第2話「ペーク王国」
「ここは、認められしものしか通れません。いますぐ、ここを離れろ。」
最初についた場所、それは大きな城がたつ城下町。
だが、入り口の門番がいて、この先が通れない。
諦めかけたときだった。近くにホースイング宅配便のポニータと荷物置き場があった。
荷物置き場は、屋根なしで、隠れられそうなところもあった。
後ろから忍び込んで、布の中に隠れた。
と、同時に動き出した。
「(こもり声)待て、何のようだ。」
「(こもり声)どうも、ホースイング急便です。王国に荷物を届けに来ました。」
「(こもり声)うむ…よし。通るがよい。」
そしてまた動き出す。
パコパコッ……
少し隙間を開ける。
少し黄色い壁の家などが立ち並び、ポケモン達が賑やかに、笑顔でいた。
この街は、悪がなく、幸せそうな雰囲気だった。
そんな中、馬車はとまり、私は身を隠すために被っていた布を上にかぶりながら走って路地にはいる。
「ふぅ………とりあえず中には入れた……。」
一息ついていた、時だった。
「ーー!?」
脳裏に映像が現れた。
火事の中にいるのは…私と……誰…?
「しょうがない……。チコ、これをもって逃げるのよ!」
誰かに渡されたのは、あのリボン。
「いいか。もうパパたちには会えないかもしれない……!」
えーーパパ…?じゃあ、渡してくれたポケモンはママ…?
名前は………フラ……。思い出せない。
何故か自然に涙が流れた。
何か…あの二匹…おそらく家族に当たるポケモンに何かあったのかな。
だけど…涙が止まらないーー
「ーー!?こ、こんなところで何してるんだ!」
ビクッ、と体が動いた。
「はぁ………。何でここにいるかは知らないが…どうしたんだ?」
質問された…、どうしよう。
とりあえず私は軽く涙をふいた。
「ち…ちょ…っと、思い…出してたんです……
それで……」
「んぁ?よく分からないが、よかった。顔を見せてくれ。」
私は布をとって、声のする方に顔を向けた。
そのポケモンは、真っ白な体に、鎌のような形の触角。
私は一瞬、固まったかのように見えたが、気のせいだろうか。
「ゴ、ゴホン…。お、おれはアブソルのソーサック・バラトスト。」
「わ、私は…チコです。」
「そうか。チコ、今からおれといっしょにこの国をでる!」
「え………?」
この国を…?今入ったばっかなのに…?
「いいか。この布を深くかぶってこう言うんだ………」
~☆~
「わ、我らはペーク王国の者だ。大事なポケモンをつれている。ここを通せ。」
棒読みになるほど緊張している。
何回も練習してこれが精一杯だ。
「王様は……」
「絶対!」
これは、合言葉らしい。
「はっ!!いってらっしゃいませ!」
簡単に通してくれた。
ソーサックが小声で言う。
「そのまま進め。」
開いた門からばれないかと心配されながらも歩き出す。
門を通り抜けたあと、門は固く閉じた。
「よし。第二段階だ。この先に町がある。そこまで自分等のことを話そう。」
そういって、私たちはあるきだしたーーー
ー一方、ペーク王国では…ー[門番サイド]
「おい!お、王様が来たぞ!」
「と言うことは…大変なことが起きたぞ…!」
自分は王様が前に来ると、膝をつき、首をしたに下げた。
「お前らに聞く!!!王子はどこへいった!」
「お…王子は…わたくしらが見た限りでは通っておりません!」
「そうか……。では、もうひとつ聞く。怪しいものは通らなかったか?」
「はっ!先程、布のようなものを被った二人組が通りました!」
「そ、それは本当か!」
「作用でございます。」
すると、王様はおこりだした。
「こ、この…門番め!!今から兵につぐ!
その二人組を捕まえてくるのだ!王子以外の命は殺してもよい!」
「はっっっ!!!!」
近くにいた兵が国外へ隊列になって歩き出していく。
私は、一つ深呼吸をした。
作戦とは少し変わっていたので失敗したらどうしようかと思ったが。
−ソック、それと、誰かさん。あの日まで…!−
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思い出したこと
リボンはママとパパが渡してくれた。
名前はまだ思い出せない。
何故か涙が出た…??何故だろうか。
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