ハナダシティ(3)
私はハナダに戻ってきた。
クチバシティのパーティのチケットを貰ったとはいえ、余り気が進まない。
元々、私は人がたくさん集まる所が苦手で、人とワイワイ賑わう事は好きではない・・・。
でも、持っておいて損はない筈。
私達は、次の街に向けて出発した。
「ピカ!」
・・・ピカチュウが怒っている・・?
・・・あ・・そうか、プールに連れていく約束だった・・・・。
歩くこと数十分、私達はハナダジムに到着し、中に入る。
そこには、大きな競泳プールがあった。
「・・・ピカピ・・。」
「・・・・・遊ぶ所じゃ・・・ないようね・・。」
ポケモンジム故、屈指のトレーナー達がプールで修業をしている。
特に用は無いため、帰ろうとすると、一人の女の子が引き止めた。
「ちょっとアンタ!」
競泳水着を纏った、オレンジ髪の女の子が近づいて来た。
「挑戦者でしょ!?何こんなところで突っ立ってんのよ?」
「・・・見学。」
「・・・・ふ〜ん。見たカンジ、トレーナーの様だけど、このジムに何か用?」
カリカリしながら、少女が問い掛ける。
「・・・ここが遊泳プールだと聞いて・・・、・・・この子が楽しみにしてたから・・・。」
私はピカチュウに目を向ける。
すると、ピカチュウに気づいたその少女が一変。
「あ〜!ピカチュウだ〜!可愛い!」
少女は、ピカチュウを抱き上げる。
・・・本来、見知らぬ者に対して警戒心の高いピカチュウは、抱かれるのを嫌がるもの。
でも、私のピカチュウは特別。・・・誰にでも甘える。
「ピッカー♪」
「ウフフ、懐かれた〜!」
先程までしかめっ面だったのが、可愛いポケモンを見た途端、そこら辺の普通の女の子の様に笑顔を見せる・・・。
「遊泳プールだったら、地下にあるわ。案内するけど、ピカチュウだけ?」
「・・・・あと、この子も。」
私はポケットからボールを出した。
ボールを投げ、非常食をだす。
「ガアアアアア!」
「・・!?」
その少女の目つきが変わった・・・。
品定めをするように、私の非常食をじっくり観察している。
「・・・良いギャラドスじゃない。並のトレーナーじゃ、ここまで育てられないわよ。」
その少女は私に太鼓判を押した。
「・・・ジムリーダーとして、アンタみたいな強いトレーナーを目の前に、何もしない訳にはいかないわ!・・・ポケモンセンターで回復は済ませてるんでしょうね!?」
「・・・・・・(コク)」
・・・なんで頷いたんだろ・・・。
少し後悔した・・。
「見学なんて固いこと言わない!今すぐにでも手合わせしてあげるわよ!」
こうして、私は無理矢理、ジム戦をさせられるハメになり、バトルフィールドに引きずられてしまった・・・・。
「・・・ピカ。」
「・・・・・これが終わったら、プールに入れるから・・・・・・・多分。」
ルナの手持ち
フシギダネ Lv23
ピカチュウ Lv18
ディグダ Lv23
ギャラドス Lv26
打って変わり、ここのジムリーダーとバトルすることに・・・。
「紹介が遅れたわ。私は水ポケモンを愛する世界の美少女!名はカスミ!」
「・・・・・・・・散歩大好きルナです。」
何も思いつかなかった・・・。
「アンタは、何かポリシーを持ってる?私のポリシーはね、得意の水タイプで攻めて攻めて攻めまくる事よ!」
「・・・・・・・・旅した時間、絆の深さ、規則正しい生活・・・?」
・・・?・・間違った事は言ってない。
私のぽりしーだもの。
「面白いわねアンタ。・・・私をそこら辺のジムリーダーと一緒にしない事ね。
マサラから来た男の子に負けてから、私は仕事でジムリーダーをする事をやめたわ・・・。相手に失礼だもの。」
・・・・・グリーンの事・・?
「この3週間、多くの挑戦者を負かしてやったわ!
ポケモン協会から、挑戦者が潜在能力や自信を発揮出来る様に、力を調節しろって言われたけど、それが何!?
・・・私も楽しむ為にトレーナー始めたんだから。アンタも、私を楽しませて頂戴!!」
ジムリーダーのカスミが勝負を仕掛けてきた。