第1話「明かされる真実」
ーーー
ほんの少しだけですが流血表現が含まれています。
苦手な方はお避けください。
大丈夫な方は、本編をどうぞ。
ーーー
「チ……!お…て…!チコ!起きて!」
う…この声はチック…?
ゆっくりと目を開けると、チックがいた。
体を揺さぶりながら立ち上がる。
だが…すぐ異変に気づく。
鉄の壁に、鉄の床。奥には祭壇のようなものがある。
「フフ…お目覚めのようね。」
「ディアナ!僕らに何を…」
「おだまり!これから全てを教えようとしているのに。」
「えっ…」
「あら…。そう言えば、チコっていったわね。
あなたの家族のことも知っているのよ!」
何…!
ママとパパのことを…!
「ふざけるな!それで騙すつもり…」
「本当なの。ディアナ…」
「えぇ、そうよ。わたくしのしっている事ならば、何でも。」
「チコ!騙されちゃダメだ!」
「チック、私も許せないけど、嘘をいっているようには見えないの。」
そして、一歩踏み出す。
「お願い…ママとパパは生きているの!」
静寂な時間が続いた。
そして、ディアナがくちを開いた。
「その前に…先に話しておくわ。
今あなたらがいるのは…南のわたくしらのアジト…」
「ダーキング・パーファルのアジト。
そして、わたくしこそ…」
ディアナの手には大きな風のかたまりができていた。
「ダーキング・パーファル第2幹部ディアナ・マレー!
あなたの家族は…死んだわ!あの火事でね。
だから…あなたは…今ここで…殺される運命なのよ!」
「貫きの風!」
風のかたまりが私に向かってくる!
だが、ショックで動けない…そして…
「うがっ……!」
私の腕には傷ができ赤い血がタラタラとたれ、床にそれが広がっていく。
私は腕を押さえる。
だが…
ーーパパたちは…もう…この世に…
それを考えるだけで涙が溢れてくる…
それと同時に。
「あなたを…許さない…!」
「フフフフ…いい忘れていたわ。あなたの家族を殺したのはわたくしじゃないわ。
もし…わたくしが殺しているのなら…貫きの風でやるわ。」
確かに…わたしの腕にかすっただけでこんな風になるなら火事でやる必要は…
その可能性は消え、怒りは少し静まった。
「フフ…。でも、バトルは続いているわ!ドレインパンチ!」
「うがっ!」
ドレインパンチを食らって少しよろめく。
ディアナは、なぜかさっきより動きが活発になった。
「し、しぜんのめぐみ…!」
私は技を繰り出す。だが…゛ディアナのからだを通り抜けた゛のだ。
おかしい…ディアナ、レディアンは虫・飛行。
ノーマルタイプは当たるはずなのに…
「くそっ、ばれたか。」
急に口調が変わったと思いきや、マントのように体をめくり、中から違うポケモンが現れた。
でもどこかで…って、あぁ…!!!
目の前にいるポケモン…それは、ファンクの館で悪さをしたポケモンの一匹だった。
だが、今この事はいってはいけない。黙っておこう…
「ディアナ様。申し訳ありません。」
「ゴースト。いいわ。すべて準備は整ったのだから。」
本物のディアナは祭壇の上にいた。さらに、その上には大砲のようなものがあった。
「今あなたたちに言うわ!わたくしらの実験台になってもらうわ!
それは…あなたよ!」
大砲にパワーがためられると同時に発射されるところを私に向けるーー
「発射!!」
ビュゥーーーーーーー!!
発射口から紫色のビームが発射されたーー
私は一歩も動けなかった…
もう…終わり…
ドンッ!
誰かに押された気がした。
そして光が目にくらみ、目にてをおおう。収まったと思ったらーー
「うがぁーーーーー!!!」
誰かが苦しんでる…まさか!!
「チック…………!!!!!」
チックが…悪のオーラに包まれながら苦しんでる…
「今、助け…きゃっ!?」
近づこうとするが、オーラが私を近づけまいと固い防御のようになっている。
「ほんとうはあなたのつもりだったけど…まぁ、いいわ。」
「ディアナ…あなたは…チックに、何をしたの!」
「フフフフ…。封印されしポケモンを解く為にそのリボンの力を使ってとこうとおもったけど。彼も何か特殊能力のお持ちね。」
「でも…この事を貴女に伝えてはいけないから。あなたをここで消すーー!」
ディアナは私たちが通ってきたダークホールを作り出した。
それと同時に私はゴーストに捕まれ、ダークホールの一歩手前まで連れていかれた。
「これで…あなたの人生は終わりよ!心の中でチックのことをおもっていなさい!」
「ーー!?」
ダークホールに投げ出され、さらに…
「貫きの風!!」
ダークホールの中に技が繰り出され、その衝撃波が何倍にも…なん十倍にも感じる…
体が壊れ…そう…
チック……も…う…にど…とあえ…ない…か…もしれな…いけ…ど…
げん…き…で………
意識は薄れ、私は目を閉じた。
~☆~
サー………ザザザーーー……
サーーーー…ザーーー
う…海…?
ゆっくりと目を開ける。
海と砂の上に自分がいる………、あれ…?自分はチ…コ…?
でも…何で……うっ!!
思い出すとなぜか頭が痛くなる。
とりあえず、回りにあるもので何か思いだそう。
まず、身に付けていたバッグの中をすべて出す。
地図、1500ポケ、時計、食料少し、あとはなぜかペン、その他。
まずは、場所を教えてくれるこの地図を見て場所を知れば何かわかるかも。
え〜と…星大陸(西側)の海の近く。
これじゃ…分からない。
もうないか…と思ったら、チャックがついたポケットがあったのでそこを開ける。
そこにはほんのり水色のメモ用紙が何枚かあった。
これは思い出したときにペンを使えば書き出せる。
早速書くことにしよう。
ーーー
思い出したこと
自分の名前:チコ メス 14
自分が、何か記憶をなくしている。
普通のチコリータとは違い、青い目。よく分からないリボン。
とりあえずこれしか思い出せない。
これから海を離れて違うところへ行く。
ーーー