ポケモン不思議のダンジョン風の探検隊 どこまでも続く冒険記「アイシオン」 - 第二章 戦いと決闘
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第三話 加速する刃
ここはプテの砂丘の奥地。景色は先程までとたいして変わらない。しかし、もう少し奥の方に一軒の小屋があるのとここから右に進むとオアシスがあるのがわかる。
 
フリズ「あの小屋っぽいな。」
 
ランザ「それしか………ないっぽいね。目的の奴はまだ僕達に気付いてないから上手くいけば不意打ちなんてこともできるかも。」
 
リズ「そうとわかれば………バブル光線!」
 
リズの放ったバブル光線は小屋のドアに向かってとんでいきドアに当たり、小規模な爆発をおこした。
 
と、三匹は思っていたのだが
 
ランザ「どうやら不意打ちは失敗だね。」
 
爆発による砂煙から見えてきたのは少し小柄で、その体型には合わない大きな羽と爪を持ったポケモン「テッカニン」。
 
フリズ「俺達はチームアイシオン。こそ泥の罪でお前の捕獲依頼が出ている。」
 
テッカニン「こそ泥だと?」
 
フリズ「あれ、人違い?………じゃなくて、お前の名前はなんだ。」
 
テッカニン「『ナトラ』だ。」
 
フリズ「じゃあ合っているな。って事でごまかしても無駄だ。この依頼書にはお前の名前が書いてある!」
 
しかしナトラからかえってきたのは予想外の言葉であった。
 
ナトラ「そりゃぁ随分前に発行されたらしいなぁ。」
 
は?こいつ何を言ってるんだ?随分前って………
 
ランザ「どうゆう事だい?」
 
ナトラ「知りてぇか。教えてやろう。俺がその依頼書に書いてある事をしたのは1年前の話だ。今はそれよりも罪悪な『殺し』をしている。」
 
殺し。その言葉を聞いた三匹は硬直した。
殺し。命を絶えさすこと。そんな事をやっている奴が目の前にいる。
 
ナトラ「まぁお前たちをここで殺せば、悪名も少しは上がるかもな。」
 
フリズ「くっ。うるせぇ。」
 
ランザ「まぁここで殺せるなら殺してみろ。って思うね。」
 
ナトラ「舐めるなよ。俺が今まで一体どんな奴等を……」
 
フリズ「コイキングとか?」
 
それを聞いた途端にナトラの顔が赤くなり、いまにも怒りが爆発しそうだった。
 
ナトラ「じゃあ思い知るがいい。俺の実力を…」
 
あれ?今の言葉は悪かったか?あいつを怒らせてしまったな。リズはさっきから泣いてるけど脱水症状………ならないな。
 
ランザ「なに君は危機感のないような事を考えているんだ。」
 
フリズ「うん。ごめん。」
 
ナトラ「舐めやがって……」
 
フリズがナトラの方を向きなおした。しかしその瞬間にはナトラはすでにフリズに向かって飛んでいた。
 
ナトラ「連続斬り!」
 
フリズ「!?」
 
ナトラがフリズの右の方の腹部を狙うが、フリズはこれを紙一重でよけた。
 
危ねぇ。特に連続斬りは当たったら厄介だ。何せ連続で当たるほど威力上がるからな。
 
攻撃が外れたナトラは次はランザに狙いを定め

ナトラ「シャドークロー。」
 
シャドークロー。ゴーストタイプで、急所にあたりやすい技だ。
そしてナトラはランザの急所を狙い紫色のオーラを纏った右手をおろす。
しかしこの攻撃をランザは避けようとはしなかった。
 
フリズ「危ない!ランザ!」
 
ランザ「心配ご無用。『双刃・器払い』!」
 
ランザは自分の鎌をクロスして構える。そして、ナトラのシャドークローがクロスした鎌に当たり、ガチンと音がなった所でランザは自分の両手を思いっきり外側に広げた。するとランザの鎌と密着していたナトラの爪ははじかれてナトラはのけぞる。
 
ランザ「チャンス!つばめ返し!」
 
ランザは自身の右手でナトラを斬り、そしてその右手で切り返した。
 
ランザ「ふぅ。これでかなりダメージを与えれたかな?殺しというのもあまり大したことないね。」
 
そしてナトラはすぐに起き上がる。
 
ナトラ「舐めるな。地獄はここからだ。」
 
ナトラは低く体勢を構える。そして
 
ナトラ「迅刃・[程]」
 
フリズの懐めがげて飛んでいった。そしてフリズはとある事に気付く。そう、先程よりも奴のスピードが上がっていることだ。
地面とすれすれを飛び、砂が散っているのを確認できる。
 
フリズ「くっ。間に合うか!?」
 
フリズは避けようとする。しかし、その行動は虚しく、ナトラの右手はフリズの右足を直撃していた。
薄い橙色をした砂丘に赤いものが交えて見える。
 
フリズ「ぐあああ!」
 
フリズは右足に切り傷を負いもがいている。
 
ランザ「リズ!いつまで泣いてるんだ。君も戦え!」
 
フリズが傷を負いランザが珍しく……というよりは初めて怒りを露にした。
ランザの声はリズに聞こえて、リズも泣くのをやめて戦闘準備に入るが次の瞬間には右手が少し赤くなっているナトラが突っこんできていた。
 
ナトラ「どんどん加速していくぞ俺は!続迅刃・[程]」
 
ナトラは先程よりもさらに早くなっていた。これはテッカニンの特性「加速」によるものだ。「加速」とは時間がたてばたつほど自身の素早さが上がる。そしてこのナトラは「二段階」上がっている状態だ。
リズはあまりの速さに驚き、体が動かなかった。
しかし、リズの状態を悟ったランザはすかさずバッグから何かを取り出す。そしてその物体を横側からナトラの動きに合わせて投げる。
 
ナトラ「二匹目。終了だ…」
 
どんどん加速していくナトラとリズの間の距離が残り十mとなった所でナトラが横から何かが飛んでくるのに気付いた。
そしてナトラがそちらを見た瞬間に飛んできた物体がナトラの顔面に当たった。
そして、
 
ボゴォォン
 
その様な音が聞こえ、火薬の様な臭いが辺りを漂う。恐怖で目を瞑っていたリズが目を開いて見た光景は、地に落ち顔が黒く焦げたナトラだった。
その光景にリズは不思議に思う。
 
リズ「一体…………」 
 
リズの疑問に対し、ランザは先程と同じ物体と思われる物をバッグから取り出していた。
 
ランザ「これは『爆裂のタネ』さ。」
 
爆裂のタネ。この世には「タネ」と呼ばれる物が存在しており、その種類は様々だ。このようなタネは一般的に見た目は黄色で光沢がある。今回ランザが使ったのは「爆裂のタネ」と呼ばれるもので大きさはフリズの掌サイズだ。これは相手に投げると当たった衝撃でタネが爆発し、相手にダメージを与える道具だ。
 
ランザ「よし。今の内に……」
 
そう言いランザはポーチからオレンの実を取りだし、フリズに向かって投げた。そしてランザの投げたオレンの実はピンポイントでフリズの顔の目の前に落ちた。
そしてオレンの実が落ちた音、落ちた時に散った無数の砂が顔に当たりフリズは目を覚まし、すぐに目の前にあるオレンの実に目をつける。
 
フリズ「どっちか…わからないけど…ありがとう…」
 
フリズはオレンの実にかぶりつく。そしてフリズの体力はたちまち回復し、フリズは起き上がって自分の体についた砂を払い除けた。
そしてフリズが起きるのと同時にナトラも起き上がった。
 
ナトラ「くっ。今のは効いたぜ…加速もやり直しだしよぉ。」
 
ランザ「なかなかしぶといねぇ。」
 
その言葉を言うとナトラはランザの方を向き、目が合う。
ランザはナトラと対峙し身構える。
どちらが先にどのような攻撃をしてくるか。二匹の脳内はそれを考えることだけに集中していた。
そして先に動いたのは
 
ランザ「つばめ返し!」
 
ランザだった。そしてこの技は切り返しするためほぼ必中。
ランザは自身の右手を大きくナトラめがけて降り下ろす。
 
ナトラ「甘い。」
 
しかし、ナトラはランザの「上からの斬り」を避けようとはせず左手の爪で火花を散らしながら容易く受け止めた。そして、
ナトラ「みだれひっかき!」
 
ナトラは自身の左手と密着しているランザの鎌を払い除ける。そして、無防備になったランザの懐に繰り出した技は…………………
みだれひっかき。
一撃の威力こそは低いが連続攻撃であり、多数ヒットするとかなりのダメージとなる。
 
ザクッ
 
何かをえぐるような音が聞こえる。
そしてその音は後3回ほど聞こえた。その音が聞こえなくなった時に見えたのは腹部から血を流しているランザの姿であった。
辺りからする砂の臭い、汗の臭い。それに混じって臭う…さびの様な臭い。
 
リズ「嘘…ランザ!!」
 
ランザの元に駆け寄ろうとするリズをナトラは威圧し、リズは恐怖し動けなくなった。
 
ナトラ「さて、このカマキリの息の根を止めるか……」
 
ナトラは自身の完璧に赤くそまった右手をあげる。そしてランザの傷ついた腹部に降り下ろそうとしたその時
 
フリズ「アクアァジェットォォォ!」 
ナトラの背後から加速したナトラにも負けないほどの速さでとんできているフリズがいた。そしてフリズの攻撃は完璧に不意打ちだった。ナトラはフリズに気付く事はなく、フリズのアクアジェットはナトラの背中に直撃する。
 
ナトラ「ぐあああっ!」
 
さすがに防御もせずに俺の技を受けたんだ。やっぱり予想だにしない攻撃が急に来て、それに対応せずにうけたダメージはかなりのものだな。うん。ランザには可愛そうだが、少し囮にしてもらったぞ
 
フリズ「さて………」
 
その場に倒れこんだナトラの左手ををフリズは右手で掴む。痛みにより何も抵抗できないナトラはもがくことすらしなかった。
 
フリズ「終わらせるか…………『アイシング』!!」
 
フリズの右手からこの砂丘に似合わない程の冷気が出る。そして数秒後にはナトラの左手が凍りはじめていた。
そしてどんどんナトラの左手が凍りついていく。
お尋ねものは基本「殺す」のではなく「捕獲」だ。つまり、こいつを凍らせてからお持ち帰ろう………というわけだ。まぁ早くしないとこの気温だとすぐ溶けるしな。
 
リズ「フリズ……凄い。」
 
感心するリズにフリズは目配せをする。
 
二十秒くらいたっただろうか。ナトラの左手は全て凍りついていた。
全身凍りつくまでもう少し。と思っていた刹那。
 
フリズ「ごっ!おわぁっ!」
 
意識不明だったナトラの意識が戻り思いきり暴れだしたのだ。
いきなりの事に対応できない、さらにナトラの左手は凍っていて滑る。
しかし、ナトラは暴れるのをやめた。
なぜ?……とフリズが思った瞬間
 
ナトラが自身のぶら下がっていた右手を思いきりフリズの右腕に突き刺したのだ。
 
フリズ「ぐわぁぁぁ!」
 
ナトラ「オワラシテヤル。ザコドモ。」
 
これは……ポケモンの体力が残り僅かになった時に見られるもの。この世界では一般にこれを「短気化」という。しかし、短気化するポケモンは少ない。つまり、皆が皆短気化するわけではないのだ。短気化とは、文字通り短気になる。辛うじて意識は保っているも短気化すると性格はどんなに穏やかでも狂暴にるといわれている。
 
ナトラ「イクゾ………」
 
ナトラは大きなダメージを負っているとは思えない程のスピードでフリズに飛んでいく。
 
フリズ「くっ。リズ!よく聞け。俺があいつの素早さを緩め、隙を作る。だからお前はお前の中で一番強い攻撃をしろ。わかったな!」
 
リズ「わ…わかった。」
 
リズに大まかな作戦を教えたフリズは飛んでくるナトラの方を向き
 
フリズ「凍える風。」
 
凍える風。その名のとおり凍てつくように冷たい風でこれを受けた敵は素早さが落ちる。
短気化したポケモンは判断力や知能が落ちる。案の定ナトラはフリズが放った凍える風に突っ込んでいった。
ナトラはダメージをくらい、徐々に素早さが下がっているのが見てわかるのだが、ナトラは強引に突っ込んだ。
そんな無理な事をしているのだ。ナトラの素早さは落ちに落ちていた。
そしてフリズは次に作戦通りにナトラに隙を作ろうとする。
どのようにするのかと言うと単に飛行しているナトラを地に伏せる、それだけだ。
ちょっと簡単すぎかな?と思いつつも、ナトラがフリズの目の前にきた時に、フリズは攻撃をくりだした。
 
フリズ「叩きつける!」
 
フリズの叩きつけるでナトラは地に落ちた。
 
フリズ「リズ!今だ!」
 
決着の時は近い……
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ジャベリン ( 2013/05/30(木) 06:30 )