トキワシティ
〜♪
フシギダネは、私の鼻唄をよく聞きに寄り添ってくる。
私はよく、散歩する時に無意識にハミンクを口ずさむ。ホントに聞こえるかどうかの音量で。
最近は、フシギダネのお気に入りになってしまった。
トキワシティのポケモンセンターに預けている時、待合室で待っているとき、人に聞こえない程度に鼻唄を歌っていた。
私は歌うとき目をつむるから、気がついたら、私の周りにプリンやピッピ、ニャースが集中して聞いていて・・・、すごく恥ずかしい。逃げようにも囲まれていて逃げられない。
最後まで唄ったりする。皆目を閉じ、心地良さそうな表情をしている。プリンが一緒になって歌い出す。
優しい、穏やかな感じの子守唄がポケモンセンターに響く。
飼い主(トレーナー)がやってきた。やっと解放された・・・・・。そう思った。
「綺麗な歌声ね〜。フフフ、ゴメンね、ありがとう。」
・・・頭から湯気が・・。
フシギダネを受け取って、そそくさと外へ出て行った。
北へ行くか、西へ行くか・・・。
北の方向には禿げたお爺さんが、通行人に出会い頭に絡んでいる。
「・・・・消去法・・。」
「ダネ」
西へ向かった。
道を進むと看板が見えた。”この先、セキエイ高原”と書かれている。
「・・見晴らしがいいのかしら。」
興味が芽生え、歩いていくことに。
・・・この辺りにも野生のポケモンは出てくるようだ。
フシギダネでドンドン倒して前へ前進していく。
この前、フシギダネが蔓を出して攻撃していたのに気づき、新しい技にするため、練習してみたりする。
・・・結構教えたから、バトルのボリューム高くなった・・・かも。
お昼。
買ったサンドイッチを木陰に座って食べる。フシギダネには、昨日からドックフ・・じゃない、ポケモンフードを上げている。
図鑑で調べる前までは、お水と肥料かな?と思ってトキワシティ郊外の農家の伯父さんに、肥料とジョウロを貰って、フシギダネにあげたりした。
そしたら、肥料を地面にぶち撒け、俯せになった。よくみると、外皮から養分を吸収していた。一瞬、こんなの食えるかぁ的なリアクションかと思った・・・。
お水は、私がちゃんとジョウロであげた。
・・・クシャミしてたけど気のせい。
今では口径流動により、飲食をしている。
(楽しみがなくなった・・・。)
サンドイッチを食べ終えた私は、鞄から小型のジョウロを取り出す。
はぁ・・・。
溜息を零したりする。
「・・・・・・フシギダネ・・。」
フシギダネは気づかないフリをした。
「・・・これから・・暑くなる・・。」
フシギダネは、十分です。と、見せつけるように、お皿に入った水をなめる。
「・・・・・・・・スン・・・うぅ・・。」
「ダ!?ダネダネ!」
ポケモンにも、良心が痛むらしい。
・・・あ、フシギダネが待ってくれている。・・やった、・・・お水お水・・・♪
「ダネ〜・・・」
この近くにある池の水は綺麗だから、多めにあげてみたりした。
しばらく歩くと、向こうから誰かがやってくる。
近づいてみると、だれか直ぐに解った。
グリーンだった。
「お、ルナじゃん。ポケモンリーグに行くのか?止めとけ止めとけ。お前どうせバッジ持ってねーだろ?」
「・・・ポケモンりいぐ?・・・ばっぢ?」
分からない単語が。
「何もしらねえのかよ。ポケモンリーグはポケモントレーナーのバトルの祭典。みなの憧れの大会さ、各町のジムリーダーにポケモンバトルで勝ってバッジを8個ゲットすれば参加出来るってわけだ。」
「・・・グリーンは出るの?」
「当たり前だろ?ルナも挑戦するよな?トレーナーだったら大会目指してなんぼだぜ。」
「・・・・ん〜。」
いまいち決心が・・。みんな強そうだから・・・。
「それより、・・・お前のフシギダネ、なんでビシャビシャなんだ?」
フシギダネは水で潤っていて、地面まで濡れている。というか、歩いてきた跡がすでに1本の線を描いている。
「・・・さっきまでご飯だった・・。」
「よ、よーわからん。とにかくよぉ、ルナ。チョットは強くなったかよ。腕試ししようぜ。」
「・・・・イヤ。」
「(ガーン!?)・・・な、なぜ?」
「グリーン強そう。・・・私か弱いし・・・。」
「だ、大丈夫さ。手加減してやるし。慣らしておくのも大事だぜ。」
「・・・・でも、」
「とにかく行くぜ!行け!ポッポ!」
グリーンはポッポを繰り出した。
「?・・・・ポケモンバトル?」
「そうだぜ!ルナもポケモンだせって。」
(・・・腕試しっていうから・・・・腕相撲するのかと思った・・。)
.
私はフシギダネを出す。
初めてのトレーナーバトルが始まった。
「ポッポ!体当たり!」
「・・・かみつく」
「はあ!?」
ガブッ
ポッポの翼に噛み付いたフシギダネ。ポッポは痛がりながら振りほどくのに必死。
「電光石火だ!」
ポッポは、素早い動きでフシギダネを振りほどく。
フシギダネ着地失敗。痛そう・・。
「ルナ、ちょっとタイム。」
「ん?」
私が首を傾げると、グリーンは大きく息を吸い込んだ。
私は耳を指で塞ぐ。
「なんだそれはああぁ!!」
グリーンは元気もいいけど、声も大きい。私もあれくらいの声量がほしいかも。
「・・・何?」
「な、なんでフシギダネが噛み付く覚えてんだ?」
「・・・・そういえばグリーン。・・・フシギダネ引っかく使えないって・・・。」
「使える訳ねーだろ!体当たりだろ普通!」
「・・あの時は”引っかく”で教わった・・・。」
「あ、あれはヒトカゲでやったからだろうが!」
「・・・だから私が、頑張って教えた・・・。・・・・・・・・うそつき」
ほんとに、グリーンのうそつき。
・・・?グリーン、涙目?
「・・・ゴメン、言い過ぎた。」
「ブツブツ(ルナに嫌われたルナに嫌われたルナに嫌われたルナに嫌われたルナに・・・Orz)」
「・・・?」
「ん?ああ、なんでもねぇよ。バトル再開するぞ!」
バトル再開。
「ポッポ!砂かけ!」
ポッポがフシギダネに砂をかけ、目潰しをした。フシギダネが目を痛そうにした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ポッポ!かぜお・・こ・・・、ルナ?どうしたんだよ・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「おーい、ルナ?(ルナって、いっつも無表情だから黙り込むと余計恐いな・・)」
私は、鞄からジョウロを出し、水を汲んで、フシギダネの目を洗浄してあげた。
それを終え、ジョウロを鞄に戻し、グリーンを睨みつけて言った。
「・・・・・・失明したら・・・どう責任とるの・・・・!?」
「はあ!?」
私はグリーンから、”砂かけ”は相手の命中率を下げるための正規の技であって、決して故意に悪気があって目を潰そうとした訳ではないと説明してくれた。
私も冷静になった。
「・・わかった。・・・ゴメン。」
「まあ、ルナの気持ちも分かるけどな・・。で、どうする?バトル続けるか?」
「・・・(コク)・・・最後まで・・やる。」
「オッケー!ポッポ!風起こし!」
グリーンは、やっぱりバトルしているときが一番イキイキしてる。見ていて楽しいのは、やっぱりあの時の表情だ。
「・・・ヘリコプター。」
フシギダネは、蔓を2本伸ばし、螺旋状に構えをとり、蔓を高速回転する。
風バリアの出来上がり。
ポッポの攻撃が弱くなる。
「・・・稲妻落とし。」
フシギダネは蔓でポッポを捕らえて搦め捕る。と同時に、フシギダネは跳躍。そこから着地までの間に、ポッポを縛り付けた蔓を360゜旋回させ、これを2回繰り返す。
客観的にいえば縄跳びの二重飛び。
ビュン!ビュン!
・・・あ、フシギダネ成功。パチパチ。そしてそのまま・・・
ドグシャ!
ポッポは地面にたたき付けられた。
ポッポは倒れた。
「・・・凄。フシギダネ、練習の成果でたね。」
「ダネフシ!」
グリーンがずっとポカンとしている。
「・・・ルナ、お前絶対ポケモンリーグ出る気満々だろ?」
? 私は首を傾げる。
「まあいい、次はコイツだ!」
グリーンはヒトカゲを繰り出した。
あの時のヒトカゲだ。前見た時よりチョット大きくなった?
「・・・連戦・・?」
「手持ちが無くなるまでさ。でも、俺が勝つぜ!」
・・・グリーンって、ホントにズルい。よってかかって2匹でフシギダネを攻撃して・・・、オマケにグリーンのヒトカゲ強いもん・・。
「・・・・・手加減してくれる?」
「さっきのバトル見た瞬間必要ねぇわ!!」
「・・・イジワル。」
「バトル開始だ!ヒトカゲ!火の粉!」
ヒトカゲの口から赤い球が出てきた。速い・・・!当たる・・・
「ダネェ!」
フシギダネは避けようとしたけど、当たってしまった。凄い技・・・。フシギダネの葉っぱが焦げて、部分部分燃えているのが見える。
私はジョウロを持って、何時でも出動可能。
「もう一度だ!」
「・・・ヘリコプター。」
フシギダネは蔓のプロペラをつくり、火の粉を弾こうとするが、
「ダネェ!?」
・・・やっばり熱かった。態勢が崩れたけど、相手も撃ち終わっていた。
「・・・お水タイム。」
「ムリ。」
「・・・・・ケチ。」
・・・どうしよ、フシギダネもうピンチだ。あと1回当たったら・・・。
「・・・稲妻落とし。」
これに賭けるしかない。
フシギダネがヒトカゲを捕らえた。フシギダネは大きくジャンプする。そして、弧を描くように蔓を回し、そして、地面にたたき付けた。
それでも、ヒトカゲは倒れなかった。やっぱりグリーンは強い。
・・・?・・・!・・・・・まだ蔓を解いていない・・・!
「火の粉だ!」
「・・・口を塞いで!早く・・!」
フシギダネは指示を聞くや否や、ヒトカゲの顎を絡めとり、口をロックする。
ボフンボフン!
変な音が響く。ヒトカゲを見ると、口元から煙りが漏れ、白目を向いている。・・・大丈夫かな・・?
すると、ヒトカゲは段々精気を取り戻り、その刹那・・・。
ゴオオオオォォォォォ!!
ヒトカゲの口から激しい炎が噴出した。・・・フシギダネが危ない!
「ダネェーーーーー!!?」
フシギダネは倒れた。
・・・・・・・・・・・・。
私とグリーンは、トキワシティのポケモンセンターに来ていた。
看護婦さんからは、あと少しで回復するって聞いた。
待合室で待つことにした。
静かな空気が流れる。
・・・しばらくして、私は口を開く。
「・・・・・・グリーン強いね・・。」
「・・え!?い、いや、何言ってんだよ、ルナも強いじゃねえか。(ほっ、負けて滅入ってんじゃねえかと思ったけど、そうでもなさそうだ)」
グリーンは鼻を啜った。
「でもまさかよ〜、ヒトカゲがあのレベルで”火炎放射”覚えるなんてよお。俺ってやっぱ天才?・・・あ〜、ゴホン。まあ、ルナの・・お陰でもあるんだけどな。」
私はグリーンの顔を見つめる。
グリーンは一瞥すると、すぐ前を向いて立ち上がって背伸びした。
「・・・・・・・ズルい。」
「え・・!?」
驚いたように振り向くグリーン。
「2匹も持ってるの・・・ズルい。・・・どうやったの・・?」
「あ、あ〜、そういうことか・・。」
「?」
「解ったよ。火炎放射の礼も兼ねて、ゲットのコツ教えてやるよ。」
・・やっぱり、グリーンは親切だ。・・・ありがと・・・。
・・・多分ヒトカゲは、大量の火の粉を口内にいれて爆発させ、炎熱の感覚を覚えて、体内の燃焼器官に強い刺激を与え、結果的に強い炎を噴けるようになったのだろう。
ピンピンピコリン〜♪
トキワの森ゲート前に私達はやってきた。
「野生のポケモンの捕まえ方は、知ってるよな?」
「(コク)」
「じゃあ、見ててやるからやってみろよ。」
私は草むらに入った。
ポッポを見つけた。
「・・・えっと、いきなり捕まえてようと・・・しても逃げるから・・。」
グリーンは頷いてくれる。
「フシギダネ。・・・かみつく。」
「・・・まあ、もういいや。ツッコミ切れねぇ。」
「?」
フシギダネはポッポにダメージを与える。
ポッポの体当たり。
「・・・今・・!」
ポッポはフシギダネに一直線に攻撃しようと、フシギダネに集中して、周りが見えていない状態だ。
私はサイドに接近し、軌道を読み、ぎりぎりまで引きつける。
「ほお(ルナの奴、結構本格的じゃねえか。)」
「・・・いける・・!」
私は、一気に加速し、ポッポの背後をとる。そして首と腹を抱え、ロック完了。
ガシィ!
「ポポポポォ!?」
ポッポは暴れて羽をばたつかせる。
「・・・静かに・・。」
腕に力を込める。
「・・・・ポポ・・。」
ポッポは引き攣ったように怯え、固まった。
私はそのままグリーンの処へ・・・?・・グリーンが寝てる・・・。
・・・あ、起き上がった。
「ちょっとまてえぇぇえええ!!」
グリーンがいきなり大声出すから驚いた。その勢いで、腕からポッポが逃げたし、空へと飛んで行ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・何・・?」
「逆切れ!?」
グリーンから、モンスターボールを受け取った。どうやら、これをポケモンに投げて、当たればゲットできるらしい・・・。
「・・・ということだ。さっきも言ったが、一発でゲットしようと思ったら、相手を弱らせてからボールを投げるのがセオリーだ。いいか、弱らせてゲットだ。質問は?」
グリーンが簡潔に手短に教えてくれた。
けど、・・投げる・・・か・・。
「・・・コツは?・・」
「コツ?」
グリーンが聞き返す。途端に、言うのが恥ずかしくなる。
「・・・・・・・投げ方・・。」
「はあ?そんなの、野球のボールを投げる感じで、片足上げて、踏み切って、ヒュッって感じだよ。」
「・・・片足上げて、踏み切って・・・」
私は言われた通り実践する。
「・・・(ヒュッ)」
ガン!!
鈍い音が響く。私は目を開け(投げる時は目をつむる)、音がした方向を向く。左に150゜・・・・。
グリーンは寝ていた。コブをこしらえて・・・。
「・・・ゴメン・・・。」
「い、痛・・、ルナ、お前、ひょっとして、お前、ノーコンか?」
言われてしまった。私は顔を紅くし、靴の爪先を地面にトントンする。
「照れてる場合か。」
「・・・・苦手・・。」
「努力しろ。」
「・・・・・・昔から・・下手だもん・・・・。」
苦手な事を意識して、それを克服しようと考えただけでも自賛ものだ。でも、人には出来る人と出来ない人がいる。
私は後者。小さい頃から長い時間をかけて努力した。・・・でも、飛距離が伸びただけで、相手のミットに入らない。いつも肩や肘を痛めて、泣いて帰った。
「そんなこと言ってたら、いつまでもポケモンゲット出来ねぇじゃんか!!ったく!捕るのはウマい癖によぉ!」
グリーンが声を荒げる。
確かにそうだ。・・・・・でも、努力した結果が今の自分。
私は、グリーンにノーコンと言われ、自分じゃポケモンを一生捕まえられないという自責が込み上げてくる。
「・・・・・・・うぅ・・・・グスッ・・!・・・・ぅ・ぅ・っ・・・!!」
出来ないことを責められた事よりも、グリーンに愛想尽かれるのが恐く、悲しみが涙と一緒に溢れる。
自分は、見捨てられる。
私は顔を覆って、小さく泣いた。
「わわ!?おい泣くことないだろ!?・・悪かったよ、悪かったって!ほ、ほら、コレで涙拭けって!」
.
.
.
「・・・落ち着いたか?」
グリーンが小さな声で聞いた。私は頷く。
「・・・ゴメン・・・。」
「いや、こっちもつっかかり過ぎた。悪かった。・・・・・・でもよ、ルナ、俺も練習して出来るようになったんだ。ルナも・・・、」
私は、右肩を動かす。
ゴリ、ゴリ、ゴリ・・・
グリーンは驚いた表情で尋ねた。
「いい!?な、なんでそんなゴリゴリいってんだ!?どうなってんだ?その肩?」
「・・・・練習して脱臼した・・・。・・後遺症的な・・。肘もよく痛めたから・・・・・・、もうあんまり投げるなって、・・・言われた・・。」
グリーンはしばらく唖然としていたが、次第に悲観的な顔になったと思ったが・・・、穏やかな表情に変わる。
「・・・そっか。強いな、ルナは。俺なんかよりずっと負けず嫌いじゃんかよ。・・・・・見直したぜ。
・・・マジでゴメンな。ルナ。もう責めたりしねぇよ。ちゃんと応えっから。」
・・・・・グリーンの言葉を聞き、ホッと安堵する自分がいた。
「・・・グリーンは、・・とても優しい人・・・。・・色々教えてくれて・・・、嬉しい。」
お返しのつもりで言ってみたりする。
・・?・・・グリーン、真っ赤?
あ、・・・そうだ。
私は立ち上がり、南へ向けて出発の準備をした。
「ルナ?」
「・・・ちょっと、聞いてくる・・。」
「何を?」
「・・・ゲットの、仕方・・。・・・オーキドさんに・・・。」
「えぇ!?今からマサラに帰んのか!?」
「・・・(コク)」
「・・・まあ引き止めやしねえがよ。俺は先へ行くぜ、ニビシティへ。」
「・・うん・・・・・色々・・・・ありがと。・・・(ギュッ)」
私はグリーンを抱きしめた。
「!!?」
抱きしめてた手を離し、グリーンから離れて、私はマサラに向けて走り出す。
「・・・・じゃあね・・。・・今度、ハンカチ・・・返す・・。」
私は足つき軽快に、南へ向かった。
.
.
グリーン side
やべぇ、心臓がバクバクうるせえ。
っつーか、マジ心臓に悪いぜ。
抱きつくなら事前に言えっつーの!
そもそもルナの奴、外見が並以上にカワイイから、初めて会った時から今まで、惚れた事バレないよう必死だぜ・・・。
あぁ、ヤベ。俺絶対今ニヤけてる・・。チクショー。
私は、マサラに再び戻ってきた。
研究所の中に入り、オーキドさんを尋ねた。
「成る程のう。確かに、投球に自信が無い者や、怪我等をして投げれない者に対して、そういった道具はある。ウチにあった筈じゃ、使ってみるか?」
「・・・はい。ありがとうございます・・。」
私は、オーキドさんと倉庫へ。歩いている間、色々話をしてくれた。自治体や捕獲団体や、サファリパークではモンスターボールをハイテク機器を通じて捕獲活動しているらしい・・・。
「・・・おお、あったぞ。これじゃ!」
私はそれを受け取った。
見た目はスナイパーの銃。だけど、全長1mくらいある。6つの穴が空いている。レボルバーだっけ。ここに小さくしたボールを入れるのだろう。
「バネ式手動給弾方式の対ポケモン用小銃じゃ。重さは3kg前後、女の子には少し重いかもしれんの。最高速度160km/h。飛距離は70〜100mが限度。ただ旧式じゃからの、カスタムの機能がついておらん。そこは勘弁してもらいたい。」
・・・・かっこいい・・・。スナイパーみたい・・・。
「・・・大切にします。」