り出す。
長老はマダツボミを繰り出した。
「そちらからどうぞ。」
長老が先手を譲った。
「いいの?じゃあ・・ワニッペ!水鉄砲!」
ワニッペの水鉄砲!
しかし、マダツボミには効果がいまひとつのようだ。
マダツボミのつるのムチ!
バチィィン!!
「ワニャーー!」
効果は抜群だ!
ワニッペは倒れた!
「ああ!負けちゃった〜〜!」
マツリは倒れたワニッペを揺さぶって起こす。
・・・ま、マダツボミ相手じゃ、こんなもんだろ。
「いいかマツリ。長老に勝つまではジム戦はお預けだからな!」
「むぅ・・・。」
けけけ、悔しがってやがる。
だが、実質このくらいの課題をクリアできなけりゃ、ジムリーダーに勝てやしねぇよ。
ここのジムは飛行タイプを扱う。
相性ではイーブン。だが、素早さでは劣るワニッペじゃあ、少々苦戦するだろうよ。
「ま、そういうわけだ。せいぜい頑張れよ。ギャハハハハ!」
マツリに挑戦的に罵声を発した。
「・・・もう!」
マツリはワニッペをボールに戻して、走って階段を降りていった。
・・・マツリは甘やかすと、すぐに横道それるからな。少々酷だが、これくらい突き放してやった方が、アイツには丁度いい。
俺は、部屋の奥の神前の壇上に腰掛けた。
隣には長老が座っている。
「どうだ長老。アイツの見込みは?」
俺は長老に聞いた。
「ふむ。初心者ですから、経験が浅はかなのは致し方ない事。
ですが・・・、なかなか面白い子ですな。」
長老は目を細めた。
「・・・躍進の兆しあり、です。」
「ま、アイツのガキだしなぁ。」
俺と長老は、しばらく昔話に垂れ込んだ。
.
.
マツリ side
むっす〜〜〜〜!!!
もぉ!おやぶんったら!!
アタシはポケモンセンターにワニッペを預けて、ソファで回復を待つ。
ぜっっったい見返してやるんだから!
アタシは息を吐いた。
・・・・・・・・・・・・。
受付にはジョーイさんがいる。書類さぎょーかな?
「すみませーーん!」
アタシは受付に向かって走る。
「はい。何でしょう。」
営業スマイルでニッコリと接客するジョーイさん。
「マダツボミに勝つにはどーしたらいーですか!?」
アタシには解らないから、詳しそうなジョーイさんに聞くことにした。
「あら、ひょっとして、マダツボミの塔に挑戦するの?」
「うん。でも、ワニッペの水鉄砲、効かないもん。」
「ワニッペって、ワニノコの事?・・・相性で悩んでるのね?」
「うん。」
「だったら、色んなタイプのポケモンを捕まえて、再びバトルをしたら?マダツボミだったら、飛行タイプや炎タイプが有利よ?」
「ダメ!水タイプじゃなきゃ!」
「あら、どうして?」
「だって、水ポケモンで勝ちたいんだもん・・・。」
「あらそう。でもそういったこだわりは大事なことよ。だったら、水タイプ以外の技で攻めるのも手よ?ガンガン攻撃するよりも、補助効果技や、相手の能力を下げる技を使ってみるとか?」
「ほぇ〜。ワニッペだったら何が使えるの?」
「ワニノコだったら、睨めつけるで相手の防御を下げたり、いかりで攻撃力を上げたり、かみつくで相手を怯ませたりとかかしら?」
「う〜〜ん。でも、水タイプしか使っちゃいけないもん。」
「どうして?それだと不利じゃない?」
「おやぶんが言ったんだ〜。水タイプを使って使って使いまくれば、修業になるって。・・・・・んでも、マダツボミに一発でやられちゃうもん!」
むすーっと、受付のカウンターに顔を埋める。
「・・・ふふふ。そのおやぶんさんは、きっと貴女を強くしようとその条件を出したのね。」
「・・ほぇ?」
・・・アタシにイジワルしてるんじゃないんだ。
「水ポケモンは、バトルで水系の技を使う事で、体力や技の威力を高めていくの。確かに、バトルで勝つためには、ノーマル技や氷技を覚えさせるのが一般的だけど、水ポケモンにとって『水鉄砲』は、掛け替えのない大切な技なのよ。」
「そーなんだー?」
「例え相手の相性が悪くても、自分のタイプと同一の技を、一生懸命何度も練習すればそのポケモンも、きっと想像以上の力を発揮してくれるはずよ。」
「・・・・・・ん!わかった!ありがとーございまーす!」
えへへ♪そーだね♪
勝つためには練習練習ーーー!
アタシはポケモンセンターの出口へ走る!
「あ!ワニノコ忘れてますよ!」
ありゃ!・・・うっかりしてた〜。
「えへへ〜♪よくあるよくある〜♪」
「うふふ。頑張ってね。」
「はーーーい!」
アタシはワニッペを受け取り、外へ出た。
.
アタシとワニッペは、長老との再戦に向けて、31番どうろでトックンする!
「水鉄砲!」
「ワニ!」
野生のポケモンと何度も戦って、技を磨く!
「あの向こうの洞窟まで走れーーー!」
「ワ・・・・ワニャーー!」
持久力とスタミナも上げていく!
「さあ!泳ぐよーー!ワニッペ!競争しよ♪」
「・・・ワ・・・・ニ・・。」
池で泳いで、水ポケモンとしての泳ぎの特技を生かして、水に馴染ませる。同時に適度な運動にもなる!
「さあ次はーー!ヨシノへGO!」
「ワニャーー!!?」
下り坂を駆け足で走り、長い距離をいく!
「よっし!キキョウへ帰るよーー!」
「・・・ワ・・・・ニ・・・!」
ヨシノシティに着いてすぐに、再び山道を戻り、長い登り道を駆け上がって走る!
「・・・ありゃ、ここはどこ?」
「・・・・・・・・・。」
・・・たまには道に迷ったりする。
「到着〜!休憩したらバトルするよ〜!」
「・・・・・・・・・。」
キキョウシティの関門に着いて、一休みする。
「ワニッペ!水鉄砲!」
「・・・・・・・・・。」
草むらで野生のポケモンと戦う!
「洞窟たんけーーーん!!わ、真っ暗!」
「・・・・・・・・・。」
洞窟で野生のポケモンと戦う!
「・・・・・・えへへへ♪」
「・・・・・・・・・。」
・・・・そして、また道に迷う。
.
.
.
トックンを始めて2日後の朝!
マダツボミの塔を登り、最上階を目指す!
・・・・3時間くらいかかったけど。
アタシは最後の階段を上がり、最上階に着いた!
奥の部屋に、長老とおやぶんがいた!
「来たか・・・。」
おやぶんが言う。
「おやぶん!こないだのリベンジ!しょーぶ!!」
「馬鹿野郎!てめぇが戦うのは長老だろうが!」
「あれ、そだっけ?・・・んにゃ?おやぶん、ずっとココに居たんだ?」
「あぁ。そろそろ来る頃かと思ってたんだが。じゃあ長老、頼んますわ。」
「解りました。・・・では、修業の成果を見せて頂きましょうか。」
長老が勝負を仕掛けてきた!
長老はマダツボミを繰り出す!
「ワニッペ!レッツゴー!」
アタシはワニッペを繰り出す!
「・・・・・・・・・・。」
「なんだぁ?どしたワニッペのヤツ。」
「トックンの成果を見せたげるーー!」
「・・・・・・・・ワニ。」
ワニッペの水鉄砲!
バッシャアアァァン!
マダツボミに小さなダメージ!
「ほぉ、技の威力が上がっていますな。マダツボミ!つるのムチ!」
マダツボミのつるのムチ!
バシィィン!!
効果は抜群だ!
ワニッペはまだまだいける!
「お、耐えたな!」
おやぶんが評価する。
「ワニッペ!水鉄砲!」
「つるのムチ!」
互いの技が交錯しあう。
先に膝を着いたのはワニッペ。
「ワニッペ!水鉄砲!」
ワニッペの水鉄砲!
ワニッペの『激流』で水の威力が上がった。
バッシャアアァァン!
しかし、マダツボミはまだ余裕の表情を浮かべた。
「つるのムチ!」
マダツボミのつるのムチ!
ワニッペは、オボンの実で体力を回復した。
バシィィン!!
効果は抜群だ!
ワニッペはなんとか耐えた!
「なんと!回復を?」
「ワニッペ!水鉄砲!」
バッシャアアァァン!!
急所に当たった!
マダツボミは倒れた!
「やったーーーー!!イェーーーイワニッペーーー!」
「・・・・・・・・・ワニ。」
パチンと、ワニッペとハイターッチ!
「いやはや、恐れいりました。まさかホントに水技のみで勝利するとは。」
「えへへへ♪おやぶん!」
「・・あ?」
「勝ったよ!おやぶん!」
「・・・ケッ、まあまあだな。」
「ジム戦していい!?」
「ああ。約束だからな。」
「やったーーーーーーーーー!!ワニッペーーーイェーーーーイ!!」
「・・・・・・・・・・・。」
ワニッペと、も一回ハイターッチ!
「・・・・・・・・・・・。」
バタッ!
「ほぇ?どしたの?ワニッペ?」
ワニッペは俯せになって床に倒れる。
「・・・ポケモンセンターへ行ってやれ。」
おやぶんが言った。
.
.
.
つぎの日。
キキョウジムに着いた!
「さあ!挑戦だーーー!」