第6話「アブソルナイトを手に入れるまで〜過去編〜」
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前回のあらすじ
アブソルナイトを手に入れるためにフッカ遺跡にやって来た二人。
チコが記憶を取り戻している間に離れてしまい、ふとはいった部屋にいたのはヘルガー三兄弟だった。
だが、セレーンというポケモンが違う場所につれていかれ"強くなるまで戻れない"とつげ去ってしまう。その場所は、セレーンの部下であるヘルガー大群だった。
一方、ソーサックの方は…
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[ソーサックサイド]
「気のせいか…。チコの声が聞こえた気がすんだが。な、ラフォール。」
「あぁ…それ…より…アブソルナイトは……?」
ラフォールは息を整えながら言った。
チコと離れたあとに探していたら、ラフォールと合流できたと言うわけだ。
「まだだ。これから見つけるつもりだ。」
「そうだよね…。"チラル"のためにも…」
「……………。」
俺は"チラル"のことを思い出しながらあのコインを見た。
~☆~
俺とラフォールが友達になって数日後、俺は城に閉じ込められた状態で嫌だった。
ラフォールはとなりまちに住むことになった。
アイツ(ペーク国王)に話をし、一週間に一日のみラフォールと外に出られたのが一番の幸せだった。
それからしばらくした、ある日。
「王子!大変でございます!」
このポケモンはライという名前のライチュウで、全てのことを話したほど心を通わせるポケモン、今は俺の横にずっといる。
「なんだ…俺は眠いんだ…」
まだ早朝だったので薄目を開けてライを見る。
「城の門に倒れているポケモンがいて、そのポケモンが王子をよんでいます。」
お、俺を………?
「しょーがねぇ………、いくか……
ムニャムニャ……」
しょうがなく俺はライと一緒に看護部屋へ向かった…
看護部屋は、ベットがたくさん並べられており、何個かにしきりカーテンがついている。
そのカーテンつきベットの1つに医者と寝ているポケモンがいた
「あ、王子!患者は安静していれば大丈夫です。」
「そうか。ありがとう。」
では、と、医者はここをあとにした。
「で……俺に何のようだ…?」
「あの…覚えていらっしゃらないんですか…?」
まだぼんやりしているので分からない…
俺は首をたてにふった。
「わたくしはチルタリスのチラル。8年前…ここに連れてこられた一匹で、あなたにお礼がしたかったのです。」
「お礼…?」
すると、チラルの羽の部分から小さな袋が出てきた。
「どうぞ。」
俺はそれを受け取りなかを見る。中にはクッキーなどのお菓子と一枚のコインだった。
ん…?お菓子………?
「あぁーーーー!?思い出したぞ!確か…」
ーーーーーーー[8年前]
「ソーサッククン…君はなんで元気でいられるの…?」
「気力だよ!キ・リョ・ク!!!それにな…クンずけすんなよ…」
そう言いながらも俺以外はみんな怯えている様子だった。
これは…俺の本当の本心なのか…?
すると…
グルルルッッ!!!
とても大きなお腹のおとがした。
俺でもないしラフォールでも………
「うへぇぇぇーーん…………」
大きな声でなく声がすぐ近くにした。
と思ったら俺のすぐ後ろじゃねぇか。
グルルッ!!
どうやらこいつから出ているらしい。お腹がすいているからか…?泣いてる。
俺はラフォールに小声で言う。
「なぁ…こいつどーする?」
「うーん……。あ!!」
ラフォールはクッキーを一枚出した。
また小声で話す。
「これをあげればいいんじゃ…。」
「!?お、俺がやってくんのか?」
たく…。しょうがねぇな…
仕方なく俺はクッキーをもってアイツのちかくにいく。
「ほら。これやっから、泣き止め。」
「…………?い、いいの…?」
「いいんだよ!ほら!」
アイツはフワフワの羽でクッキーをつかんだ。
しばらくクッキーを見てると………
ガツガツっ………ゲフッ……。
「あ、ありがとう。いつかあなたにお返しします!」
そういって、羽をパタパタさせながら飛んでいった…
「名前も言わずにいくとわな…」
ーーーーーーーーーー
「あのときの…!」
「はい!今は姿は違いますが…チルットでしたし…」
そうか…だからわからなかったのか…名前も知らなかったしな。
「チラル…といったな、ありがとうな。じゃ……」
「あ、あの!もうひとつお願いが…」
「お願い…?なんだ?」
「わたくしを…ここで働かせてください!」
「「えぇ!!!!!!!!」」
そりゃそーだ。俺もライも同時ビックリ。
だが、俺はもう考えがついていた。
「よし…わかった。チラルを今日からここへ働かすことを許す!」
「王子!それは…」
「うるさい!これは王子命令だ!アイ………、王様に今すぐ伝えろ!」
「は、はい!!」
ライは慌てながら去っていった…
まさかな…王子命令を使うときが来るとは…な。
「あ、ありがとう………」
は、はぁっ!?
お、俺はあの笑顔に少しドキッとしたのは事実だが…何なんだよ…胸がいたいぜ。
それから数日ーーー
ラフォールとも知り合いになったチラル。
俺らは休みの日には3匹で集まって遊んでいた。
遊び疲れた俺らは景色のきれいな丘で寝転んでいた。
「あ、あの雲…わたくしの羽みたい…」
「あぁ…そうだな…綿あめみたいだしな。ラフォールの電気を通せば二倍になるかもな。」
「えぇ!?ボ、ボクの電気でぇ!?」
「そんなの嫌だよ……。わたくしの羽は、これでいいんだから。」
しばらくすると、また新しい雲が近くなっていた。
「ソーサック!あれ、靴下に………!あぁ!?」
急に大声を出し、起き上がったのでビックリした。
「チラル…どうしたの…?」
「前から思っていたのよ。《ソーサック》って言いづらいって。」
「おいおい!気づつくな…まぁ、本当のことだけどな…」
「はいはい。で、今日からソーサックを《ソック》と呼ぶことにしまーす!」
パチパチパチ………
「それいいね!ボクもソックって呼ぶよ!」
「お前もかよ…ったく、分かったよ。お前らだけだぞ!」
「はーい!!」
「「「ハハハハハハハ!!!」」」
そんな話をしているうちにもう日がオレンジ色に輝いていた。
そんなときに、チラルは一枚のコインを見ていた。
「それは…何なんだ…?」
急に寂しそうな顔をするチラル。
「これは…わたくしの…お父さんの…形見なの…。」
話によると、チラルのお父さんはメガシンカのできるチルタリスであり、ある国の戦闘隊長だったという。
お父さんがある戦闘に出掛ける時に渡してくれたもので、その日を境に二度と会えない存在となってしまったと言う。
コインには表にはメガシンカしたと思われるチルタリスが空を飛んでいるのが掘られており、裏にはその国の国旗が掘られている。
チラルの方を見ると、涙が目にたまっていた。
「わたし………もう…おとうさんに…会えないと聞いたとき…絶望的…だった…けど………。」
「二匹に…会えて…よかった………!」
~☆~[現在]
「なぁ…ラフォール。メガシンカって、どう思う。」
「えなぁっ!?、あぁ…。強くなれるのはいいけど体力とかが一気に消費されるみたいだから…」
そうだな…俺はチラルのために…メガシンカを使う。のだろうか。
俺とラフォールは先に進む