ポケモン選びとベルとのバトル
「…読むよ?」
〈こくっ〉一話でずっこけた二人はあたしの問いに頷く。
「……ふぅ…
【 この手紙と一緒に 三匹のポケモンを届けます。
君と君の友達とで 仲良く選んでね!それではよろしく!
アララギ】」
………うん、手紙にしては短い文だったね。 期待したあたしがバカだったよ。
「さぁ…次は待ちに待ったポケモンだね!」
後ろのベルが弾んだ声で言う。
「早く開けてみてよ!!」
うるさいなぁ…
そう思いながらもあたしも内心どんなポケモンがいるんだろうって、ワクワクしてるけどさ。
あたしはラッピングされたリボンを解いてプレゼントボックスを開けた。
…中に入っていたのはシールが貼ってある三つのモンスターボール。
シールにはポケモンの名前が書かれていた。
左から、くさへびポケモンの『ツタージャ』。
ひぶたポケモンの『ポカブ』。
ラッコポケモンの『ミジュマル』。
「ねぇねぇ! どんなポケモン!?」
ベルが後ろから催促する。 気のせいか、声も弾んでいる。 だけど…うるさい。
「…あたしは『ツタージャ』にするから、残りは『ミジュマル』と『ポカブ』だよ♪」
あたしは『ツタージャ』と書いてあるモンスターボールを手にとった。
「う〜ん…じゃ!あたしはこのポケモン!」
ベルは『ミジュマル』と書かれているボールを手にとった。
「チェレンはこのコね!」
ベルは『ポカブ』と書かれているボールをチェレンに押し付けた。
「どうして君が僕のポケモンを決めるのさ……?」
「ダメだった……?」
チェレンが不満そうにすると、ベルが悲しそうな顔をした。
「・・・・・・・まぁ最初からポカブが欲しかったけど」
………チェレンって昔からベルに甘いよね〜。
ていうか誰も豚なんて欲しくないと思う。
「みんな自分のポケモン選んだよね!」
ベルが話し始める。
当たり前じゃん♪なんかこのポケモン賢そうだし♪
「ボソッ)僕は選んでないけど…」
チェレンがつぶやく。
…根に持ってんの?………器が小さいなぁ。
「ねぇねぇ! ポケモン勝負しようよ!」
「「はぁ!?」」
ベルの言葉にあたしたちは素っ頓狂な声を上げた。
「……あのね、ベル。 まだ弱いポケモンとは言え、家の中でポケモン勝負はダメだよ」
「ていうか、ここで勝負なんかしたら、あたしの部屋が…!」
‘部屋でポケモン勝負をしよう’というベルの提案にあたしたちは反対した。
散らかるからマジでやめて!ていうか散らかるどころじゃないよ!絶対に何かが壊れるから!!
「だいじょーぶだって! まだこのコ達弱いんでしょ? 戦って育ててあげないと!」
………ベルはどうしても戦いたいらしい。惹かないんなら仕方がないよね。
守りながら戦わないと…PCを第一にしなくちゃ…
「……わかった。 ツターzy…うーん…」
「タジャ?」
あたしが名前を呼ぼうとして途中で止まったから、ツタージャは{?}を頭の上に浮かべた。
「………チェレン、ツタージャの最終進化ってなんだっけ」
「ジャローダだよ」
あたしがチェレンに聞いたら、チェレンはあたしがしようとしている事が解ったみたいですぐに答えてくれた。
ジャローダ………
「ロダ」
「これからあなたのことをそう呼んでもいい?」
あたしはツタージャの目線に合わせるため、屈んで言う。
「……タジャ!」
「…いくよ、ロダ!」
「タジャ!」
ロダに認証をもらったから、あたしは〔ロダ〕と呼ぶことにした。
「お先!“たいあたり”!」
先手必勝であたしは油断しているベルのミジュマルに“たいあたり”を食らわせる。
「ミジュゥ!」
「わわっ!えっと、ミジュマル、ロダに“たいあたり”!」
「かわして!」
ベルは慌てて指示を出し、ミジュマルはロダに“たいあたり”を食らわせようとするが、あたしがロダに指示を出してロダが交わしたらミジュマルは壁に衝突した。
あ…壁にヒビが!!!
「許さん!“たいあたり”!」
ツタージャはミジュマルに“たいあたり”を食らわせる。
「きゃぁ!…もう許さないんだから!」
「ミジュ!」
素早さ遅すぎ!
「“たいあたり”!」
やば、当たりそう!
「に、“にらみつける”!」
“にらみつける”で“たいあたり”の威力を弱めることができたけれど…
「タジャ!」
ロダは少なからずダメージを負った。
テレビも………マジで泣いていい?
「………“たいあたり”!」
落ち込んでいる時にベルが“たいあたり”をしようとする。
「…交わして“たいあたり”!」
あたしはロダにまた指示を出した。
ロダは突っ込んできたミジュマルを交わして、ヨロけたミジュマルに横から“たいあたり”を食らわせた。
・・・・・・・部屋がぐちゃぐちゃ………
「負けちゃったけど…どっちのポケモンもすごく頑張ったよね!」
ベル・・・・・・・君の天然にはいつも驚かされるよ…