闇夜に灯る光
しばらくごろごろしていると、レッドさんからパソコンの通信がやって来た。暗い部屋からブルーライトの光で部屋が青白く照らされる。
「レッドさん…?」
ベッドから起き上がりパソコンが置かれている椅子へと向かう。パソコンの隣に置いてある、LEDライトをパチッと電源を入れ、明かりがつく。キーボードを打ち込み、デスクトップに表示されているメールのアイコンをクリックした。
パッと文字が出てきて書かれていた言葉は、ナナシマ行きへのチケットを手に入れたという言葉だけだった。時間と場所は明日の朝7時だった。パソコンの電源を落として、リーフはベッドへと向かい眠りについた。次の日、メールに書かれていたクチバシティへと向かった。先に到着していたファイアとグリーンとも合流。待っていたレッドから、ナナシマ行きのレインボーチケットを貰い、三人はレッドと別れた。
船に乗り、海を眺めているとリーフは、麦わら帽子の少女とハンチングを被っている黒髪ショートヘアーの少女を見つけた。
「こんにちは、お二人もナナシマへ?」
リーフは後ろから声をかけ、尋ねた。すると麦わら帽子の少女が頷いて彼女の家に…と手のひらを彼女に向けた。楽しんでくださいと、リーフは言って、その場から居なくなった。二人は、彼女が居なくなって姿が見えないことを確認するとハンチングを被った少女が口を開いた。
「まだ…見つからない…」
「……だって、思われてる?」
「……いや」
ハンチングを深く被り、少女はそう言った。
『三人の島、三の島へ到着いたしまた。降りる際は足元にお気をつけてお進みください』
スピーカーから声が聞こえ二人は3の島へとついた。
「森へ行くわよ。会いに行って、確かめなくては…」
「ええ」
二人は港から森へ続く道へと、進んで歩いていった。一方その頃、リーフは父親の手がかりを探すため、一の島にいた。一の島で、ジョウトのことを調べていた。どれも古い。小さくため息をついた。父の事を知る為に。グリーンとファイアは、リーフが客船で出会った二人の女性の話を後ろでしていた。本を片付け、リーフは帰るよといった。ファイアはあの二人の事、調べなくていいのか?と聞いたが、いずれ会いそうな気がするとだけ言った。
一定の情報を調べ、客船へ戻って行きクチバシティへ戻ってきた。さて、これからどうするかなと考える。しばらく考え、そのままジョウト行きの客船へと二人と一緒に乗り込んだ。
「アラン…なぜ、貴様がここにいる」
赤髪の少年がそう言った。
「なぜって…このジョウト地方に用があるからよ」
アランと呼ばれた少女は困った顔をして、少年に言う。わさわさとウバメの森が声をあげているかのような気がした。風が収まると、アランは少年に言った。
「シルバー、サカキを知らない?」
「知るわけないだろ」
あぁ…そう。とアランは呟いた。嘘、ではないと思いアランはシルバーにお礼をいい、その場を去った。シルバーは背中を向け歩いていくアランを見つめて眼を細めた。
(あいつ、何をしているんだ…?少し、探ってみるか…)
居場所を掴んだ、リーフは一人で父親に会いに行き話をした。
「どうして、あの時逃げたの?」
「…ずっとお前に嫌われると思って、自分のものになって欲しくて、溺愛していた」
次第にエスカレートして誘拐した。岩に座ってもたれこんで心体ともに衰弱しているようだった。
「……」
今の父の姿を見て、罪悪感に溺れている事は分かった。私には一緒に居てくれた、幼馴染がいたから壊れてしまう事はなかった。
でも父は今、一人なんだ。
そっと近づき、手を差し伸べた瞬間、父はこう言った。
「なぁーんて、言うかと思ったか?リーフ」
「えっ……?」
ピタリと差し伸べた手は動きが止まった。
ウィディード 総集編3へ続く…