第一話 中途半端な決断
「寒いよぉ・・・誰か・・・いないの・・・?」
とある深い森に迷いこんだポケモンが一人いた。
「誰かぁ・・」
夜に迷いこむと二度と帰れないこの森に。
「やっぱり・・・もう・・」
そのポケモンが帰ろうとする意志をさらに諦めさせるように雨が追い打ちをかけてきた。
「誰にも・・・見つからないの・・かな」
諦めて目を閉じようとした、その瞬間
「――――−か!?」
意識が途切れそうなその時もう一匹のポケモンの声がした。
「おい!大丈夫か!?」
雨が降る真っ黒な空が、もう一匹のポケモンの手しか見えなくなった。
そして、意識は途切れた。
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その数日後…
自分の家のベットで目覚めた。まわりには友達がいるが、起きたばかりで何も分からない。
「聞こえてるのか―?シルド−?」
ハッとなり、
シルド「おはよう。」
と、返事をする。その返事に
「いや、おはようじゃねーよ。皆心配してたぞ。」
即答したのはピチューの「グランド」だった。
シルド「ご、ごめん…。」
グランドの他にもアブソルの「ラゥル」とイーブイの「アーニャ」そしてマイナンの「シルク」がいた。
シルク「だ、大丈夫?」
まだ辛い様子が見てとれるのか、気をつかってくれているようだ。
ラゥル「もう大丈夫みたいだな。」
アーニャ「辛くなさそうだし―?」チラッチラッ
この二人はいつも通りみたいだな。
グランド「じゃあ俺は村の皆にお前が目覚ましたの伝えてくる。」
シルド「ああ、すまないな。」
ラゥル「よし、食糧調達にでもいくか。」
アーニャ「いいねぇ、賛成―」
シルク以外出て行ったようだ。
シルク「あっ…あのさ…」
シルド「?」
シルクが両足両手をもじもじしてるのを見ると、何か頼み事があるように思える。
シルク「強くなりたい…って言ってたよね?」
シルド「ああ、僕はまだ弱いプラスルだからな…そんな事言ってたかもな。」
…なんだろうこの流れ、嫌な予感がする。
シルク「な、なら私と探検隊を組まない?」
木の実ジュースを飲んでる途中で聞いたので、盛大にそのジュースを吐き出した。
シルド「…ハッ…ハァ!?」
予感は当たってしまった。
シルド「バ…バカ言うな!タイプ構成がな…………!?」
本気で否定したせいかシルクは泣き出しそうだ。…………これは非常にマズイ((汗
シルク「っご…ごめん…私…変な事言って…ごめん…」
シルド「わあああああああああ!!バカ馬鹿泣くな!やるよ!やるよ!探検隊!」
しまったぁ………(完全に心の声) 顔真っ赤で泣きそうだったからって…………ハア
シルク「ホント?」
シルド「ホ…ホントだ!」
こんなひょんなことから僕は探検隊になることになってしまった。
続く