シニガミのたわむれ
シニガミは突然に
プロローグ


「こんばんはー。ご機嫌いかがでしょう?ご主人。」


暗い夜だった。

まるで月以外は全て闇の水に沈んでしまったように、一寸先も見えなかった。
進んでも進んでも、足はずぶずぶと沈むばかりで、自分に話しかける"そいつ"にたどり着けない。

「あ、言ってもわかりませんよねぇー。では説明いたしますが―」

"そいつ"はにんまり笑うと、ぽっかり浮かぶ月をバックに、その刃を高々とかかげた。
血をすったような赤いやいばは月明かりにぎらりと光る。


「ご主人は、あともう少しでしんでしまいまーす!」


楽しそうに、

それは楽しそうに、

けらけらそいつは笑った。


とっさに俺はそれを思い出した。

「そう・・・私は、」

とても恐ろしい存在。



「シニガミ、です!」

天ノ邪鬼 ( 2014/07/11(金) 10:19 )