ポケットモンスターANOTHER








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STAGE1. GOLDEN MIND
記録22. 力の持ち腐れ

「勝つんだ! 今度こそ! 」
ヒビキはジムの前で気合を入れた。
「うん 」
「まあ、オーバーヒートしないように気をつけることね! 」
そううってコトネは、先ほど買ったばかりのサイコソーダを差し出した。
「ありがと 」
「勝つのよ! 」
「うん 」

ジムの中に入り、ヒビキは決闘を申し出た。
「さあ来い! 」
「────っ! 」

〈vsジムリーダー「シジマ」〉

[ジムリーダーのシジマが、勝負をしかけてきた!]
[ジムリーダーのシジマはカイリキーを繰り出した!]
「カァァアイ! 」
カイリキーは四本の腕を操る巨大なポケモン!
1匹目から手強い相手だ!
「ゆけっ! 〈ヘラクロス〉! 」
[ヒビキはヘラクロスを繰り出した!]
「ヘゥラァァア! 」
[ヘラクロスのヘラクロスナイトとヒビキのメガリングが反応する!]
「進化を超えろ──メガシンカ!! 」
[ヘラクロスはメガへラクロスに進化した ]
「ほう、メガシンカを使えるのか 」
シジマは腕を組んで感心する。
「──っヘラクロス〈インファイト〉! 」
「〈インファイト〉で相手をしてやれ!」
[ヒビキのメガヘラクロスのインファイト!]
[相手のカイリキーのインファイト!]
激しくぶつかり合う二体の腕。ほぼ互角だ。
「ふん、なかなかやりおるな! カイリキーの腕が2本だったら、
今のでやられていたかもしれぬ!」
「くっ! 」
二体は一度距離を取った。
確かに、パワーではこちらが上だ。だが、カイリキーはそれを腕の数でカバーしている。
「──〈ばくれつパンチ〉だ! 」
「なっ! 」
(なぜここで、命中の低いばくれつパンチを!?)
[相手のカイリキーのばくれつパンチ!]
カイリキーの4つの拳がヘラクロスを捉えた。
[メガへラクロスは混乱した。]
「ヘラクロス! 」
「カイリキーの特性は〈ノーガード〉だ。ノーガードは〈こころのめ〉同様、技を必中にする。」
続けてシジマは問う。
「それにしても、ヒビキ。お前は、メガシンカを継承されて、何日経つ」
「2日ですが── 」
「なるほど、なら終わらそう。〈インファイト〉だ! 」
[相手のカイリキーのインファイト!]
「ヘラクロス!!! 」
ヘラクロスは倒れこんだ。
「ヘラクロス!」
ヘラクロスは立ち上がる。だが──
[ヘラクロスはわけもわからず自分を攻撃した! ]
「我が身の力に振り回されて倒れるがいい! 」
[ヘラクロスは倒れた! ]
「……ヘラクロス! 」
「ヒビキ、見たところお主はメガシンカに頼りすぎだ。そのため力に振り回されてた 」
「メガシンカを──使いこなせていない? 」

「さあ、次を出せ!」
カイリキーには、さっきのインファイトのぶつかり合いでのダメージしか与えていない。
はっきり言って不利だ。だが、この状況を覆せるポケモンが一体…いる!
「ゆけっ!〈ゲンガー〉!」
[ヒビキはゲンガーを繰り出した!]
「まだまだこれからだ!」
「ゲンガァー!」
「来い!」
「ゲンガー!〈シャドーパンチ〉! 」
「ふっ(正面とは舐めた真似を── )〈はたきおとす〉! 」
「ゲルっ! 」
ゲンガーは消えた!
「なにっ! 」
[ヒビキのゲンガーのシャドーパンチ!]
「カイリキーっ! 」
シジマのカイリキーはとっさにシャドーパンチを受け止めた!
「ふっ、甘いぞヒビキ! 」
「そちらこそ! 」「ゲンっ! 」
[ヒビキのゲンガーの10まんボルト!]
「なっ!」
「カィィイイ!!! 」
カイリキーは大ダメージを負った。
「相手はジムリーダー、そちらの弱点をカバーする技を1つは入れてるはず、真っ正面からやられるに決まっている!ましてや腕を四本持ってるカイリキーだ! 」
「ノーガードとばくれつパンチを突破するために、あえて技を受け止めさせたのか!」
「そうすれば、相手に技は出せないからね 」
「やってくれる! 」
「──ゲンガー〈シャドーボール 〉!」
[ヒビキのゲンガーの特大シャドーボール!]
「受け止めるんだ! 」
カイリキーはその4本の腕でシャドーボールを受け止めようとする!
「カイッ────! 」
カイリキーは少しずつ後ろへ押されていく!
「〈シャドーパンチ〉! 」
[ヒビキのゲンガーのシャドーパンチ! ]
シャドーパンチが、シャドーボールをさらに強める!
「カアァァァアア──……… 」
[カイリキーは倒れた!]
「よく頑張った。戻って休むといい 」
シジマは新たなモンスターボールを手にした!
「ゆけっ〈ローブシン〉! 」
[シジマはローブシンを繰り出した!]
「ローブシン〈うちおとす〉! 」
[シジマのローブシンのうちおとす!]
「よけろゲンガー! 」
ゲンガーは落ちてくる岩をよけていく!
「〈あくのはどう〉! 」
「守れ! 」
[ヒビキのゲンガーのあくのはどう!]
ローブシンは持っている柱で攻撃を防いだ!
「なに!」
「もう一度〈うちおとす〉だ!」
「────っ 」
[シジマのローブシンのうちおとす!]
ゲンガーは撃ち落とされた!
「〈じしん〉だ! 」
「ロブっ!?」
ローブシンの腹部には〈シャドーボール〉があった! そして爆発する!
「なんだとっ!」
「撃ち落とされる前に撃っておいたのさ!ゲンガー〈シャドーパンチ〉! 」
「柱で防ぐんだ!」
[ヒビキのゲンガーのシャドーパンチ!]
ローブシンは柱を盾にして我が身を守る。
だが、ゲンガーの拳は柱をすりぬけた!
「ローブシン!〈じしん〉だ!」
[シジマのローブシンのじしん!]
ローブシンは柱を投げ捨て、ゲンガーを抑えにかかる。
[ゲンガーに効果は抜群だ! ]





[両者戦闘不能! ]
残り一体ずつとなった。
「ゆけっ! 〈ニョロボン〉! 」
[シジマはニョロボンを繰り出した!]
「ニョロ! 」
「ここまで来れたのは褒めてやる…だが、お前の出すポケモンは
〈ゲッコウガ〉! ニョロボンとの相性は悪い! 」
「それでも……こいつにリベンジさせてやりたい。そしてオレも! 」
「ふっ、その信念──認めよう! 」
「清き心と悪き心、今ひとつになりて──この世の全てを包み込め!
ゲッコウガ! ここに水参! 」
[ヒビキはゲッコウガを繰り出した! ]
「ゲッコゥ! 」

──────────
──────
───


「〈つばめがえし〉! 」
[ヒビキのゲッコウガのつばめがえし! ]
「かわせ! 」
「つばめがえしは必中! 」
[効果は抜群だ! ]
「〈こころのめ〉だ! 」
「〈かげぶんしん〉!」
[ヒビキのゲッコウガのかげぶんしん! ]
[シジマのニョロボンのこころのめ! ──しかし、ニョロボンの攻撃は外れた! ]
「〈みずしゅりけん〉! 」
[ヒビキのゲッコウガのみずしゅりけん! ]
水でできた手裏剣をゲッコウガ達は放つ!
「〈ハイドロポンプ〉だ!」
[シジマのニョロボンのハイドロポンプ!]
分身達は消え去り、ふたつは激しくぶつかり合う!
「ゲッコウガ〈なみのり〉!」
[ヒビキのゲッコウガのなみのり!]
「ニョロボン〈こころのめ〉!」
[シジマのニョロボンのこころのめ! ]
フォーカスが合った!
「ばくれつパン──「今だ!!! 」
ニョロボンの背後からもう一匹のゲッコウガが襲いかかる。
[ヒビキのゲッコウガのつばめがえし! ]
「なんだと!それではなみにのっていたのは!? 」
「──分身さ! 」
ゲッコウガの分身は消え去った。
「くっ、もう一度〈こころのめ〉だァ! 」
[シジマのニョロボンのこころのめ!]
今度こそフォーカスが合った!
「〈ばくれつパンチ〉ぃ! 」
「まずい──っあれは! 」
ヒビキの視界にあるものが入った。
「ゲッコウガ! 」
ゲッコウガはヒビキの指差した方へと走りそれを手に取った。
[相手のニョロボンのばくれつパンチ! ]
「よしっ──ん!? 」
シジマの安心した視界に映ったのは──
「なっ──ローブシンの柱で身を守っただと!? 」
ゲッコウガはとっさに柱を拾い、壁を作っていたのだ。
「ふっ〈きあいパンチ〉! 」
[ニョロボンは拳に気合いを集中させる! ──シジマのニョロボンのきあいパンチ!]
吹っ飛ばされ、ゲッコウガは倒れてしまった。
「決めるぞニョロボン! 」
「ゲッコウガぁ! 」
「っ──────!!!」
【発揮特性:げきりゅう】
ゲッコウガから蒼いオーラが放たれる!
「〈みずしゅりけん〉! 」
[ヒビキのゲッコウガのみずしゅりけん!]
吹っ飛ばされたニョロボンは壁にめり込む!
「ニョロボン!! 」
「〈つぱめがえし〉!!!!! 」
[ヒビキのゲッコウガのつばめがえし!]
「ゲコォオウウゥ!! 」
「ニョロッ────………!」
一筋の燕が、蛙を引き裂いた。
[ニョロボンは倒れた!]
「ゲッコウガ! 」
ヒビキとゲッコウガは向かい合って抱き合う。そして共に喜びを分かち合った。
「ふっ、参った 」
微笑。シジマはヒビキのもとへと歩いた。
シジマは「ショックバッチ」をヒビキに渡す。
そして、シジマは提案を持ちかけた。
「ヒビキ。ヘラクロスをこちらに預けてみないか? 」
シジマの提案は、メガシンカに頼りすぎたヘラクロスを鍛えさせて欲しいとの事だった。
ヒビキは悩んだ。
「メガシンカ── 」
やがて決意した。
「シジマさん。ヘラクロスをお願いします! 」
「安心しろ! お前がリーグに挑戦する頃には、必ずつよくなっとるわ! 」
シジマはヒビキの背中をバシンッと叩いた。
「イッタァァア!! 」
ヒビキは叫びながら飛び跳ねる。
「おお、すまんすまん 」
「……頼みますよ 」
ヒビキは本気の眼でシジマに言った。
「ああ、任せとけ 」


ジムリーダーシジマとヘラクロスに別れを告げたヒビキ達は、次の街を目指す!
だが──


月光雅 ( 2015/07/28(火) 17:17 )