第一話 王国騎士団、入団
「あら、フィナル副団長の息子さんじゃない。お話は聞いてるわ」
騎士達が居る、大きな入り口へとやって来た。リフェリア王国の城のすぐとなりに立っている。受付係はマリルリ。垂れ耳で、笑顔で話してくれた。
「はい、じゃあここに名前を書いてね」
二人は名前を署名し、案内役のツタージャがやって来た。
「ルミエール様、噂は聞いています。それと…マリー様。まず、受付からご説明します」
クールなツタージャはマリルリに先程書いた署名を渡され、名前を呼び、説明を始めた。
「マルカに頼めば、騎士任務を用意してくださいます。それと、これを」
そういいバッグから取り出したのは、小さな欠片だった。二人は手渡され、受けとる。
「あなた方が就任される騎士団の言わばチーム認証のような物です」
王国騎士団の入り口で一通り説明をして貰い、大きな廊下を歩き始めた。周りを見ると布があちこち天井から垂れ下がっていた。
「一階は任務受付、二階は食堂となっています。三階から五階は騎士の皆さんの寝室となっています。地下一階は騎士達が特訓する場所となっています。わたくし達が今いるのは、四階です」
「これ…ランク…ですか?」
マリーは気になった事を、口にした。
「良く、お気づきで。三階はノーマルランク、ブロンズランクの皆様です四階はシルバー、ゴールドランクの方々となっています」
「なんで俺達が、四階に…?」
「騎士団をまとめる方のご挨拶ですよ。あなた方はノーマルランクですから、三階に寝室がございます。後でお部屋に案内しますね」
そうツタージャが言うなり、歩き始めた。二人はツタージャについていく。
五階の階段へ登り、大きな門が目の前に現れた。
「失礼します!新しい団員、二人が入りましたので挨拶を!」
「どうぞ」
扉越しに聞こえる声。ツタージャは大きな門を奥へと押して中へ入る。二人も続く。部屋へ入るとそこにいたには丸くなっているポケモンだった。
「ヤッホー!ルミエール!元気にしてた?」
にっこりと笑顔で近づいて来たのは幻のポケモン、ミュウだった。
「デュ…デュランさま!?」
口をパクパクさせながらルミエールはミュウを見つめた。
「えへへっ!名前はキミのお父さんから聞いてたよね。驚いたでしょ」
デュランはくるくる回りニコニコしてルミエールと話している。マリーに目線を向け、デュランは言った。
「マリーちゃんからは不思議な力を感じるね!」
「え…」
デュランはうーん、と考えマリーに言った。
「皆を、守る力を持ってるね」
デュランはそうマリーにいい、挨拶は急に終わった。
「あーお腹すいた!んじゃ、ファル、ボクは食堂に行ってるね!」
ファルと呼ばれたツタージャは分かりましたといい、二人を三階へ連れていき寝室へ案内した。
ファルと別れ、隣の部屋にはルミエールがいることを、彼本人から伝えられ、自身の部屋でボーッとしていた。行く宛もなく、お腹も空いていない。
「気分転換に、外の空気でも吸おうかしら……」
ベッドで寝転がっていたマリーは起き上がり、部屋を出た。