第3章「世界の時が狂う時…チックを救え!」
第5話「セレーン」
「はぁ……はぁ……ここまで来れば………。」

ずいぶん走った。ひとつの町を越えたぐらい走った。
だけど…。ラフォールさんはいまだに来ないし、まだ遺跡には着かなそうだし…
その事を聞くと、

「大丈夫だ。ラフォールは…アイツはマジで強ぇんだ。それに、フッカ遺跡はすぐそこにある!ほら!」

ソーサックの指差す方には…


大きな石造りの建物が建っていた。




「きっとあん中にアブソルナイトはある。いくぞ。」

ーだが、この時は知らなかった。
    この遺跡には…秘密があることをー









中にはいる。3本、道が別れている。

「よし、これを使おう。」

ソーサックが取り出したのはコインのようなものだった。

「俺は直感的に真っ直ぐではない気がする。」

コインを上になげる。回転を繰り返しながら落下していき、出たのは

絵が描かれている。"表"であろう。

「よし、右だ!右へ行こう!」

なぜそうなったのか...、知らないが後をついていかないと、おいて行かれる。


しばらく進んでいくと壁に絵がかかれた道が続いていた。
絵には…伝説のポケモンらしき絵。パパ…つまりレシラムも描かれている。
絵のとなりには…字。だが、読めない。昔の文字であろう。

「これは…アンノーン文字だな。」
「アンノーン文字…?」
「俺も読めはしないが、ボストっていうポケモンは読めるらしいぜ。」

アンノーン文字…?ボスト……??









まただ。記憶を思い出そうとするとこうなる。
森だ。だが、ディアナといた森とは違う。

青い空に日が注ぐようにある家…大きな庭…誰の家…?

「そうだ!ボストさんっていう歴史科学者がクエスタウンにいるんだ。
そこにいけばリボンについて何かわかるかも!だから、僕もチコと一緒にいっていいかな…?」

「もちろん…!あ、ありがとう…!t………」



名前を言おうとしたとき、激しい光に包まれた…



せっかく名前を思い出せそうと思ったのに……。
さらに…目的も思い出せた。あとでソーサックにいおう。
でも、今度はまた遺跡のような所。だが、今いるところとは違う。
回りには………。えぇっと………

ルワンダさん…ダンテさん…トゲミ…デンダー…そして………


「これは…アンノーン文字ですね。どうしましょうか。」

ダンテさんが聞くと、

「僕なら読めるかもしれません。」

そういって、彼は文字を読む。やはり姿は見えない。

「技を繰り出せって書いてあります。」
「葉っぱカッター!!」


………!草タイプの技!もしや彼も草タイプ…?








「………。」

終わってしまった。頭がくらくらする。
回りは静かだ。ソーサックは……………!

「い、いない!!」

まずい!離れてしまった。記憶を取り戻した代わり…と言うことか。


キラァーーン………


その時だった。壁が動き、隠し部屋が現れたのだ。

「もしかして…ソーサックが……?」

私は吸い込まれるようにその部屋に入っていった。









部屋のなかはアンノーン文字が描かれており、それが階段のように3段に別れてかかれていた。

それ以外はなにもない。

ガゴガゴッ………ガガッ!!!

後ろから大きなおとがしたので見ると、壁が塞がれてしまったのだ。
開けようとするがどんなにちからをいれても開かない。

「ガルルッ……」

な、何…!?

「ガウッッッ!!!」

どこから来たのだろうか…段の2段目に3匹のポケモンが現れた。

「立ち去れ!侵入者!」
「我らはヘルガー三兄弟!」
「お前を侵入者と見なし、直ちに攻撃を開始する!」


「「「トリプルかえんほうしゃ!!」」」

戸惑いながらも、隙間を利用してなんとか避ける。

「しぜんのめぐみ!」

「うっ…………。」

一匹やったか…、と思ったら

「こんな攻撃はきかん!」

そ、そんな…。しぜんのめぐみ以外技は出せない…
さらに、木の実は一個も持っていないから威力はこれ以上は強くならない…

どうすれば………、どうすれば…いいの……?


(あなたを…導くわ!!)


え…?だ、誰?


(そ、それはあとよ!あなたは強くなりたいの…?)


つ、強く………。なりたいけど……一人じゃ……


(だーかーら!!導くっていってるでしょ!)



「これで終わりだ!」
「「「トリプルかえんほうしゃ!!!」」」


モウダメ…!目の前にかえんほうしゃが来たときだった。


「タイムズ・ゲート!!」


さっきの声が何かを唱えたとき、かえんほうしゃが顔まで1センチほどで止まっている。
ヘルガーも固まっている。


(手っ取り早く行くわ!)

「うわ!!!」

私のからだが勝手に浮いている…!

(さぁ!我らの世界へ!!)

また声が聞こえると空中に穴が開いた。

どんどん吸い込まれていく………!

(目をつぶって!!)


命令通りに目をつぶる。


(タイプス・オン!!)


目をつぶっても眩しいほどの光に包まれた。
それと共に、意識が消えた。






が………ガゴッ!!!

時がまだ動き出した瞬間、この部屋の扉が開いた。

「おかしいな…。確かにチコの声が聞こえた気がすんだが。」

扉の前にいる青年ーーソーサックはただただこの部屋を見つめていた。



~☆~
「うぅ………。こ、ここは………」

まわりは真っ白な世界がずっと続いていた。

「ここならば、普通に話せるわね。」

さっきの声が、はっきりと聞こえる。
姿は見えない。

「あなたは…誰なの?」
「あぁ…そうだったわね。わたしは…………」

名前を言おうとする前に沈黙が続いた。
そして、

「セレーン…………よ。」

「セレーン………、あなたの姿w…」
「それは…いつか見せるわ。今はダメなの。」

「それより、あなたは記憶喪失のようね…」
「な、何でそれを!?」

「それは………。わ、わたしがずっとあなたを見ていたからよ!」
「そ、それって…ストーカーじゃ………。」
「う、うるさいわね!せっかく協力しようと思っているのに。」

「協力って…私を強くすること…?」
「まぁ…そうだけど…。他にもあるのよ。これを見て。」


私の脳裏に映像が現れた。
いつものように記憶を取り戻すときは違う空間な気がする。




現れたのは、森ーーーディアナにあったあの森だった。
だが、なにかが違っていた…

「ほら!ここを見て!」

ーー!?
も、森に…穴!?

と、そこに近づくポケモン…
ポケモンは気づかなかったのか、あっけなく吸い込まれてしまった。

と、思いきや、違う穴から出てきた。

「時空がねじれて穴が開いてしまっているの。それに…」



今度は太陽と空が描かれた絵が現れた。
右には[東]左には[西]と、西から東に矢印が引かれていた。

「ねぇ、太陽って…どっちから上る?」
「え…?それは、東に決まっているでしょ…」
「確かにね。でも、時がくるって誰も気づかずに太陽が西から上ってしまっているの。」

そこで、映像は終わり、また白い世界に戻った。

「これは全て……あなたの大切な仲間のせいなの…!」

ナカマ………???

もしかして、いつも思い出せないあの……。

「そうよ。あなたをかばったせいで…。そ、それより、あなたを鍛えさせてもらうわ!」

い、いきなり…!

「いきなりじゃないわよ!あなたにはどぉーーしても強くなってほしいの。」

すると、白かった世界が、霧が晴れるように徐々に違う世界が現れてきた。
そこにうっすら写る何匹…いや、数えられないほどの影。
全てが晴れると……


私は3メートルほどの広さの岩山にたっており、回りにもいろんな形の岩山があった。
その上にいるのは"さっきのヘルガー"だった。それがたくさんいるのだ。

「先にいっておくわ。このヘルガーはわたしの部下のようなものよ。あなたにはわたしが納得するまで戦ってもらうわ。逃げても無駄よ。下を見て。」

セレーンの言う通りに下を見ると、底無しの谷のようになっていた。

「わかったでしょ…?それと、倒れそうな瞬間はわたしが回復させるわ。これでせつめいおわり。あとは頑張ってねぇ…………」

「あ、ちょっと……」
「ガルル………」

しょうがない。戦わなくちゃ。



静かな始まりだった。






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思い出したこと
彼と一緒に"ボストさん"に会いに行くために旅をしている。
彼は草タイプ…?(葉っぱカッターを使ったため)
彼はアンノーン文字が読め、ダンテさんたちと遺跡にいったときも活躍したほど。
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チコリータlove ( 2014/10/29(水) 22:36 )