ポケモン世界を歩こう
ハナダシティ(6)
ルナ side

ディグダの砂嵐!

辺りが砂嵐に包まれた。

・・・成功したみたい。

一生懸命に練習して出来るようなった技。本番で出せるか不安だったけど、大丈夫みたい・・・。

「この砂嵐じゃあ中の様子がわからないわね・・!」

カスミがしかめる。

ディグダを中心に渦巻く砂嵐は、スターミーを包み込み、徐々にダメージを与えていく。

砂嵐の外にいるカスミは、吹き荒れる砂塵により、視界が遮断されていて、まったく中の様子が見えないようだ。

・・・・・私も同じ事だけど。

「でも関係ないわ。言ったでしょ?私のポリシーは、水で攻めて攻めて攻めまくるってね!スターミー!水の波動!」

カスミはスターミーにどんどん攻撃するよう指示する。

どんな状況におかれても、迷いなく打ち込めるポリシーの意味に、少し惹かれる私だった・・・・・。

「・・・・マッドショット!」

でも、こっちも負けたくない。

ディグダのマッドショット!

スターミーの水の波動!

互いの技が相殺される。

砂嵐が止むまで、互いに技の撃ち合いになった・・・・・・・・。

砂嵐はおさまった。

視界が晴れて、改めて見渡してみると・・・・。

辺り一面が泥だらけだった・・・。

砂嵐のなか、スターミーが水技を連発し、ディグダも相殺させようと泥をぶつけたから。

・・・・・・・・誰が掃除するんだろ。

・・・・私・・・・・だったりして・・・。

そんな泥の上には、疲弊していたディグダとスターミーの姿があった。

「スターミー!水の波動!最速バージョン!」

・・・!!・・・先手をとられた!

スターミーがコアの前に水球をすかさずつくり、凄まじい速さでディグダに放った!・・・・・・・速い!

「・・・ディグダ!冷凍ビーム!」

砂嵐がやんだと同時に期を伺っていたカスミがスターミーに水の波動でとどめをさしにいく。

私はディグダに冷凍ビームを指示したけど・・・・・もうディグダの目前に水の波動が迫っている・・・!

ザバーーーーーン・・・!!!

水の音が響く。

衝撃で風が吹く。

水しぶきが散る。

泥が跳ね上がる。

・・・ディグダは・・・無事なの・・・?

砂煙が晴れてきた。

冷気が溢れている。

氷が見える。

ディグダは・・・無事だった・・・!

「そ、そんな・・・スターミーの・・・最速の技なのに。」

カスミが目を丸くして驚いた。

私も驚いている・・・。
なにせ、あの状況で咄嗟(とっさ)に指示を聞いて技をすぐに発動出来るかといえば・・・・・無理だと思った。

でも、あのスターミーの水の波動を、ディグダ自身に激突する寸前でせき止め、氷の結晶に変えているディグダが目の前にいる。

・・・多分、私の指示を聞く前から、冷凍ビームを準備していたんだと思う。

「ディグ!」

ディグダの前に大きな氷塊ができた。

「・・・岩砕き・・!」

ここしかない・・・!
一気に氷のつぶてを当てて、勝負に持ち込んだ。

ディグダの岩砕き!

ドゴッ・・・ズボッ・・・!


ズボボボボボボボボ・・・・・、


ザバーーーーーーーーッ・・・!


「・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

ディグダは倒れた。

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・ジュワ。」



・・・・・・・結果だけ・・・言うとすれば・・・・・、冷凍ビームで凍らせた氷が、まだ芯まで冷えてなかったらしく、表面だけ割ってあとの中身の水が溢れ出てディグダを飲み込んだ・・・。



「あ・・・あっけな・・・。」

カスミが呟いた。

私はディグダをボールに戻した。

するとカスミが、スターミーをボールに戻す。

「スターミーも戦闘不能。これ以上技を出せないわ。」

長期戦による影響で、PPがなくなったらしい・・・。

「次で決めるわよ!」

カスミは、ランターンを繰り出した。

私は非常食を出した。

「ガアアアアア!!」

非常食の威嚇で、ランターンの攻撃力が下がる。

水・飛行タイプのギャラドス。

水・電気タイプのランターン。

相性では歴然な差がでている。

しかも、ギャラドスとは余り、戦闘に関して一緒になって修業したことがない。

このバトルだけは、私があれこれ言うより、この子の持ってる個々の力に期待するしかない・・・。

最後の一騎打ちが始まる・・・。

「ランターン!エレキボール!」

ランターンは、提灯に電気を溜め、ボール状に帯電させ、その電気の魂を放り投げた。

「・・・・・・泥遊び。」

ギャラドスは、目の前のフロアに広がる泥に飛び込んだ。
自分の身体に満遍なく泥を塗りたくる。

エレキボールが直撃した。

効果は抜群だ。

でも、ギャラドスの顔を見る限り、辛苦の顔つきでありつつも、余裕の表情が伺える。

「あのディグダ、次のギャラドスの為に弱点を補おうと・・・!?」

ひとえに、ここに泥があるのはディグダのお陰・・・。
これがなかったら、非常食は一発でやられていた。

私は傷薬を使い、非常食のダメージを取り除く。

「だったら、ランターン!電磁波よ!」

ランターンの電磁波により、麻痺状態になる非常食。

私はすかさず、まひなおしを使う・・・。

「アンタ、かなりの回復薬を持ってるわね。トレーナーとしては大したものだわ。」

カスミから賞賛を受けた。

「・・・・・備えあれば憂いなし。」

「ふーん。・・・じゃあこれはどうかしら?ランターン!怪しい光!」

ギャラドスは混乱した。

「・・・あ。」

盲点・・・。

「混乱が苦手のようね。ランターン!エレキボール!」

ギャラドスはプラズマボールを食らう。

効果は抜群だ。

泥遊びの効果で、ダメージは半減しているが、立て続けに食らうとやられてしまう・・・。



「アンタって、マサラタウンから来たんでしょ!?」

カスミが言う。

私は頷いた。
・・・?

「フシギダネやヒトカゲとかは、マサラタウンの新米トレーナーに渡されるからね!一目瞭然!」

・・・・・ふ〜ん。

「新米のトレーナーが、レベルの高いドラゴンポケモンと連携出来るわけがないわ!

なのに、私は今、夢を見てるのかしら!?

かのギャラドスが、アンタに対して従順に接してる!

水使いの私がいうのもなんなけど、何かイライラすんのよ〜!」



・・・非常食って、案外すごいポケモン・・・?



ギャラドス side

やれやれ、歳はとりたくないもんじゃ・・・。



ロケット団に捕まってはや10年。

エセ行商の爺共にたらい回しにされ、オリの中、ボールの中、水槽の中がワシの日常じゃった・・・。

買手に渡ったかと思いきや捨てられ、けつられる・・・。そしてまた、行商のもとへ・・・。

正直、人間を憎み、殺意をぶつけた事数知れん。

しかし、商売の道具であったワシには当時、抗う力さえなく、ただ跳ねるしか能がなかったのう・・・。

・・・そこへ、一人の女が現れた。

ワシを非常食扱いする所が気に食わんが、成り行きでそいつの世話になることに・・・。

じゃが、まあ、遅すぎじゃのう。
こんな老いぼれで、レベルの低い弱小のポケモンなど、今さらどう使えよう・・・。

女の旅に同行され、しばらくすると、目の前に信じ難い光景が。

やつらだ。

ワシの人生をただ虚しいものにしおった敵(かたき)が目の前に現れたのじゃ・・・!

ワシは、怒りに満ち溢れた。
たかが知れたワシの後生、命にかえても、目の前にいるヤツらを叩きのめしてやるつもりじゃった・・・。

じゃが、運命は残酷じゃよ。

その頃のワシには、はねる事しか出来ない。

笑われて、罵られた挙げ句、蹴り飛ばされる結果となった。

・・・結局、トレーナーのポケモンになっても、行商の道具にされた時と変わりはせんかったわ・・・・・。

途方に暮れ、諦めかけた時・・・。

突然、身体が熱く感じた・・・!





・・・力が・・・溢れてきておる・・!

目の前のロケット団が小さく見える。

持て余す程の強大な力が込み上げてくる。

ワシの心は決まっていた。




おそらく、ワシがもし、若き頃にこの姿に変われていたならば、強大な力の前に、感嘆し、興奮し、己が欲のままに、抑え切れぬ力に溺れ、暴れたであろう・・・。

今のワシは、年老いた弱々しい身体じゃが、伊達に10年もこの世を生きておらん・・・!

様々な経験や、永く生き続けた自信。

何よりも、ワシの他の多くの割札をうけたポケモンを見てきた。
闘いには向かんが、ワシの心により、何匹も絶望から救ってみせた事もある・・・!


お前ら青二才とは、精神力が違うんじゃ!!

重さが違うのじゃ!!


進化したワシの内は、静かに、穏やかに、怒りを抑える事に成功した。

・・・ここからは、ワシ(進化前の頃)の置き土産じゃよ。

ワシは力の限り、ロケット団を捻り潰す。

・・・じゃが、敵のアーボックの技にはまり、身体が痺れて動けんようになった。

奴らは、ワシから逃げていきよった。
毛頭逃がすつもりはない・・・。しかし、身体が動かず、途方に暮れるしか・・・。

その、矢先じゃった・・・。

ドギュン!!

銃声。

ロケット団が倒れる。

その音を辿ると、あの娘が満身創痍で屈伏しておった・・・。

その娘が、あのアーボックにケガを負わされたのは知っていた。

にも関わらず・・・、

・・・仲間の為に、自分をかえりみずに、奴らと最後まで戦う姿を見た。



人間なんぞ、どいつもこいつも信用出来ぬ輩だと認識しとったもんじゃが・・・。

生まれて初めて、人間の内側を見れたような感じじゃった・・・。

自由奔放な風格、強い心、なにより・・・、あの娘の優しさが、ワシの心に響いた。



人間も捨てたもんじゃないのう・・・。



・・・!
娘がワシを呼んどるわい。

・・・ふん、力が欲しいなら幾らでも貸そう。

残り少ない人生・・・、この力を復讐のために使おうかと一時考えたが・・・。



・・・お前の日常とやら、付き合うてみとうなったわい。

老い先短いかもしれぬが、世話になろうぞ!ルナ!





ルナ side

もう回復薬は、もうない・・・。

・・・・攻守逆転・・!

「・・・尻尾に泥を・・・。」

「・・・ガア!!」

ギャラドスは、尻尾に泥を塗りたくる。

「フフ!回復は終わりかしら?トドメよ!エレキボール!」

ランターンは、エレキボールを放つ。

バシィン!

ギャラドスは、泥で付着した尻尾でエレキボールを弾き返した。

「嘘!?」

エレキボールはランターンに命中した。プールに電気が走る。

しかし、ランターンの蓄電により、ダメージは無効。

「・・・ランターンじゃなかったら、危なかったわ!もう一度よ!」

ランターンはもう一発撃つ。

しかし、非常食に尻尾で弾き返される。

「・・・竜の怒り。」

非常食の口から、猛烈な熱線が放たれる。

ランターンにダメージを与える。

「ランターン!水の波動からエレキボール!尻尾を狙って!」

ランターンは水の波動を撃つ。

ギャラドスの尻尾に当たり、泥が落ちた。

「今よ!狙って!」

「・・・泥かけ!」

相手のエレキボールを、泥かけにより打ち消した。

そこら中には、沢山の泥があり余っている。

そのまま泥をランターンにかける。

ランターンの命中率が下がった。

「なら洗い流すわよ!ランターン!波乗り!」

プールに入っていたランターンは、プールの水を波立て、津波のようにして身体に纏う。
勢いをつけて、プールサイドに向かって猛進してきた。

「・・・暴れる!」

ギャラドスは、向かってくるランターンに対して、迎撃の体勢をとる。

「マズイ!ギャラドスは接近技が強いんだった!」

互いの距離が近くなる。

・・・・・?

ギャラドスが動かない・・・?

ランターンの波乗りが直撃する。

辺りの泥が落とされ、ギャラドスにもダメージが加わる。

ギャラドスは、自分を攻撃し始めた。

「・・・・・混乱!?」

この状況で・・・!?

「勝機!!」

カスミが叫ぶ。

「特大のエレキボールよ!!」

ランターンがエレキボールを溜め始めた。

・・・危ない・・・!!

「・・・・ギャラドス!!避けて!!」

至近距離からのエレキボールが放たれる・・・!!






バチィィィ!!






ズシィィン!

非常食は倒れた。



「・・・・・勝った・・・!?」

カスミは呟いた。

私は、倒れたギャラドスを見つめる。

・・・まだ・・・やれる事を信じて・・・。

.

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その瞬間・・・!!

非常食がものすごい勢いで起きあがった・・・!!

「ガアアアアアアアアアア!!」

ジム中に、非常食の咆哮が響き渡る・・・!

「どういう事!?あの距離であの技を受けて!?何で立てるのよーー!!?」

プスプスと、電気を受けて帯電した身体に打ち勝つように、ズッシリと構える。

ギャラドス side

「・・・今のは・・・効いたわい・・・!」
じゃがこの程度でくたばれん!

「貴様ら若僧とは、精神力が違うわ!!」

特に・・・、ルナに力を貸すと決めた以上、お前の前で倒れたままでは、示しがつかんよのう・・・!!

「仲間の為に凌ぎ削る覚悟ォ、思い知れェ!」

ワシの全活力を、パワーに集中し、竜の力を解放する・・・!





ギャラドスの破壊光線!!

急所に当たった。



ランターンは倒れた。

ルナは、ジムリーダーのカスミとの勝負に勝った。

その後、ギャラドスも力尽きて、地面に倒れる。

ルナ side

「あ、あはは・・・・。予想外すぎて・・・。」

カスミは引き攣りながら笑う。

「・・・でも、全力投球できたんだし、いっか♪」

カスミはポケットから、バッジを取り出した。

「光栄に思いなさい!本気の私に勝ったんだから!・・・・・楽しかったわ!!」

私は、カスミからブルーバッジを受け取った。





美容室 ( 2012/03/19(月) 21:06 )