第5話「脱出せよ」
「やっとついたぁーー!!」
「オールド村を離れて2日かかったもんね。」
青空が大切なものだと気づく町、それが、今私たちがいるロッタタウンである。
この町の建物全てが白塗りで、絵画のような作りになっている。
それに今日は雲一つない青空、最高の景色…
あ、でも…
「何でチックはここにいきたかったの?」
「前に本にかいてあったんだ。ロッタタウンに来たら青空の中で海で泳げって。」
海か…楽しみだな…
私は胸を踊らせながら海へ向かう。
ーーだが、この時は知らなかった。
私たちがあることに巻き込まれることに…
~☆~
「気持ちい~…」
チックがいっていた本は合っている。
いや、あたりすぎである。
透明な海に太陽が反射し、自然の鏡のようだ。
近くにはバスラオやコイキングなどが優雅に泳いでいる。
「チック、ありがとう。楽しいし、最高よ!」
「喜んでくれて嬉しいよ。」
すると…
ピンポンパンポーン
「海にはいられているお客様へお知らせします。
熱中症対策のため、休憩所でドリンクを無料でお配りしております。30分以上泳いでいるかたは是非、お越しくださいませ。」
ピンポンパーポーン
「少し休もうか。休憩所にいって飲みながら。」
コクンと頷き、海を出て休憩所へ向かった。
「は~い、お茶でございます。」
「あ、ありがとうございます。」
ポケモンからお茶を受け取り椅子に座って飲む。
飲んでいる途中…
なんだか…眠くなってきた…
「ふぁ~…ね…ねむ…」
パコォーン…!
お茶をこぼしたのを最後に私はまぶたを閉じた。
~☆~
「はっ…!?」
こ…ここは…
周りは水が見える窓とコンクリートの壁、そして、数えきれないほどのポケモン。
もちろん、チックもいる。
と、その時だった。
上から声が聞こえてきた。
「ようこそ。海へこられたお客様。ここは海の中です。そして…脱出は不可能ですよ。」
周りはどよめく。
さらに叫びながらおこるひとも。
「落ち着いて。皆様にはあるものをかけて脱出ゲームをしてもらいます。
ルールは簡単。様々な部屋から脱出を繰り返すだけ。ただし、失敗すればあるものの権利は消え、ここの記憶だけは消してから地上へと戻させてもらいます。命をとるのは趣味でないのです。」
「さぁ…脱出ゲームのスタートです。まずは、皆さんの腰についているカードを見てください。」
カード…?
あ、これか。
え~…「壁の絵のピカチュウの形が何個かいてあるか数えろ。それを赤の扉に。ただし、誰にもいってはならない。」
「では……スタート!」
スタートと同時に一斉に動くポケモンたち。
「チック、あとで…」
「………」
チックはなにも言わず走っていく。
私は少しそれを見たあと壁の絵へ言った。
壁には他のポケモンの形もかかれている。
ピカチュウは…1、2、3…………、6個だ!
あとは赤い扉…
あ、あれだ。
そっちへ向かっているときにチックがそこに入っていく姿があった。
良かった…一緒で…
少しホッとすると、認証のところに6といれる。
ガチャッ
ドアがあいたおとがした。
少し重いドアを開けて中にはいる。
その中には白黒チェックの壁と床。
床の上にはチックとポケモンが4匹たっていた。
「赤のへやにいる皆さん、おめでとうございます。これからは部屋のポケモン全てがチームです。チーム一人が負ければ全て脱落なのでお気をつけを。」
「もう…いやや!出してくれへんか!」
「落ち着いて…僕らで楽しみましょうよ。」
「皆さん、自己紹介をしましょうか。」
自然に円になり自己紹介を切り出したポケモンが立ち上がった。
「わたくしは、ダンテ・トルバドール。ピジョットでございます。隣にいらっしゃるのはルワンダ・ドルバドール。キュウコンです。どうかお見知りおきを。」
「次は僕ですね。僕はデンリュウのデンダー。」
「ウチはトゲミ、トゲキッスやねん、よろしく。」
私たちも自己紹介をしたあと、ダンテさんが話す。
「みなさん、わたくしらで協力をしてここから出ましょう。さっきの声の主に負けないよう...」
「ほう。ダンテさん。いい意気込みですね。」
まるで待っていたかのようにまた声が聞こえた。
「なっ...」
「まぁいいでしょう。次の試練を発表します。」
「次はこの部屋のどこかにあるカギとドアを見つけてください。では、スタート。」
ブーという音が鳴り響いた途端、何もなかった部屋に家具が現れた。
「え!?」
「さ、さぁ!手分けして探そう!」
チックの呼びかけで一斉に散らばった。
〜☆〜
「なんやねん、これは。」
「どういう意味でしょう..」
ルワンダさんが見つけたカードに今悩まされている。
「かくしぎはゆろかろにくしろあしる。
ヒントは部屋に。」
「部屋を探したけど何もなかったよね。チック。」
「うん...」
この謎、君に解けるか!?
次回へ続く。