第三話 盗賊
見回りをし続け、気づけば夕方になっていた。
「夕方だし、そろそろ本部へ帰ろうか」
外の周りは活気盛んな街もちらほらと見えた。ルミエールの言葉にマリーは頷き、二人は本部へと歩き始める。
「!…危ない!ルミエール!!」
何かに気がつき、マリーは叫んだ。ルミエールを守るため、避けきれないと思ったマリーは力を使う。
「ぐぅ…!」
呻き声と共に爪の刃と金属の音が鳴り響く。
「な…ま、マリー…?」
一瞬の出来事に目を瞑ったルミエール。目を開けると黒と紫色が混ざった翼が見える。バサバサと羽を動かし、古くなった羽が地面へと落ちていく。言葉を失った。
「盗賊…」
「へへっそうだ。オレ以外にも居るけどな」
ルミエールを守り、紫色をした剣、二刀流でザングースのブレイククローを受け止めた。ザングースそう言われ周りをちらりと見渡す。包囲された二人。マリーは攻撃されると厄介と思い、ザングースに斬りかかる。
「たぁっ!!」
「おっと、あぶねぇ」
ギリギリで避けられた。
「えっと…お、応援呼ばなきゃ」
慌て出したルミエール目掛けて、リーフィアは葉っぱカッターを放つ。
「っ…!」
間一髪で葉っぱを切り裂き、ルミエールを守る。
「くそっ…」
汗をたらりと流し、剣を構え直す。ふっと、突然辺り一瞬が暗くなった。上から降ってきたのは、白いウサギだった。よっとという声を漏らし、背を向けたままビアンカは言った。
「ここは、任せてくださいよ…後輩君、もう少し戦えますか?」
「え、えぇ…」
と答えたのはマリー。
逆に包囲をされた盗賊のザングース達は辺りを見回し始める。
「く…三人増えたところで、五体五だ!」
ザングースはマリーに突撃し始めた。
「我々の仕事を邪魔した報いだ!ドラゴンクロー!」
リザードンはアローラライチュウに向かって、突っ込む。
「はっ…自ら弱点の俺様に来るなんてな!!バカな男だ!雷!」
雷を発動させるため、雨を降らせたアローラのライチュウは雷をリザードンにぶちこむ。
「おっと、オレがいるの、忘れてないか?」
エンペルトの相手をしながら、フィナルは団長に光の壁を張っていた。
「甘い甘い!!こっちも雷だ!」
エンペルトは怒っている為か、隙が出来ている。フィナルはそう言いエンペルトに一撃をかます。エンペルトは痙攣し倒れこんだ。
「いっちょうあがり!」
「アイアンテール!」
「リーフブレード!」
ルミエールとリーフィアの攻撃が辺り、鈍い音が聞こえる。
「アンタ、なかなかやるわね」
「……」
リーフィアの発言には答えず、ルミエールは一気に詰めより、最後の一撃を打ち込んだ。
「こちらは終わった」
団長が言うと、ビアンカも頷いた。あとはマリーだけのようだ。ちょうど話し終えると、マリーが一撃をザングースに食らわせていた。
「はぁ…はぁ…」
浮いていたマリは息を切らしつつも、血を流し倒れているザングースを見つめていた。戦いが終わるとポッと紫色のも光がマリの周りに出て武器が消えていった。マリー以外はこの武器を持っているのをみて、何を思ったのか分からない。
「団長、盗賊、警察に付きだすか?」
フィナルが言うと、彼はペンダントにしていた水晶を握り通信をし始めた。
「少し、待っていてくれ」
4人は頷き、団長と呼ばれているリザードンを待った。警察が到着すると、盗賊を連れていった。5人は見届けると歩き始めた。
任務が終わり、5人は王国内へと戻った。マリーとルミエールは三人と別れ、食堂へと向かった。