Chapter  6   ゴミ捨て場のヒーロー
01


「クラウンシティって案外近くにあるんだね〜。
 良かったぁ〜。 今日中に着くといいな」


真っ暗な夜道をななせとレンは
歩いていた。


「今日中に着くわけねぇだろ」


「あだっ!」


レンは、のほほんと前を歩く
ななせの頭を軽く叩いた。


「てかなんで今から
 クラウンシティに向かってんだよ。

 夜だとこの辺は明かりがねぇから
 真っ暗で何も見えねぇし」


レンはため息をついて
辺りを見回した。


「だいたい、道は合ってんのかよ」


「たしか合ってるはず!」


ななせはバッグから地図を取り出して
地図を広げた。


しかし、明かり1つ無いこの状況。
地図を読み取れるわけなかった。


「・・・暗くて地図見れないや・・・」


沈黙を破ってななせが
苦笑いしながら言った。


レンは呆れて深くため息をつくと、
その場に座り込んだ。


「で? どーすんだよ」


ななせは辺りを見渡してみたが
木々ばかりで本当に何もなかった。


「今日はここで野宿・・・かな」


「マジかよ・・・」


レンは深いため息をついた。


ななせはバッグを地面に置いて
小枝などを集めてマッチで火をつけた。


「おい、火なんかつけてんじゃねぇよ!」


レンは急いで立ち上がって火に土をかけた。


「え?! なんで?!」


ななせはレンの手を止めようとしたが遅かった。


火は完全に消えてしまった。


「木に火が燃え移ったら危ないだろ。

 それに、この森にひっそり平和に過ごしてる奴ら(異能者)だっているんだ。
 驚かせたら悪いだろ・・・」


レンはそう言うと地面に寝転がって夜空を見た。


「そっか・・・。

 私悪い事したな・・・」


ななせは落ち込みながらレンの隣に寝転がった。


「二度同じ事を繰り返さなかったらいいだろ」


「・・・うん」


レンとななせは星空を見ながらしばらく何も話さなかった。


沈黙が続く中、ななせは口を開いた。


「星・・・綺麗だね」


「あぁ・・・」


だがすぐに沈黙が流れた。


何か話しかけようとしたななせはレンをチラッと見ると
レンはもう目を閉じて寝息を立てていた。


「おやすみ、レン君・・・」



ななせは小さく呟くと目を閉じた。


初めてのジム戦を終えて疲れがドッときたのか、
ななせはすぐに眠りについた。




しばらくして、眠りについたななせのレンに
2人の男が近寄った。


「おいおい、こんな所で野宿たぁ放浪者に間違われるぞ」


1人の男がランプで照らしながら
ななせの肩を揺すったが
ななせは起きる気配がなかった。


「この辺はよく草タイプの異能者の胞子がよく飛んでるからなぁ・・・
 きっとそのせいでこんなに爆睡してんだろうなぁ」


もう1人の男が辺りを見回しながら言うと
ランプを持った男は軽くため息をつくと
もう1人の男に告げた。


「こんな場所で寝ていても野生動物の餌になるだけだ・・・

 仕方ない・・・
 この2人を放浪者として”あの場所”に連れて行くしかないだろう・・・」


”あの場所”と聞いたもう1人の男は
驚いて何か言おうとしたが言葉を詰まらせた。


そして2人の男はななせとレンを担ぐと
トラックの荷台の狭い場所にななせとレンを乗せた。


そして、ランプを持った男が眠っているななせの傍に
ななせのバッグを添えた。


2人の男がトラックに乗ると、
トラックは静かに動きだし真っ暗な森の中をゆっくりと進んだ。





水野 翡翠 ( 2014/07/21(月) 16:24 )