クチバシティ(2)
ルナ side
・・・・・私達がポケモンセンターを出たのは、昼過ぎ。
「・・・ダネネ・・(ケ、ケツが・・。)」
「・・・ピカピ・・(・・・もうお嫁にいけない・・・。)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・もう怒って・・・ない。
・・・・?
・・・・・・・お仕置きの内容・・?
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・・・・・・・・・秘密。
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クチバの街を散策する。
街を歩いていると・・・。
「ねえ君、オニスズメ持ってる?」
・・・小さな男の子が私に聞いてきた。
「・・・おにすずめ?」
「そ、もしもってたらさ、カモネギと交換しない?」
・・・・・ポケモンのトレードの申し込み。・・・・・でも、私はオニスズメを持っていない。
「・・・カモネギって・・・何?」
「へ?ああ、オイラのカモネギ、実は親戚からたらい回しで転々と渡って来たんだけどさ、コイツが全然懐かなくってさ。」
その子は、ボールからカモネギを出した。
「クワァア!!」
羽を広げ、元気よく鳴きながらでてきたのは、長ネギをくわえたカモだった。
すると、カモネギが私の方を向いて、じっと見つめている。
私はしゃがんでカモネギと同じ目線に立ち、その子を手招きする。
カモネギは、最初は警戒していたが次第に距離が縮まり、今は既に、私の手に吸い付いていた。
「へぇ、珍しいな。カモネギがそんなに懐くなんて。」
男の子は感嘆をもらす。
私は、カモネギの頭をなでながら、その子を見据える。
「クワッ!クワッ!」
「・・・・・・・・。」
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「ダネフシ・・・(・・・嫌な予感)。」
「ピカピ(うん・・・)。」
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「・・・・・・・・・・おいしそう・。」
・・・鴨なべ。
・・・・・水炊き?カツオだしとポン酢ですき焼き?
・・・?みんな寝てる・・・?
「・・・オニスズメ・・・持ってくるから・・・。」
私は、北の草むらへと歩き出した。
「・・・・クワ〜・・。」
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クチバの北にある道路。
私は順横無尽に草むらに入り、標的を探す。
5分後・・・。
「・・・はい。」
「わあ!やったー!オニスズメが手に入ったぞー!じゃあカモネギと交換だね。」
私はカモネギを受け取った。
「・・・・・・食糧。」
「へ?」
「・・・何でもない。」
ポケモン side
「拙者この度、ルナ一行の戦陣にクワわった、カモネギと申す。以後よろしく頼む。」
長ネギを地面に置いて片膝を立てながら、カモネギは挨拶をする。
「ああ、よろしくな。」
「堅苦しいのは抜きにして、仲良くしてね!」
「ああ。・・・それはそうと・・・・。」
カモネギは恐る恐るフシギダネ達に質問する。
「ルナ殿が申しておられた、『非常食』というのは?」
「・・・あぁ。・・・まあ、なんていうかさ・・・食べられないように気をつけて。」
「・・・それは誠か?」
「心配ないよカモネギ!バトルで強けりゃきっとルナも食べないって!」
「・・・・・・前途多難でごさる。」
カモネギを手に入れた。
「・・・ワシも漸く引き際か。」
「・・・?・・あの強靭な御方は?」
「ギャラドスのおじちゃん。カモネギが入るまで非常食だったの。」
「・・・・・あのような強者が。・・・・・驕りは禁物でござるな・・・。」