第十二話 恐怖のサバイバル(2)
「……」
呆然としているシズルとナナ。そこはついさっきまで、マイとカエデがいた場所だった。
黒焦げになった無数のイトマルが落ちている。地面には仰向けになったアリアドスが。
「……ナナちゃん、これ……」
「きっとカエデの仕業。それにまだ、煙が出てる。多分カエデとマイは近くにいる」
「うん。いこう」
一方マイとカエデも、頂上を目指しつつシズルとナナを探す。
「シズルちゃ〜〜〜ん!ナナちゃ〜〜〜ん!」
「ちっ。登ってばかりじゃ見つからないということは、相当離れてしまってるか……?
どうするマイ。一度引き返すか、それともここで待つか。あるいはこのまま登るかの3択だが」
「う〜ん……」
悩むマイ。進もうにもすぐ近くまで来ていたら再びはぐれてしまうし、戻ろうにも同じ道を登ってきているとは限らない。
「カエデちゃんに任せていい?」
「あぁ。と、言っても……」
少しだけ思い返し、
「ここは進むしかないだろう」
と確信を持って言った。
「え?どうして?」
「本当に殴るぞ」
そしてシズルとナナ。
さらに進むと、何やら機械仕掛けの場所に出てきた。
「!?さっきと、全然違う雰囲気……!?」
床には並々と、水が溜まっている。
「……」
その時だ。
バシャ!
「!?きゃあ!」
「?」
シズルが脚を触手で縛られ、持ち上げられてしまった。
「シズル」
バシャ!シュルシュル……ガシ!
同じようにナナも。
「なに、これ……」
そして目の前に、真っ赤な巨大な目が現れた。……ドククラゲだ。
「う……!は、早く抜け出さないと!」
「く……」
ナナはタネマシンガンを撃つが……
ガキンガキンガキンガキンキィン!
バリアーによって阻まれてしまった。
完全に油断してしまった。ナナは焦り始めた。
しかしそんなナナをよそに……
シュタ、シュタ。
「え」
ドククラゲは突然二人をおろしてこう言った。
「ぶははははははは!私の出す問題に3問正解したらここを通してあげよう!」
「……は?」
東京フ(ピー)パークのような声が聞こえた。
・ ・ ・ ・ ・
「何だお前たち、もう少し驚いてもらっても構わんぞよ」
「いや。だって喋るポケモンはさっき見たし」
「いきなり問題だなんて言われても……困ります」
「ええいノリの悪い奴め。とにかく、私の出す問題に3問正解したらここを通してあげよう!」
そしてドククラゲの目が光った。
「なんだか、緊張感がない」
「それを言うな!問題は全て二択じゃ!あたっていると思った方がジャンプするんじゃ!
左が正解なら青の貴様が、右が正解なら白の貴様が飛ぶのじゃ!」
「本当に通してくれるのね?」
「通すとも!だから答えるが良い!」
そして別の足が水面に現れた。
「最初の問題じゃ。画数が多いのはどっち?」
「漢字のゆううつ」 「漢字のしょうどうてき」
「う、漢字か……私は」
「飛んで、シズル」
「え?」
「いいから」
ナナに言われるがまま、シズルはジャンプ。
「よろしい」
大きな触手で、ドククラゲが丸を作った。
ちなみに漢字の「憂鬱」は43画。 「衝動的」は34画。
「憂」は14画に対し、「鬱」だけで29画もあるから驚きだ。
「……せ、正解したみたいですね」
「ふふ、しかしこれからよ。続いての問題じゃ。高校野球、春夏共にあるものはどっち?」
「完全試合達成」 「サイクルヒット達成」
ちなみに正解は「サイクルヒット達成」
センバツ高校野球では箕島の北野敏史選手ただ1人が。夏は駒大苫小牧の林裕也選手など、5人が達成している。
その一方、完全試合は2回、いずれもセンバツ高校野球で達成されており、夏の大会での達成者はいない。
ちなみに達成者はそれぞれ、前橋の松本稔選手と、金沢の中野真博選手だ。
が、このふたりはと言うと、
「かんぜんじあい?」
「さいくるひっと?」
スポーツに対する知識はほぼ皆無の二人。
ナナは心底こう思った。
「パ○○ロしておけばよかった。ファ○ス○でもいいけど」
山勘でシズルが翔ぶが、
「違う!」
バシャン!
「きゃあ!」
不正解。二人共水をかけられた。
「……え?」
そう、逆に言えば水をかけられた「だけ」
「では次の……」
「ちょっと待って。今ので終わりですか!?間違えたらもっと酷い目にあうのかと思いましたよ!」
「合わせてもいいぞ?」
「……それは嫌ですけど」
気を取り直し、ドククラゲは引き続き問題を出した。
「次の問題じゃ。正しいのはどっち!」
「社長はいらっしゃいますか」 「社長はおられますか」
「え、え〜っと……」
「シズル、飛んで」
「え?」
「いいから」
言われるがまま、シズルがジャンプすると、
「よろしい」
と、ドククラゲは丸を作った。
この場合、「社長はいらっしゃいますか」と言うのが敬語として正しい使い方。
「おる」「参る」は謙譲語、つまりへりくだった言い方なので、目上の相手に対して使うのは失礼。
また、例えば「いつごろ、お帰りになられますか?」と聞くのも本来は間違い。
「お〜」のあとに「なられる」と付けるのは過剰敬語となるので、この場合は
「いつごろ、お帰りになりますか?」もしくは「いつごろ、帰られますか?」が正しい敬語となる。
「すごいねナナちゃん」
「国語、得意だからね」
ニッコリと笑う。
「では、次の問題じゃ。……実際にあるのはどっち!」
「鉛筆座」 「定規座」
「うえぇ。どっちもありそう」
戸惑うナナに対し、
「これは……」
シズルがナナの方を見る。
「な、何」
「飛んで、ください」
「……そう、なの?」
言われるままにジャンプ。
「よろしい」
ドククラゲは再び丸を作った。
定規座とは、南天にある星座の一種。さそり座とケンタウルス座の間に挟まれている、小さく目立たない星座だ。
発見した人物は不明だが、星座の名を設定したのはフランスの天文学者、ニコラ・ルイ・ド・ラカーユ。
名に使われた「定規」は、製図に使ったものらしいぞ。
……と、言うわけで、ここまでの解説はこの俺、浦川 和真が務めさせてもらったぞ。
「な、何故知っていたのだ。一番自信がある問題だったのに……」
と、ドククラゲが言うと……
「ディフェンス30で出てました!」
自信満々にシズルが答えた。
「……」
「さぁ、三問正解しましたよ」
「……いいだろう。通るがいい。約束は約束だ」
水に濡れながら、二人はその部屋を立ち去っていった。
「なんだかうまく行き過ぎている気が……」
「「……」」
その先で、二人はとある物を見つけた。
「こ、これは……」
バイクだ。しかも結構大型の。
「……」
後ろを振り向くナナ。
「ちょうどいい、これで逃げよう」
「え?えぇ!?」
バイクにおもむろにまたがるナナ。そしてエンジンを吹かそうとする。
「で、でも、免許持ってないよ!私もナナちゃんも」
「心配ない」
後輪の方を見て、
「補助輪が付いてるし、それにこれ、バイクに似せた自転車」
ペダルもついていた。
「よ、よ、よくわかんないんだけど……とにかく、ナナちゃんに任せればいいんだね」
ナナは指を立てて、
「スピードの向こう側まで、連れてくぜ」
と、いかにもそっち系っぽい言葉を出した。
自転車を漕ぎ出す。少しこぐだけで、結構なスピードが出る。
「うわぁ。ちょっと怖いな」
「……」
しかしナナの顔には、少し焦りが見えていた。
「え?ナナちゃん?」
「……」
自転車を必死でこぎながら、ナナはこう言った。
「私の経験上、さっき倒したはずのドククラゲが追いかけてくる」
もちろん、ゲーム上でのことのみ。
「ま、まさか。ナナちゃん、それはゲームのやりすぎ……」
ドゴ〜〜〜〜〜ン!
「……What?」
ニュルニュルニュルニュル!
ナナの言うとおり、ドククラゲが触手を伸ばしてきた。
「ちょちょちょちょちょちょちょちょ!なんですかこれ!どうして追いかけてくるんですか!」
「……」
ドククラゲは何も言わない。
「な、な、ナナちゃん!こ、こ、漕いでる!?」
「今必死になって漕いでる」
「って、危ない!前!」
前方に、閉じた扉があった。
「くっ」
すぐさまロックブラストで破壊。
ドゴ〜〜〜ン!
破片が飛んできたが、それを間一髪で避ける。
「す、すごいよナナちゃん」
「……」
「……ナナちゃん?」
しかし、ナナは体育は常に赤点ギリギリのレベルのひどい有様。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
一分もしないうちに、息が上がってきた。
「な、ナナちゃん!頑張って!」
「はぁ……はぁ……わか……分かってるんだけど……」
みるみるうちにスピードは落ち、徐々にドククラゲが迫ってきた。
「……」
すでに息は絶え絶え。気力だけで漕いでいる感じである。
「くっこうなったら……」
シズルは後ろ向きに座った。
「し、シズル?」
「おいかぜ!」
バリ〜〜〜ン!
……ネタバレすると、これはただのグラフィック。
追って来ている巨大なドククラゲ、そして流れる背景、目の前の障害物、すべてが映像。
つまり、ナナはただ、前に進まない自転車を必死に走らせようとしていただけである。
「シズルちゃ〜〜〜ん!ナナちゃ〜〜〜ん!」
「いたら返事しろ〜!」
声を荒げる二人。と、その時だ。
ズズ……
「!?」
何かに吸い込まれそうな感覚がして、反射的に踏ん張るマイ。
「な、何だ……!」
「あ〜っはっはっはっは!よくぞここまでたどり着いてくれたなぁ小娘ぇ!」
女の声が聞こえた。
「だがしかし!ここが地獄の一丁目!故にお前たちの墓場となるんや……だぜ!おとなしく、うち……私に飲まれろ!」
どうやら、ポケモンに飲み込まれそうになっているようだ。
そのポケモンが見える、ユレイドルだ。
しかしユレイドルにしては随分巨大……過ぎる気がする。
「う、腕が……!」
必死にしがみつくカエデだが、腕力が持たない。
「カエデちゃん!掴まって!」
左手の槍を伸ばすマイ。
「ぐ……マイ!」
しかし、ついに地面に刺していた右手の槍が外れ、マイはものすごいスピードで吸い込まれていった。
「うわぁ〜〜〜!」
「マイ!」
カエデもジャンプし、マイを追った。
「ん〜……」
一方、作戦室のアキラ。ポテトチップスの袋に手を伸ばしながら、映像を見ている。
「これ、ホンマにやるんですか?」
「何を言っておる。わしの特訓プランは万全じゃ。ぬかりなどないぞ」
「いや、さっきの小鳥遊ちゃんのビビり方見てました?今度同じようなことやったら、今度こそ小鳥遊ちゃん…………死にますよ?」
「そこまで言うかね。まぁやってみなければわからんぞ」
そしてボタンを押す。
「いたた……こ、ここは?」
周りはサーモンピンクの、波打った壁が広がっている。
「マイ、大丈夫か?」
「うん。なんとか……」
「……どうやら、ユレイドルに飲み込まれてしまったらしい。くそ、面倒なことになった……」
とにかく何とかして脱出しないと、……このままエサは勘弁だな」
その時だ。
「世界は破壊し尽くされ、それでもなお争いは続いている」
「!?」
何やら声が聞こえた。
「だ、誰?」
「姿を見せろ!」
威嚇する二人。すると……
「消してあげます。そして……」
上の方の空洞から、大量のスピアーが現れた。
「世に平穏のあらんことを」
……まるで、どこかの大型マシンに乗ったかのような言葉をつぶやきながら。
ひ……ひぃ〜〜〜〜〜!
当然マイはこんな感じでパニックになるかと思われた。
しかし……
「こ、こんなの、気にしてられない!」
「え?」
カエデも驚く程に、マイはスピアーに対して槍を向けた。
「メガホーン!」
ズドン!
強烈な一撃がスピアーを穿つ。
「ふ、なんだ。心配して損した……よっ!」
カエデのほのおのパンチ。
しかし、スピアーは際限なく現れる。
「世に平穏のあらんことを」「世に平穏のあらんことを」「世に平穏のあらんことを」「世に平穏のあらんことを」
こんな言葉をつぶやきながら、そして、
「世に(パリパリ)平穏のあらん(ポリポリ)ことを」
たまにこんなふうにノイズ(?)も混じりながら。
「う……キリがない……そして流石に気持ち悪くなってきた」
アレルギー級の虫嫌いが再発してくる。
「逃げるぞ、マイ。これじゃあこいつらを相手にしている間に、消化されてしまうぞ!」
「う、うん」
全速力で駆け出す2人。
しかし……
「うおわ!」
急に立ち止まるカエデ。
眼下には、黄色く濁った液体が。
「これは……まさか……」
そう、消化液だ。
こんなものに落ちてしまっては、体が溶けてなくなってしまう。
ドン!
「え?」
だが、全速力で逃げていたマイは、突然止まったカエデにぶつかってしまった。
カエデは片足立ちで必死に耐えるが……
ズルッ
「うわぁ!」
足を滑らせ、落下してしまった。
「カエデちゃん!」
ザバ〜〜〜ン……
「カエデちゃん!大丈夫!」
……
「カエデ……ちゃん?」
カエデはいつまでたっても浮かんでこない。
「ま、まさか……カエデちゃん!カエ……」
プカ〜〜〜。
「び、ビックリした〜……マイ!気をつけろ」
「え?」
「これはおそらくユレイドルの消化液。こんな中に飛び込んだら、骨すら残さずに溶けてしまっ」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「って、ないよ?」
「って、ないな……」
ほんのりと、どこかで嗅いだことのあるようなにおいが。
「……温泉だ」
「え?」
「このにおい……間違いなく温泉だ」
マイも飛び込んでみる。
……少し熱い。あ、これは紛れもない温泉だ。
だがその時である。
「マイ、あれ!」
「え?」
天井に張り付いている、ユレイドルの姿が見えた。
「あれがおそらく本体だ」
こちらを睨みつけるユレイドル。
「ほぉう。ここまで来るとはやりおるな。だがここが地獄の一丁目!つまりお前たちの、墓場と……!」
「それさっき聞いたよ」
「あっ」
<あ?>
「……と、とにかく、死ねっ!」
ごまかすかのように、口から岩を吐き出すユレイドル。ストーンエッジだ。
それを大ジャンプで避けるカエデ。そして指を鳴らし、
「はぁっ!」
ユレイドルを殴りつける。が、
「くっ……」
燃えた腕は、ユレイドルを殴りつける前に炎が消えてしまった。
「ダメだ、力が……」
「か、カエデちゃん!」
先ほど温泉に濡れてしまったためか、炎をうまく操れない。
「ふははは。なさけないやつめ。ちっとも痛くないぞ」
と、言うユレイドル。だが……
「……」
言葉とは裏腹に、首を大きく振って痛みを表している。
「……効いてるね」
「効いてるみたいだな」
直接殴ったほう(格闘技)が、炎を出して殴る(炎技)より効くのは道理だ。
だが、
「ほうほう。それでなんとか……なったつもりか?」
すると突然、ユレイドルの張り付いている天井から水が落ちてきた。
「いっくぞぉ〜〜〜!」
エナジーボールを吐きつける。
「!?」
しかもかなり特大だ。
「くっ……!」
高く跳躍して避けるカエデ。しかし火力は凄まじいものだった。
ズド〜〜〜ン!
「うわっ!」
着弾したエナジーボールが凄まじい水しぶきを生み出し、カエデはびしょびしょに濡れてしまう。
頭の炎は、かなり小さいものになっていた。
「はぁ……はぁ……」
「カエデちゃん!」
駆け寄るマイ。しかし……
「はっはっは!スキありぃ!」
「!?」
「私の特性はよびみず!水を受ければ受けるほど強くなる!つまり……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
巨大な岩が無数浮いていた。げんしのちからだ。
「こうなる!」
「!」
槍を構えて防ごうとするマイだが……
ギィンギィンギィン!
激しすぎる岩の攻撃に、思わず後ずさる。
「むぐぐぐぐ……!」
「マイ!」
「ははははは!そのまま何もできないのか?」
そして巨大な岩が目の前に。
ギィン!
「うわぁ!」
大きくはじかれ、尻餅をつくマイ。
「ならば……死ねっ!」
そして飛んできた。
バリ〜〜〜ン!
「!?」
ドッゴォ!
「えっ?」
……二人乗りのバイク(?)が。
バッシャ〜〜〜ン!
・・・・・ザバ!
「けほ……けほ……」
「シズル。やりすぎ」
「シズルちゃん!ナナちゃん!」
マイが反応する。
「マイちゃん!カエデちゃんも!……よかった……無事だったんだね」
「それよりどうやってここに来たんだ?腹を突き破ってくるなんて……」
「……」
キョロキョロと周囲を見回すナナ。
「これ、映像だよ」
「え?」
「だってほら。あそこ」
よく見ると、割れた部分でコードがむき出しになっている。
「それに、仮にここが大きなポケモンの体の中だとして、他のポケモンまで飲み込まれているのはどうしてか、説明がつかない」
「……そういえばそうだね」
「でも、とりあえず二人とも無事でよかった」
安堵する4人。しかし……
「貴様ら……ふざけるのもいい加減にしろ……!」
「!?」
さっきのユレイドルの声だ。
「このユレイドル様を怒らせた罪……あの世でしっかり後悔させてやる……!」
と、怒りをあらわにした声を上げた。
……なぜか、口から泡を吹いて倒れながら。
「……」
「どうした?謝るなら今のうち」
「どうして気絶してるのにしゃべることができるの?」
「……え?え?うちのユレイドル、やられてしもうたん!?」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「……あっ」
ユレイ……いや、アキラはようやく事の重大さに気づき、
「む、む〜ね〜ん〜な〜」
「「「もう遅い!!」」」
「……遅い」
「さすがわしの特訓プラン。完璧じゃのう。こうして諦めずに進んだ4人は再会となり、友情パワーが強化された。な〜んてな」
「……あ、あの。所長。本当にこれでよかったのでしょうか?」
「何。ここさえ抜ければあとは一本道。頂上まではもうすぐじゃ」
「いや、そうじゃなくて……所長がやりたいことは、4人の友情を深めるための特訓……ではないはず……」
するとトウジロウは、カズマのほうを見た。
「おぉそうじゃ。ここまで来れることはわしはハナから分かっておった」
そして作戦室を出ようとするトウジロウ。
「どちらへ?」
「……」
「……さぁ、楽しませておくれよ。小娘共」
TO BE CONTINUED……