第7話「暴れん坊カイリュー」
「昨日は流れ星がキレイだったなぁ…」
私はロッタタウンの宿で昨日のことを思い出していた。
あの夜は、みんなと別れたあと、この宿に泊まったのだがあまり寝られなかったのが現状だ。
「チコ、こっち来て!」
「うん!」
チックの声の方へいくと丸い小さなテーブルに地図を名一杯広げていた。
「昨日少し調べたらこのポンテ橋をわたれば星大陸に行けるんだ。
さらにクエスタウンはポンテ橋をわたってからだと一番近い町だったんだ。」
それを示すようにポンテ橋とクエスタウンらしきところに赤ペンで丸が書かれている。
地図では3センチほどだが...
「頑張れば昼までにつくかも。今からいこう。」
そういうわけでポケを払ってポンテ橋まで向かう...
〜☆〜
今現在午前11時。
橋らしきものがさっきから見える。
だが、近くに行くと赤いランプとポケモンがたくさんおり、騒ぎになっているようだった。
赤いランプっていうことは、ドーバ警察、もしかしてグランさんがいるかもしれない。
そう思っていたら、本当にいた。
「あのーー!グランさーん!!」
少し遠くにいたので叫び気味でいった。
グランさんはこちらに振り向き近づいてきた。
「グランさん、これはd..」
「なんで君は僕の父の名前を?」
「え...?」
いきなりわけのわからないことを言われたのでいってしまったが、
「え..、あ、あなたはグランさんじゃないんですか??」
すると驚きの答えが返ってきた。
「グランは僕の父です。僕はグローン、父に変わって東部署のリーダーをやっています。」
じゃあ…あの宿でみたのは…いやでも、グローンさんは………とは、いってないし。
「失礼ですが…グラ…いや、お父さんは今どちらに?」
それを聞いたとたん、グローンさんは黙ってしまった。
「ご、ごめんなさ…」
「い、いえ…よく分かりませんが父と知り合いなら教えましょう。
父は………三年前、オールドタウンで亡くなりました。」
……!?
オールドタウンで!?ていうことは…ゆ、幽霊を!?
「チコ、どうしたの!?オールドタウンで何があったんだ!」
チックはあのとき違う部屋で寝ていた(気絶していた)ので無視する
「あなた様らが父と関わりがあるのは分かりましたが、ここは危険ですので。では。」
グローンさんは軽くうなずくとその場を立ち去ったーー
「さっきグローンさんが言っていたことはわからないけど、この橋はどうやってわたる..?」
どうやってわたる...って、今封鎖しているから通れないんじゃ
「僕らで暴れポケモンを倒すんだ!」
「へ……?」
あ、暴れポケモンを…!?
「倒すぅーー!!」
「で、デモなんで!」
「早く行きたいから…かな。」
早く行きたいからって…私たちで倒す意味は…
「と、とにかく、僕らで倒そう!」
そう言うと、チックの頬が少し赤くなったと思ったら、私の腕をつかんで走ったー
前にもこんなことがあったような…
そ、それより……
恥ずかしい………
~☆~
「って...本当に入っちゃった...」
ハァ...とため息をつく私。
もし警察に捕まったらどうすればいいのか...
ドスンッ
び、びっくりした...
「本当に大丈夫なの...?」
「静かに!ポケモンが来る!」ドスッ...ドスドスドスッ!!!
この橋は鉄橋なので振動が伝わりやすいが、頭に響くほど、揺れを感じる。
音だけでも、こちらに近づいてくることがわかる。
「ギュルガーーーーーーー!!!」
ドスドスドスドス....!!!!
ガッ...!
薄オレンジ色の体、胴体の真ん中は緑色。
さらに翼もはいていて、見た目だけでも強そうに見える...
「カイリュー....。」
チックはその言葉を言うと、体を身震いさせ、戦闘体制に入った。
いくっきゃない...。私たちでカイリューを落ち着かせるんだ!
「
タスケ...グ、グウォ―――!!」
「リュウノハドウ!!」
カイリューの口から青い波動が繰り出された。
間一髪よけられたが、橋に大きなくぼみができた。
あれをみただけでも、手ごわい相手だということがわかる。
「しぜんのめぐみ!」
「葉っぱカッター!」
きっと一斉攻撃をすれば...
しかし、カイリューは空を飛んでいるので簡単によけられてしまった。
少し回りを見て、急いで橋のつながっている部分(?)のところによじ登り、カイリューをひきつけ、近くに来たら、勇気を振り絞り、ジャンプして頭に乗る。
「しぜんの...めぐみ!!」
「グハッ!」
攻撃が当たった途端、急に暴れだした。
だが、暴れだす一瞬前、ツルをだして、落ちないように固定させる。
「カエンホウシャ!カエンホウシャ!カエン...」
火炎放射を連続で出すカイリュー。
「チック!こっちに上って!」
私は2本固定していたツルの一本をチックのほうへ向ける。
だが..届かない!あと数センチなのに!
「ハカイ.....」
まずい!破壊光線がうたれる!その前にこっちに上らせないと!
「チック!もう少し伸ばして!」
「う..あともうチョイ.....!よし、届いた!」
急いで引き上げる、と、チックが上りきった瞬間..!
「コウセン!!!!!!」
バゴォ―――!!!
たった一発だけなのに....橋にさっきのくぼみよりもはるかに大きい穴をあけた。
だが、体力を使いきったのか、床に倒れこんだ。
「よし!最後に一斉に攻撃だ!」
そして、カイリューに止めをさそうとした、その時、
「フフ…こんなところにいたのね…」
どこかで聞いたことのある声。これは…
「ディアナ!?どうしてここに!」
「フフフフ…このカイリューにようがあるの。」
そういってディアナはカイリューの右腕に何かをした。
床にはボロボロになった黒いリングがあった…
「まぁ、いいデータがとれたわ。彼に渡さないと。
さぁ…わたくしはこれで………。と言いたいところだけどーー!」
ディアナは手を大きくひろげると、私たちの回りに風の壁ができた
ーーさらに、その壁はどんどんこっちに近づいてくる!
「あなたたちには用があるわ。壁に押し潰されるか…」
今度は後ろを向いて、手を前にかざすとダークホールが現れた。
「ダークホールにはいって命を優先するか…。どちらか選びなさい!」
言い終わるとサッとダークホールに消えていった…
「チコ…どうする…!」
「私は………ディアナが、何か関わっていると思うの。
だから…行く…!」
「分かった!じゃあ、1、2、3で飛ぶよ!」
「1、2、3ッ!!」
「きゃぁーー!」
「うわぁーー!」
ダークホールのなかは上下左右も分からなくなる…
スピードもかなりかんじる…
もう…ダメ……!
私は気を失った。