02 秋祭り大作戦!!!!
書物盗難事件から二ヶ月後・・・島もすっかり秋色に染まったころ。
島民達は秋祭りの準備に追われていた。
「おーい!この木材運んでくれ!!」
「宝物全部そろってますかぁ?」
「はーい了解ですっ」
あっちにこっちに行ったり来たり。その後ろをポケモン達がくっついて走っていく様子はなんとも可愛らしい。
そのころ、祭りのメイン会場ともいえる島の神社では、鶴姫が島民と相談をしていた。
「だいぶ進んできましたね!間に合いそうでよかったぁ!!」
「ええ、皆はりきっています。・・・・しかし、姫様、1つ問題が・・」
「??」
眉をひそめる彼に鶴姫は首をかしげる。
「・・・・またあのポケモンがいたずらをするのではないか、と」
そう、例の「青いポケモン」である。
一応、前の書物盗難からは被害は報告されていないが、島民としては心配なところであろう。
「姫様、今回はなにか対策や捕獲装置のほうは・・・?」
「特に仕掛けていません。」
「!!!???・・だ、大丈夫なのですか??」
一方鶴姫は、ふふふ・・と意味ありげに笑った。
ぴん、と人差し指を立てる。
「もちろん!私に作戦があります!!!・・・・・・・・それは・・・」
ヒューーーーピロピロ ッドンドンドン !!
遠くからお囃子が聞こえる。
まんまる満月も夜空に上って、祭りもクライマックスになってきたこの時。
鶴姫と数人の島民、そしてポケモン達は本宮の柱の影に隠れていた。
目線の先には、神様へのお供えが並べられた祭壇。
「姫巫女さm・・」
「しぃーーーーっ!!」
「(むぐっ)す、すみませんっっ!!・・・上手くいきますかね・・・」
「はい!・・・・・・・・・・・・・おそらく・・。」
「・・・それは・・・・・、おびき寄せ大作戦です!!」
あの日鶴姫の口から語られた「おびき寄せ大作戦」。
「犯人がいままで盗んでいった物を調べてみると、共通点がみつかりました。」
それは、みんなが見る物、みんなが使う物・・・・・・
つまり「みんなが大事にしているモノ」。
次、ねらう新しいターゲットが出てくるとすれば、秋祭り。
「・・・だったら、どーーんとターゲットになりそうなモノをおとりにして、
ばしっと捕まえちゃいましょう!!!!」
・・・・・という訳で。
彼女達は犯人を待ち伏せしているのであった。
「きっと成功します!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・いくら待っても、犯人は現れない。
「・・・・来ませんね」
「・・ブイブイ(汗)」
お供のブイゼルもつかれてきたようだ。
「ううううーー!!失敗ですかね・・・・」
誰もが諦めかけた、その時・・・・・
ゴトッ ゴトトッ
小さな物音が・・・・。