理想の世界をこの手で 後編
「こんな…理想の世界壊させないよ」
クレセリアとリヒトとルリが、ダークライの手下を倒したが、一歩、ルリがダークライの元へ歩き始めた。
「ルリ…今何て、言ったの?」
嘘、と言うような顔をしている。
「さぁ、この世界を暗黒に変えよう」
ダークライが笑い、そう言った。
ルリは何も言わない。
「ずっと、騙してたの?ねぇ!ギルドの仲間も!ボクも!」
「………」
ルリは何も答えず、表情も一切変わらない。
「リヒトさん、構えましょう」
クレセリアが唇を噛んだ後、リヒトに言った。
「うっ…うあああああああ!!!!」
リヒトは叫びながら、ルリに走っていく。
ふざけるな。絶対に許さないという思いながら走る。力が解放される。吐き気がした。けど、そんなことはどうでもいい。
「スピードスター」
小さな声で、彼女の回りに無数の星が現れ、リヒトに向かっていく。
「うわあ!」
無数の星がリヒトに辺り、吹き飛ぶ。
「リヒトさん!」
クレセリアがダークライと戦いながらも、彼の名前を呼ぶ。
「うっ…く。ルリ、思い出してよ!!操られてるだけなんでしょ!?」
傷ついた体を動かし、立ち上がる。
「これは、私が。私自身が選んだこと」
スッとリヒトの顔を見えないように手を前に差し出しこうルリは言った。
「ゆっくり、おやすみなさい…リヒト」
大丈夫。
痛みはない。
一緒に居てあげるから。
寂しくないよ。
力を溜め込んでいた悪の波動を、リヒト目掛けて打ち込んだ。
世界は暗黒へと変わった。ダークライと、ルリによって。
暗黒の世界へと変わり、風が吹き荒れる。
パラパラと捲れる一冊の本と、一輪の赤い花。
リヒトの魂をそっと抱き締めて、ルリは瞳をゆっくりと閉じた。
「キミが必要とするその時まで、眠るといい」
ダークライがそういい、ルリを見つめていた。