第四話 朝礼出席!初のお仕事
三匹が眠りについてから7時間が経ち、東にある山から太陽が出てきはじめだし、様々なポケモン達が目覚める時刻。
時刻はこの「ビッパのギルド」のメンバー達が起床する2時間前の、5時である。
ビッパのギルドのメンバーは朝七時に起床する事が義務付けられている。ちなみに、7時より前に起きるのは可能だ。
しかし、皆はギルドの仕事で疲れているからギリギリまで寝るのが普通だ。
そしてここはトレジャーシティ。
探険隊に人気のお店は街の中央にあるショッピングモールに集まっている。奥には住宅街があり、ここで働いている大半のポケモンはここに住んでいる。
店の営業は6時〜22時までである。
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ソン「二匹ともおはよう〜。」
先程から二時間が経ち、ギルドにいるポケモン達は皆一階の集会所でやる朝礼に集合しようとしている。
そしてここに初めて朝礼に参加する三匹がいた。
リズ「ふぁぁ〜。こんな早くから起きるのー?」
フリズ「昨日シザリがそう言っていただろ。」
リズ「だるっ。」
「だるって。」この犬。一番楽しみにしてて寝れなかったのお前だろ。
フリズ「まぁそんな事より早くしないと遅刻するぞ。」
ソン「やばいかもな…早く行こうぜ。」
ソンがその一言を言うと三匹は部屋を後にし、階段を降りていった。
フリズ「間に合うか?」
ソン「全然大丈夫だぜ。後6分ある。」
リズ「えぇー。全然大丈夫じゃん。歩いていこうよ〜。」
フリズ「じゃあ一人で歩いていろよ
。」
そう言いフリズとソンのスピードは加速していく。
リズ「あー待ってよー。」
フリズ「それよりさーお前って結構いいな。」
ソン「何がだ?」
フリズ「いやー。お前の移動の仕方だよ。なんか気持ちよさそうだし。」
ソン「これも結構難しいんだよなー。」
難しい?…のかな。まぁ毎日のようにしてたら全然当たり前のようにできるはずじゃないのかな。
ソン「違うんだよ。向かい風だったらどうなるかわかるか?」
フリズ「そうか向かい風か!なるほど…………てか何で俺の考えた事がわかったんだ?」
ソン「実はわたくし、エスパーです。
というのは無論冗談だぜ。」
おいおい、笑顔で言うなよ
フリズ「そうこう話しているうちに着いたっぽいな。リズは?」
ソン「あのアホなら後ろの方で頑張ってるよ。」
フリズ「そうか。じゃあとりあえず並んでおこう。」
そして二匹は集会所の入り口付近に並んだ。遅れて30秒後、リズも二匹の後ろに並んだ。
シザーリ「えー今から朝礼を始める。まず初めに、新しく入ったやつらを紹介する。八匹とも前に出てこい。」
そのシザーリの一言で集会所が一気に騒がしくなった。
「ヒソヒソ、八匹も入ったってよ。」
「どんくらい強いのかな?」
「後輩が一気にできるぜヒャホーい。」
シザーリ「静かにせーい!!」
今度は逆にシザーリのその一言で集会所が静まりかえった。
シザーリ「えーじゃあまず、チームアイシオンから自己紹介しろ。」
自己紹介か、めんどうだな。と言っても名前ぐらいしか言う事ないしな。
シザーリ「何をしている。さっさと言わんか。」
へいへーいわかりましたよー。
フリズ「えーこの度ギルドに入る事になったフリズです。よろしくお願いします。」
パチパチパチパチパチ
ソン「チームアイシオン副リーダーのソンだ。よろしくっ。」
パチパチ
リズ「わ、私はリズともっ申しますっ。これからよよ、よろしくお願いします。」
リズ…緊張しすぎ。こいつのせいで俺達の評価が下がる時がいつか来そうで怖い。
シザーリ「じゃあお前ら三匹はそこに座っていろ。」
そう言われた三匹はシザリが指ししめした場所を見る。指しした場所には種族でいうとプテラとズカイドスがおり、恐らくその二匹の隣だろう。
三匹はそこに移動しその場に座った。
シザーリ「じゃあ次に紹介するのは「チームグランド」だ。このチームは五匹いるからな。」
ニューラ「僕の名前は『クエイ』です。これからよろしくお願いします。」
ヒノアラシ「俺の名前は『ヒート』だ。よろしく頼む。後、チームアイシオン!ちょっと先に入ったからって調子に乗ったら潰すからな。以上だ。」
ソン「何だとー!」
リズ「はいっ!先輩面はしないので、どうかお見過ごしくださいませ!」
リズ………これからがんばれ!
エレブー「俺の名前は『デン・バクチ』デンと呼べよゴラァ。」
キルリア「私は『メヒ』と申します。これからどうぞよろしくお願いします。」
ロゼリア「僕の名前は『エジル』さ。こんなイケメンで天才な僕がこのギルドに入った事をラッキーに思うんだよ諸君。」
………なんか、個性派揃いだな。このチーム。しかし、リーダーのクエイだっけ?なんか妙な感じがするなぁあいつ。なんか悪っぽい感じは全くしない善の塊っぽいが何かあいつのオーラ的なものに何かを感じる。気のせいか?
シザーリ「これで朝礼を終わる。では各自仕事にいけ!」
「「「「「おぉー」」」」」
フリズ「俺達は何をすればいいのかな?」
???「それは私が教えるわ!」
三匹は声がした方を見る。そこには下半身が黄色と黒のしま模様をしていて蜂の巣のような形をしていて額には鮮やかな紅色をした宝石のようなものがついているポケモン「ビークイン」。
フリズ「お前は…?」
ビークイン「あらあら先輩に対して『お前』とは失礼ね浮き輪ボーイ。」
フリズ「何だこの性格……じゃなくて失礼しました。すみません。後俺は浮き輪ボーイじゃありません。」
ビークイン「あら素直ね。最初の言葉以外は。紹介が遅れたね。私は『エネラ』エネラ姉さんって呼んでちょうだいチルドレン達。」
リズ「……………………」
フリズ「なぁソン。」
ソン「言うことはわかってるよ。『何でこの世界は姉さんと呼んで欲しい人が多いのか?』ってことだろ?」
フリズ「おぉ、その通りだ。やっぱお前エスパーじゃねぇのか?」
リズ「……………………………」
リズは依然黙っている。恐らく自分がどんな恥ずかしい事を言っていたか気付いたのだろう。
エネラ「…………冗談よ冗談!エネラさんって程度でいいから!」
フリズ「りょうかーい。それより仕事は?」
エネラ「あぁそうね。忘れてたわ。じゃあ三階へ行ってみましょう。」
〜三階〜
四匹は掲示板の前にいた。
ソン「いろんな依頼があるなぁ〜。」
エネラ「向こうの掲示板はお尋ねものの掲示板なんだけどまだヒヨッコちゃん達には厳しいからこっちの依頼の方をがんばってほしいの。」
リズ「お尋ねもの!死んでもいや!」
さすがにそれはないだろリズ。お前のびびりは神級か。
エネラ「この依頼なんかどうかしら?」
ソン「どんなのだ?読んでみてくれ。」
エネラ「(全く、敬語も使えないのかしらこの兎モモンガちゃん。でもやんちゃそうで可愛いわね。)えーと…」
エネラは依頼の内容を読み始めた。
[私の息子、ストライクの『ランザ』が行方不明なんです。『水源の穴に行ってくる。』と言ったっきり帰ってこないのです。どうか私の息子を探してください。]
フリズ「なるほど、救助依頼か。楽そうだな。」
リズ「でも怖い…」
ソン「まぁ行くしかなさそうだな。行方不明とかやばそうだしな。」
フリズ「よし、じゃあ行くか!水源の穴に。」
ソン「おぉー!」
リズ「お、ぉ〜。」
エネラ「頑張ってねー。」
ソン「ありがとなおばさん!」
ソンのその一言でエネラが「だれがおばさんですって!」と言い、ソンが大量のミツハニーに襲われたのは思い出になるだろう。
フリズ「とりあえずトレジャーシティで準備しようか。」
リズ「おっけ〜。」
三匹はトレジャーシティを目指した。
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ここはトレジャーシティのショッピングモール。ここにこれから初の依頼をする三匹がきた。
フリズ「ぱっと見た感想……広!!!」
ソン「右に同じく。」
リズ「そのまた右に同じく!」
フリズ「とりあえず準備をしよう。一人一つずつトレジャーバッグを持っているよな?」
トレジャーバッグ…それは探険には不可欠な物で様々なものを沢山入れる事が可能なバッグだ。さらにこのバッグは実績をためる事で大きくなるとか…
ソン「ギルド入門金は3000ポケだからな。一人1000ポケ持っていこう。」
リズ「わかった。じゃあ今からは各自行動だね。」
フリズ「そうだな。じゃあ30分後ここに集合だ。」
そして三匹はショッピングをしに行った。
フリズ「この店は……カクレオン商店。」
カクレオン商店とは120年前から続く老舗で大人気のショップで探険には必須の道具、食べ物が売られている。
カクレオン「いらっしゃーい。何をかうかね?」
フリズ「んーとじゃあオレンの実を5個とピーピーマックスを2つ、りんごを3つ頼む。」
カクレオン「合計で680ポケね。」
フリズ「はいよっ!」
フリズはカクレオンに680ポケを渡した。
カクレオン「毎度ありがとねー。」
さてと…次はどうしよう。行きたい所がありすぎる。チームに用意されている部屋は自由に家具を置いていいと聞いているから家具屋さんも見ておきたいし、道場にも行きたい。………………道場に行こう。
そしてフリズは道場で鍛えるのに夢中になり、約束の時間十分遅れてリズに怒られた。
ソン「俺はちょっとミツハニーのトゲを取ってもらうのにニ十分もかかったからちょっと準備不足かもしれないかな。」
トゲを取ってもらった?……確かに、ソンの腫れていた所は治っているな。
フリズ「まぁ、依頼場所のレベルは低いし大丈夫だろう。」
リズ「そうだね。行こう。」
三匹はショッピングモールを後にした。
そしてここは東依頼出発場所。主に東方面のダンジョンに行く場合はここを使う。
フリズ「ん?あいつらは……」
そこにはチームグランドがいた。
クエイ「やぁ君たちも依頼かな?僕たちはそうだよ。」
ヒート「お前らか。まぁお前らみたいなヘッポコにはできないような依頼をするところなんだ。」
ソン「何だとー!どんな依頼だ!言ってみろ。」
メヒ「依頼人を行方不明者へのもとへ護衛することです。」
ヒート「どうだ?」
ソン「ぐっ。まぁ俺らよりは少し上のようだな。」
ヒート「だから言っただろ。」
フリズ「くそっ。じゃあいいさ。じゃあ勝負だ!どっちが有名な探険隊になるか!」
クエイ「おもしろそうだね。でも負けないよ。」
エジル「じゃあ僕達はビューティフルな探険隊として任務を達成するとしよう。さらばだゴミ袋達よ!」
そしてチームグランドは依頼に出発していった。
ソン「クソッ。あいつらマジむかつくぜ。特に最後のナルシスト。」
フリズ「いつまでそう言ってても変わらない。依頼に行くぞ。」
リズ「うん!あのナルシストは絶対見返してやる!」
そしてこのチームアイシオンも出発していった。