第二話 初めての任務
部屋を出ると、隣に立っていたのはライチュウだった。
「驚かせて、すまない。オレはルミエールの父だ。そして、キミと同じ部隊だよ」
ペンダントの色は本来、ランクによって色が違うと教えられたが、自身のペンダントはルミエールのお父さんと同じ色をしている。そういえば、入った時に別のバッジも渡された事を、思い出した。このペンダントは通信機や記録媒体だけで、バッジはこの騎士団の場所に転送できる騎士バッジ。色は薄桃色をしている。もしかしたら、ランク付けはこのバッジなのかもしれないと、マリーは思った。
「オレはフィナル。フィナル・エルピス。ついさっき、息子からキミの事を聞いたよ」
「そうですか。ちょっと外の空気でも吸おうかと思って」
マリーはフィナルに言った。
「ルミエールにそう伝えといてください」
「分かった」
フィナルはそう言い、マリーと別れた。
「おい、ルミエール!」
「何?父さん」
がチャリとドアを開けたルミエールは顔を除かせた。
「マリーが外、行ったぞ。外の空気で一緒に吸いにいったらどうだ?」
「え?じゃ、俺も行く!」
「行ってらっしゃい」
ルミエールはドアをガッと開け、下の階へ走っていった。フィナルは息子が開けっ放しにしていったドアをパタンと閉め、四階へと登り、自身の部屋へと戻っていった。
外へと先に出ていたマリーをルミエールは見つけ、声をかけた。
「任務、貰ってきたよ。王国近辺の警備だってさ。外の空気も吸えちゃうし、これで良かったよね」
「ありがとう、ルミエール。早速行きましょ」
二人は歩き始め、王国内を見回りつつ、近辺の指定の場所まで向かう。
「ルミエール、キミも騎士団に入ったのか」
「はい…?」
ルミエールの名前は知っている。が、フライゴンは見たことがないため、ルミエールは首をかしげた。
「これは失礼。私はファルツェア。君達と同じ水晶の色をしているチームの者だ。だが、君達が入団する前に辞めたがね。初仕事、頑張ってくれ」
「は、はい!」
「頑張ります」
二人は返事をし、ファルツェアを見送る。フライゴンのファルツェアは、王国内へと入っていった。