the movie 〜 Kaito Fantomu sheep〜 後編
『シープ、助けに行かないのか?』
『…シープ!来てくれ!』
「まさか、アイツ私をはめるとはね…恐れ入るわ」
ため息混じりに白いつば帽子を被って、部屋の奥から出てきたシープは苦笑いをしながら、言った。
『どういうことだよ!?シープは連れていかれたんじゃ…』
ファイアローと、ジュナイパーは訳が分からない!と言った声をだしている。
「ゾロアーク、説明してあげて」
ふいんきで察したシープ…もとい、
琴音はゾロアークに言った。
『俺は他者に幻影を見せることが出来る。今の今まで俺がやつらに幻を見せていたって事だ。途中から琴音ははめられてるのを気付き、仕事を止めたが、そのままだとやつらにバレちまうから、途中から幻を見せてたと言うことだ。もちろん、研究者が持っていた写真は偽物だが』
『???詳しく説明を求む』
ジュナイパーはもう一度、詳しく説明を求めた。
『最初に依頼は断ったんだ。なんか危なそうだったからな。だが、奴らは何らかのルートで琴音の写真を入手していた』
『それで?』
と、ファイアローがゾロアークに言った。が、モココが答える。
『琴音は写真を受け取り、依頼を受けた。もちろん、そこからゾロアークの幻影なんだがな。上手くあいつら達がはまってくれて助かったよ。』
『つまり…、写真を受けとる前までは本物で、受け取った後が、偽物?』
ジュナイパーがそう解釈するとモココは頷いた。
『…幻影はまだ発動しているのだろ?』
ヤミラミがゾロアークに言う。
『もうしばらくすれば、幻影は消えるさ』
「フレア団と警察関係者は大慌てね」
ぼそっと呟いた琴音に、6匹は琴音を見つめた。
夜の星空が少し、眩しく見えた。窓を閉めて、ファイアローとモココいがいボールに入れ、空を別の入り口からファイアローの背中に乗り、何処かへと飛び去っていった。
警察署にて。
「怪盗シープはどうした!」
「そ、それが、取り調べをしている合間に突然姿が消えまして。どこを探しても見当たらないのです!」
「そんなことは知らん!まだ近くにいるかもしれないだろ!もっと良く探せっ!!」
「す、すいません!」
警察署ないでは、突如消えた怪盗シープの足取りを掴むため、ミアレシティ全体を捜索。だが、どこにも怪盗シープは見当たらず、捜査は難航した。
フレア団にて。
「怪盗シープはどこにいる!」
「そ、それが!どこを探してもいないんです!メガストーンも、一個も見当たりません!!」
「く…!良く探せ!メガストーンがなければ最終兵器が起動しない!」
研究者達とフラダリが話しをして、施設全体を探していた。
ポケモン研究所。
「なんだが、外が騒がしいね」
「ですね、博士。ちょっと外見てきます」
カルムが飲んでいるコーヒーを机に起き、エレベーターへと向かい、下の階へとおりていった。研究所の外へでると、情報提供をしていた。
「あの、君、怪盗シープを知らないかい?」
「かいとう?」
「ああ。神出鬼没の怪盗さ。ここのメガストーンを盗む怪盗シープだ。もしなにか分かったらここに連絡してくれ」
「え!?…あ…はい。わかりました」
警察の電話番号を貰い、研究所に戻ってきたカルムは博士に聞かれた。
「なんだったんだい?」
「ここの研究所のメガストーンを盗む、神出鬼没の怪盗シープの話でした」
「え?なんだいそれ?…メガストーンは一番奥にあるはずだし、そもそも盗まれてないけど」
プラターヌ博士は何がなんだか分からない様子だった。カルムも困ったような顔をしている。
どこかで、彼女は呟いた。
「本当の怪盗は、どこにも存在しないのよ」