第二話 ビッパのギルド
ソン「本当か!!よっしゃーー。」
ソンは俺の目の前で満面の笑みを浮かべている。よほど嬉しかったんだろう。
リズ「本当にいいのね!ありがとう。」
同じくこちらもとても喜んでいる。
ソン「おっと自己紹介が遅れたな。俺はソン。種族はエモンガさ。よろしくっ!」
リズ「私はリズ。種族はシャワーズ。君はブイゼルだね。同じ水タイプ同士だし、リズお姉ちゃんって呼んでね。」
ブイゼル?あぁ、俺の種族か。でも何か俺って前からこんな姿じゃなかった気がする……ってそれよりリズお姉ちゃん?!絶対呼びたくねぇ。ここは冷たく言っておこう。
フリズ「誰がそう呼ぶか。」
そう言うとリズはとてもショックを受けたらしく、その場に座り込んだ。
ソン「あぁ、気にしないでくれ。いつもの事だ。」
いつもこんな感じなのか、疲れそうだな。
フリズ「なぁこれからどうするんだ?俺達。」
ソン「そうだな〜。やっぱチーム登録かな〜。」
チーム登録とはその名の通り、探険隊としてのチームを登録することだ。探険隊の人数は無制限だが、一緒に冒険できるのは5匹までだ。昔はチームの動きやすさや食料等の関係で4匹までだったが、今のポケモン探険隊協会は昔と違い、そんな事よりも戦いやすさの方を大事にしてるらしい。ポケモン探険隊協会は数多くある探険隊を管理している組織の事だ。
記憶を失ってもこういう「知識」というものは自分は覚えているらしい。不思議だな。それよりチーム登録ってどこでするんだろうか。とりあえずきいておこう。
フリズ「それはどこでするんだ?」
ソン「まぁ登録はいろんな所でできるんだが。俺とリズで話した中では「ビッパのギルド」で登録して、そこに所属しようと思う。」
フリズ「ビッパのギルド?」
ソン「あぁそうさ。ビッパのギルドとは…」
ソンがそう言いかけたその時、
リズ「ビッパのギルドっていうのはねー。70年前に設立した有名ギルドで、そこの元元元ギルドマスターのビッパは今はないけど80年前に超有名たった『プクリンのギルド』出身なんだよ。」
フリズ「へぇー。詳しいな。」
ソン「まっ俺の入れ知恵だがな。」
リズ「それ言っちゃだめだってぇ。ソンの馬鹿ぁ。」
そう言い、リズは再び落ち込んだように座り込んだ。
ソン「まぁいいか。そろそろ行こうか。ビッパのギルドへ。」
ソンは落ち込んでいるリズを無理矢理引っ張っていき、3匹は出発していった。
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ここはビッパのギルド前、空はフリズのような橙色に染まり、太陽も沈みかけている。昼とは違い、雲も少し出てきた。近くの木からはホーホーの鳴き声が聞こえてくる。
あれから3時間、俺達はビッパのギルドがある「トレジャーシティ」に辿り着いた。80年前は今のような『街』というよりは商店街のようだったと聞いている。
リズ「え〜と、ゆっくり休憩したいけどもう少しでギルドが閉まっちゃうから早く行こ。」
ソン「そうだな…………」
そして三匹はトレジャーシティを後にした。
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フリズ「ここがビッパのギルド……」
ビッパのギルド…平地にたてられており。トレジャータウンかわ約150m離れた場所に位置している。屋根はビッパの頭の形をしており、縦に長い4階立てだ。
リズ「よし、じゃあ入ってみよ〜。」
ソン「一般のギルドだと見張り番があるんだけどここには無いんだ。まぁ、それが俺とリズがここを選んだ1つの理由だけどな。」
フリズ「へぇ〜。」
見張り番とか絶対やだな。ずっと暇っていうのは地獄よりも嫌だ。地獄がどんなのかは知らないけど。
ソン「じゃあ。入るぞ。」
3匹はビッパのギルドに入っていった。
フリズ「ここがビッパのギルドの中かぁ。」
ソン「そこに建物内の地図があるな。」
ソンがどれどれ…とそれを見る。
ソン「今いる1階は食堂と集会所らしいな。2階がギルドに所属している人らの寝室。3階は掲示板とギルドマスターの部屋。4階は倉庫らしいぜ。」
フリズ「ん〜じゃあ3階にいけばいいのかな?」
リズ「そうかもね。いこいこ。」
リズがせっかちそうに言った。
ソンはやれやれ…という感じでついていった。
そしてここは3階、たくさんのポケモンの依頼とお尋ねものの掲示板がある。
フリズ「沢山あるなぁ。」
リズ「こんな所に所属するとなるとワクワクしてきた。」
ソン「そうだな………建物の地図によればあそこが俺達の目的の部屋だな。」
フリズ(ギルドマスターと後対面か…どんなやつなんだろうか。)
そして三匹はドアの前に立ち
「「「失礼します!」」」
元気よく言い、入っていった。