ときよみ少年
「お父さん!今日からここが僕らのいえ?」
「あぁ、そうだ。パパとチックの新しい家だ。」
僕はチック、6さい。
僕のお父さん…ザードは、ベイリーフである。
お母さんは…僕を生んだあと、天界で見守っていると聞いた。
僕らは崖の上にある森のなかにある家へ引っ越してきた。
「うわーー!ひろーい!」
家は木で出来ており、まず目に飛び込んできたのは大きなテーブルとソファがあるリビング。
さらに奥にはいると、二つへやが別れている。
もしや…!?
「お父さん、もしかして…」
「あぁ、そうだ。お前だけの部屋だ。自由に使っていいぞ。」
「ありがとう!お父さん!」
この日は幸せだった。
だが、幸せは長続きしなかった…
~☆~[1カ月後]
「お父さん、アンノーン文字って難しいけど…少し読めるようになったよ!」
「本当か!?ほうほう………、おぉ!凄いな!チック!」
だが、その時、
「え…!?え、映像が見える!?」
「映像…だと!?」
その映像は、火事のなかで、とても大きいポケモン…あと、中くらいのポケモンが火の中でまるで灰のように細かくなり、消えていく、という映像だった。
「さっきのは…何!?」
「チック!内容をいってくれ!」
僕は見えたものを伝えた。
「もしかすると…。……、チック、ちょっと外で話がある。」
父さんは真剣な顔になり、外に出た。
僕は黙ってあとをついていった…
~☆~
いまいるのは家のまわりにある原っぱ。
めいいっぱい走れるほど広い原っぱである。
お父さんは座れといった。
僕はお父さんのとなりに座った。
「チック………。今から言うことは本当のことだ。」
そして、お父さんは…こう言った。
「チックの今見たものは【ときよみ】という能力の一つなんだ。」
と、トキヨミ???
僕は訳がわからない状態だった。
「ときよみというのは、【時を操る能力】。
例えば…未来や過去が見れたり…時空を一定にとめたり…そして、【ポケモンとポケモンが共鳴することができたり】…できる。」
ミライヤカコ?
キョウメイ?
ジクウヲトメル?
いまいち…分からない…
「つまり…僕はときよみが使えるって言うこと?」
「そういうことになる。」
「それで、お前に伝えることがある。」
「まず…これから、悪いポケモンに追われる。ときよみを利用するために。」
「それと……、【今日でお父さんとお別れだ。】」
~☆~
「ハッ!?……。ゆ、夢!?」
僕は椅子に座ってテーブルに腕をおいて寝ていた。
窓を見ると夕方………!?
「お父さん!?おとうさ…」
テーブルを見ると一枚の置き手紙があった。
僕はそれを手に取り読み始めた。
「チックへ
チック、さっき見た夢は本当のこと。ときよみは本当にお前が使えるんだ。
お父さんは火事にあったポケモンのところへ助けるために出掛けてくる。だけど、もうここへは戻らない。…そんな気がするんだ…
チック…最後に守ってくれ。【むやみに外へでない。】悪いポケモンがお前を探している。街には大切な用事以外はいくな。
チック、幸せでいてくれ。
お父さんより」
「おと…う…さん……!」
手紙は所々に涙でぬれてにじんでいた…