番外!踊るポケ捜査線!〜クチバの波止場の浦島作戦〜(1)
ポケモンside
ピカ「フシギダネ〜!海水浴いこ〜!」
フシ「・・・いきなりなんだよ。」
耳元で喚くピカチュウにげんなりするフシギダネ。
ピカ「せっかくの海じゃん、一緒に泳ご?」
フシ「俺は植物だから、海水は無理なんだよ。」
ピカ「じゃあ砂で遊べばいいじゃん!ほら早く早く〜!」
フシ「だあぁぁ〜!わかった、わかったから喚くな〜!!」
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今は15時頃。
ルナから自由行動の許可を得たフシギダネとピカチュウ(トレーナーが手持ちのポケモンを放置してもいいものか)。
と、いうわけで海辺にやってきた二匹だったが。
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ピカ「海だああぁ!そしてあたり一面の!コンクリート!砂浜は何処!?」
フシ「港町だからしょうがないだろ。」
波打際に来たものの、クルーザーや漁船が停まるような場所で、海水浴しようにも、海面が低いし水深も高そうなので、泳げない。
ピカ「ぶー、せっかくの海なのに。なんか幻滅したー、鳥取砂丘みたいな幻想的なの予想したのに。」
フシ「このあたりは造船所か?寂れた工場がたくさんあるな?」
ピカ「人の気配はないからもう使われてないんじゃない?あーあ、こうなったら探検でも・・・・・・!?」
ピカチュウは、とある工場のへりを見つめる。
フシ「なんだ、どうした。」
ピカ「見てアレ!」
ピカチュウに促され、指された方をみると、錆び付いた工場の閉じてあるシェルター。そのシェルターの前に、一匹の子亀が日光浴していた。
ピカ「・・・・かめさんだ。」
フシ「かめだな。」
暫く遠くからその亀を見ていたら、ピカチュウが閃いたように。
ピカ「・・・・くひひひ。」
フシ「(またコイツは余計な事考えて。)」
ディグダ「ありゃりゃ?お二人さん、デート?」
そこへ、ウチのディグダがやって来る。
ピカ「あ、ディグダ!良いところへ来てくれたね!」
フシ「デートを否定しねーのな、お前。」
ピカ「えぇ!?今更!?」
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ディグ「くくくくく、成程成程。僕が悪者装ってあの亀にチョッカイ出せばいいわけか。」
最初は、何故そんな回りくどい役をやらなきゃいけないのかと愚痴っていたが、ミミズ一瓶で手を打ってくれた。
ピカ「くひひ、そこでアタシ達が正義の名の元に征伐!そして、亀さんはお礼に・・・!」
「「竜宮城へ〜御招待〜♪飯食い放題〜♪金要らず〜♪金銀財宝頂きだ〜♪」」
フシ「(俺の周りはバカしかいねぇのか・・・。)」
ディグ「僕は行けないから、お土産買ってきてね。」
フシ「(竜宮城をなんだと思ってんだ、観光スポットかよ。)」
実際のところ、この場にいる3匹は別に本当に竜宮城を期待しているわけではない。
ただ、海辺に亀がいるというシチュエーションだけで、一度はこのようなくだりをやってみたかった(暇つぶし)のと、こうする事で、亀の反応を楽しむというのほほんとした遊びだった。
ディグ「ではピカ少佐!私ディグダ軍曹、作戦決行します!」
ピカ「了!健闘を祈る!」
ディグダは穴に潜って、亀に近づいていった。
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ぼこっ
地上にでたディグダは当たりを見回し、亀を発見する。太陽の光をあてて、のほほんと日光浴していた。
ディグダは竜宮城に行くために、敢えて悪人になりきる。
ディグ「おらぁ!」
「うわぁ!?」
ディグダは穴を掘るで、亀を攻撃した。
突然攻撃を受けて、シェルターにたたき付けられたその亀は、何が起こったのかよくわからないでいた。
ディグ「邪魔なんだよ!ボケ〜としやがって!」
「い痛ッッ・・な、何だ一体?」
ディグ「口答えするんじゃねぇ!俺ぁ今ムシャクシャしてんだ!今からてめぇをひっくり返してベイブレードしてやる!」
よし、ここまで手筈通りだ。しっかり脅しをかけた処をピカチュウとフシギダネが現れて颯爽と僕を撃退!そして助けて貰った亀はあの二人を連れて竜宮城へ!
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・・・・・誰もがそう思ってました。
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ディグ「いじめてやるから覚悟s・・
シュッ・・!!・・ドゴォ!!!
ディグ「どわああぁぁ!!」
ドンガラガッシャーン!!
ディグダは投棄木材の山に吹き飛ばされる。
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「・・・ほぉ、面白ぇじゃねぇか。俺も交ぜてくれよベイブレード。」
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スタスタとディグダに近づく二足歩行の亀。
ディグ「へ?うっそ?マジで?似合わn」
「黙れ、あんま調子こいてんじゃねーぞ、天下のゼニガメ様舐めんなよ。」
ゼニガメは甲羅に手足と頭を引っ込め、高速回転をしながら、ディグダに激突する。
ドガガガガガガガァ!!!
ゼニガメ「死に晒せぇええ!!」
ディグ「いぎゃあああああ!予想外の展開ぃぃあああ!助けてぇぇぇ!!」
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そこへ颯爽と現れた2匹がいた。
ピカ・フシ「「コラコラ君君、モグラを虐めちゃいけないよ♪」」
ゼニ「あ”?」
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予想外の状況に唖然としながらも、ちゃっかり機転を利かす2匹だった・・・。
ピカ「ボソボソ(・・・え〜と・・・、亀を助ける浦島ならぬ、モグラを助ける与作だね。)」
フシ「ボソボソ(おいーーーー!立場が逆だろーがー!なにやってんだモグ公!)」
ディグ「ボソボソ(うるさーい!コイツ無茶苦茶怖いじゃん!強いじゃん!なんで僕を行かせた!?物申すぞ!)」
ゼニ「なにボソボソ言ってやがる!」
ディグ「ぐほぉ・・・!」
ゼニ「おいテメーラ、コイツの連れか?」
ピカ・フシ「「いえ、見ず知らずのモグラですが。」」
ディグ「見損なったぞお前らああぁ!!」
ゼニ「・・・・・嘘をつきやがったな。テメーラ向こうの隅でコソコソこっち見てたじゃねーかよ。」
ピカ・フシ「「うは、バレテーラ。」」
ディグ「うぅ、ドラグーンGで挑んだものの、相手はライトニングエルドラゴっていう仕打ち・・・。」
フシ「意味わかんねえ。」
ゼニ「おうよ、いきなりGOシュートかましてきやがったからな、正当防衛だ。」
ディグ「聖獣召喚も知らないくせにいけしゃあしゃあと・・。」
ゼニ「・・・・・・・・。」
ディグ「ぐ、・・・ぐえ、・・・し、絞まる・・絞まるから・・たすけて・・。」
ゼニ「黙れっつってんだろが!」
ディグ「ぐはっ!」
ピカ「ちょっとアンタ!加減って言葉わかんない!?」
フシ「おい、よせ!」
ゼニ「んだとこのアマ、威勢いいじゃねーか。・・・・・・・説教は後だ。・・・テメーラ今すぐそこのシェルターの中に入れ。」
フシ「(・・・ピカチュウ、逃げた方がいいぞ。)」
ピカ「(ディグダを置いていけないよ!)」
ゼニ「さっさとしろ!奴らが来るだろ!」
ピカ「へ?・・・奴ら?」
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波の音は穏やかに、西日が赤く染まり出した頃。
車の音が2台、古びた広いポートにやって来た。
黒いスーツを来た男が数人。
一面のコンクリートに伸びる影がはねるようにうごめく。
「足跡残してねぇだろうな。」
「心配いらねえ。早いとこ済ませるぞ。」
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ゼニガメと他三匹は、シェルターの中に身を潜めて、外の人間を視察していた。
ゼニ「現行犯だぜ、不正売買取締法違反だ。・・・(ポチ)。」
ゼニガメは甲羅の中にしまっていたトランシーバーを使う。
『ゼニガメ?奴らはソコ?』
ゼニ「おう。(←向こうからは『ゼニ!』と聞こえている。)」
『座標特定GH451387。了解!5分で到着する!それまで足止めをお願い!』
通信を切るゼニガメ。
ゼニ「(たまたま張ってた3丁目の公衆電話でまさかヒットするとはな。交渉場所は特定できなかったが、平日のPM04:00。この時間帯、車が混雑するルートを省くと3つ程ポイントがある。まさかのドンピシャだぜコラ。)」
ピカ・ディグ「「・・う、うっはああぁぁ〜〜〜!」」
ピカチュウとディグダが感嘆の意を漏らす。
ゼニ「静かにしねぇか!バカども!」
ピカ「嘘、これって、闇取引の現場!?モノホン?カメラとか無し?ガチで!?」
ディグ「ぐぅわああ!興奮する〜!取り押さえのシーンだよ!男のロマンだぁ!」
バキィ!
ディグ「あべし!?」
ゼニ「喋るなっつーの、見つかるだろ。」
フシ「あんた、刑事だったのか。」
ゼニ「クチバ警察巡査部長のパートナーだよ。昼から張り込みしてたらテメーラが沸いて出やがって。」
黒ずくめの男達の様子を探る。
ピカ「アタッシュケースと袋が出てきた。」
ディグ「麻薬取引だああぁぁ!」
ドカ、バキ、ベキ。
ゼニ「・・・いや、おそらくモンスターボールだな。最近トレーナーのポケモンのすり替えや盗難が啓発的に起こっててな、多分あの袋の中だ。」
ピカ「あ!あいつら交換したよ!」
ディグ「ぇ?・・まず金が先だ!とか言うんじゃないの?」
ゼニ「・・・・・・そろそろ行くか。テメーラ!絶対出てくんな!出てきたらシバくぞ!」
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ゼニガメの水鉄砲!
水鉄砲がアタッシュケースとボールの入った袋に直撃した。
「うわ!な、なんだ!?」
袋が地面に落ち、中から色とりどりのボールが散乱する。
ゼニ「現行犯だ!大人しくくたばりやがれ!」
ゼニガメが警察手帳をみせる。
「な、何だ?たった一匹か?」
「陽動かもしれねぇぞ!一旦逃げるぞ!」
車に逃げようとする男達。
ゼニ「逃がすか、オオゴラ!」
水鉄砲を車にぶつけ、ボディを凹ませる。
「くっ、たかがゼニガメごときに!撃て!」
男達は懐から銃を取り出し、銃口をゼニガメに一斉に向けた。
ゼニガメは甲羅から閃光玉を取り出し投げる。
カッ!
「うぉ!眩しい!」
「くっそ!撃ちまくれ!」
バン!バン!バン!バン!
あてずっぽうに射撃しまくる男達。
ゼニ「どこ狙ってんだ、ゴラァ!!」
相手が怯んでる間に懐に潜り込んでいた。
ゼニガメの高速スピン!
ドカガガガ・・!!
その場にいる男達計4人。全員の銃を叩き落とした。
「ぐわあああ!」
「つ、つえぇ!」
シェルターの中。
ピカ「・・・凄い。」
ディグ「ただの怖い兄ちゃんじゃなかったね、カッコイイ。」
フシ「おい、あいつらポケモン出したぞ!」
「エレブー!雷!」
「シザリガー!悪の波動!」
「アメモース!シグナルビーム!」
「デルビル!火炎放射!」
一斉に4色の光がゼニガメに向かう!
ゼニ「ッチ!(くっそが、間に合え!)」
ドゴーーーーン!!
砂煙がたちこもる。風がふいて晴れた場所には、ひび割れたコンクリートの上に佇むゼニガメがいた。
ゼニ「・・・今のは効いたぜ。」
ゼニガメの守る。
寸前に技が発動したため何とかダメージを免れる。
「馬鹿な!何故効いてねぇ!?」
「うろたえるな、アイツはただの足止めだ。早くずらかるぞ!」
ゼニ「(・・・く、流石に4対1だと分が悪すぎる!)」
男達は、その場にポケモンを残して車に乗りこんだ。エンジンがかかる。
ゼニ「逃がすかゴラ!」
ゼニガメの波乗り!
シザリガーの波乗り!
両者の技が相殺しあう。
ゼニ「ッチ!」
エレブーの雷!
ゼニ「ぐわああああああぁぁ!!?」
効果は抜群だ!
ゼニガメは倒れた。
ゼニ「・・・・・(ちくしょ・・・う・・。)」
動かない身体を恨めしげに、遠ざかる2台の車。
残されたポケモンの牙がゼニガメに向けられた。
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「コラコラ君達ーー!!」
ディグダの穴を掘る攻撃!
4匹の敵の動きが鈍る。
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「亀をいじめたらーー!!」
フシギダネの葉っぱカッター!
葉っぱによる全体攻撃で、ゼニガメから遠ざける。
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「いけないよーーーー!!!」
ピカチュウの10万ボルト!
バリバリバリバリバリバリバリ!
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エレブー、シザリガー、アメモース、デルビルに電撃を与え、4匹とも膝をついた。
ゼニ「・・・ば、馬鹿共が!何で出てきやがった・・!」
ディグ「4対4なら丁度いいじゃん、」
フシ「生憎、人の話を聞かないトレーナーのポケモンなんだよ、俺達は。」
ピカ「ゼニガメがこんなにまでなって戦ってるのに、じっとしていられないよ・・・!」
思い思いに言葉を発する。
ゼニ「・・・馬鹿が!これはただのポケモンバトルじゃねぇ!現場なんだ!殺されてぇのか!」
ディグ「分かってるよ!飽くまでも足止め・・・だね!」
ディグダのマグニチュード!
マグニチュード8!
ゴゴゴゴゴ・・・!
突発的な揺れが沸き起こる。一面のコンクリートがひび割れていく。
逃げていた1台の車が、ひび割れた足場にとられて、タイヤが回らなくなる。
ディグダの冷凍ビーム!
もう1台の車の車道に冷凍ビームを当てた。
地面を凍結された為、車のタイヤがスリップし1回2回と回転しながら、工場の壁に突っ込んでおしゃかにする。
ゼニ「・・・てめぇ、やるじゃねぇか。」
ディグ「どぉうでぃ!僕だってやるときゃやるんだ!」
フシ「おい、来るぞ!」
デルビルの火炎放射!!
咄嗟に交わす4匹。
アメモースの銀色の風!
相手の連続攻撃に、防戦気味になる4匹。
シザリガーのクラブハンマー!
ドゴン!ドガン!
ディグ「うぉ!あぶな!」
ギリギリ潜ってかわすディグダ。
エレブーの雷パンチ!
ヒュッ・・・ドガッ!!
ピカ「きゃっ・・・!?」
フシ「ピカチュウ!大丈夫か!?」
ピカ「へ、平気!ジム戦の時と比べたら屁でもないよ!」
車を捨てて、走って逃げていく男達が目に入る。
ゼニ「っクソ!逃がしてたまるか!」
よろめきながらも男達の後を追うゼニガメ。
フシ「おい、無理すんな!」
ゼニ「離しやがれ!あいつらに逃げられちゃ、話になんねぇだろがよ!」
アメモースの水の波動!
フシ「避けろ!」
ゼニ「ぅお!?」
ゼニガメはフシギダネにかかえられて水の波動をかわす。
ピカ「(でも、本当にマズイよ!ただでさえ目の前のエレブー達は強いのに・・!スーツを着た男組も捕まえなきゃいけないし・・!)」
デルビルの噛み付く!
避けるピカチュウ。
こうしてる間にも、男達はその場から段々と遠ざかっていく。
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ピカ「(こんなとき・・・どうすればいいの・・・・・・ルナ・・。)」
ディグ「(こんなときに、ルナがいたらなぁ・・・。)」
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フシ「(・・・・・・そうだよな、こんなときだからこそ、俺がちゃんとしないとな・・・。)」
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ゼニ「(・・・・はぁ、こりゃもう失敗d)」
フシ「二手に別れるぞ。」
ゼニ「は?」
ピカ「え?」
ディグ「うぉッと〜!?どした急に〜?」
フシ「お前さっき言ってただろ?5分で警察が到着するって。じゃあ俺達が成すべき事は、コイツらを倒す事でも、アイツらを捕まえる事でもない。増援がくるまでの時間稼ぎだ。」
ピカ「わかってるけど、こんな状況じゃ」
アメモースのシグナルビーム!
ゼニガメの守るで身を挺す。
フシ「今の間にも奴らは逃げてる!」
ピカ「・・・解った。誰が残るの?」
フシ「俺しかいねぇだろ。」
ピカ「!?・・・ちょ、一人で残る気!?ダメだよ!絶対だめ!」
ディグ「死亡フラグ大好きかお前は!」
フシ「うっさい!いったろ、コイツらに構うだけ無駄なんだ。2匹も割いてる場合じゃかい!」
エレブーの雷!
ディグダが身体を張る。ディグダに効果がなかった。
ゼニ「確かに。そこまで素早くないお前が行って、ピストルで撃たれて死んでもらっても困る。」
フシ「おいおい、警察が民間人を巻き込むのかよ。」
ゼニ「馬鹿言ってんじゃねぇ、テメーラが首突っ込むのが悪い。」
デルビルの火炎放射!
ピカチュウの10万ボルト!
互いの技を相殺させる。
ピカ「・・・ねぇ、アタシも残る!」
フシ「駄目だ!」
ピカ「何でよ!絶対一人じゃ、いくらフシギダネでも!」
フシ「俺だってお前を追わせる役をさせたくねぇよ!・・・・・ゼニガメの力になってやってくれ。」
ピカ「・・・・・・・・・・・・・・。」
フシ「無茶はしないからさ。信じてくれよ。ピカチュウ。」
ピカ「・・・・・・・・・・・・・・うん、わかった・・・。」
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ピカチュウ、ディグダ、ゼニガメは、黒スーツの男達を追いかけようと、この場を走り去る。
エレブー「おっと、逃がさねぇ。」
エレブーの電光石火!
フシギダネのタネマシンガン!
ドカガガガガガガ!
エレブーの行方を遮るフシギダネ。
フシ「俺が相手してやるよ。」
エレ「わけわかんねー野郎だぜ。わざわざ一人で挑もうってか?4対1だぜ?」
エレブーがつっかかるように言う。
フシ「・・・・・確かにこのままじゃ俺の分が悪いよな。」
けろっと言い放つフシギダネ。
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フシ「提案があるんだが、俺と一対一で勝負つけようぜ。そっちが負けたら次の奴と交代、俺はこのまま連戦でいい。その方がやりやすいと思うんだが・・・。」
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エレ「・・・・・・。」
デルビルやシザリガーは、見下したようなルールを出すフシギダネに怒りをあらわにしている。
アメモースは、未だになぜコイツだけこの場に残ったのか疑問に思っている。
エレブーは、フシギダネの提案を聞いた上で、鼻で笑い飛ばした。
4匹は、フシギダネを囲んだ。
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エレ「・・・・・答えは・・」
エレブーの雷!
アメモースのシグナルビーム!
デルビルの火炎放射!
シザリガーのバブル光線!
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「「「「NOだああぁぁーーーー!!」」」」
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四色の光が四方からフシギダネに迫る。
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ドッガーーーーーーーーン!!!
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轟音が響く。
爆風が生じる。
砂煙が立ち込める。
コンクリートの破片が飛び散る。
そして囲っていた4匹のポケモンは、勝利を確信しながら・・・。
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バタッ・・・。
バタッ・・・・。
一人二人と。
デルビル「・・・く、なんだ、急に眠く・・。」
バタッ・・・・・。
三人・・・そして・・・。
エレ「・・・・・・く、そ。」
バタッ・・・・・・・!
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眠るように倒れた。
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煙が晴れ、そこから現れたのは、蔓や蔦や茎ががんじからめに巻かれたフシギダネの姿。まるでサナギのように自身を護るかのように、光線を防いでいた。
その表面は、えぐられたかような悲惨な状態だったが・・。
蔦や蔦の隙間からは、ピンク色の粉が、爆風にのって外へと出ていた。
フシギダネのねむり粉。
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フシ「・・・だから・・・いったろ・・・ぜぇ・・ぜぇ・・・一対一でやれば・・・・・俺を倒せたかも・・・しれ・・・ね・・・・・・・・・(ゴポォ)!!」
しかしその代償のダメージは大きく、激痛とともに口から溢れる血が、辺りを赤く染めた。
フシ「・・・・ハァ・・・・(あいつら・・・大丈夫だろうな・・・。)」