エピローグ
崩壊したシルフカンパニーから1ヶ月後、国へ戻っていたフィーリアと彼は崩壊した城にいた。
「これで、資料全部だな…」
「なんとか全部見つけれたみたいね。ありがとう、助かったわ」
にこっとフィーリアは笑い、彼にお礼を言う。
「…この資料で国がこんな崩壊しちまうとはな」
机に並べられた伝説、幻のポケモンの資料を見つめながら、彼は呟いた。
「この資料、いつ作られたのか分からないのよね。お父様とお母様が作ったのか…。何のために、作ったのか。国柄みで何を隠していたのか。今はもう、知るよしもないのだけれど…」
悲しそうな表情を浮かべ、フィーリアは答えた。
「だが、なぜ…国柄みなら厳重になっていたはずだが。内通者でもいたのか?」
疑問に思ったことを口にだした。
「そうと捉えていいんじゃないかしら?その内通者も、ロケット団自身が壊した瓦礫の中でしょうけど…。所でどうして私に付いてきたの?殺されるから付いてきた…の方かにもあるような気がするけど」
ふっと、彼は笑い、その質問に答えた。
「罪滅ぼし…と言うのもあるが。オレの両親はオレが産んですぐなくなったから顔は知らない。が、親戚のばあさんに預けられてしばらくしてからだな…ロケット団にオレのパートナー…デリバードが奪われちまって。他の手持ちも強奪されるんじゃないか…そんな恐怖と共にデリバードを返してほしくてな。頼み込んだんだ。そしたらいつの間にか、ロケット団に入ってたんだ」
「…自身のポケモンも自分の身も安全じゃなかったというのに、忠誠を誓ったのね…」
もう関係のないことだ、と彼は言った。しばらく沈黙が続いた。彼が資料を片付け終わり、フィーリアに言った。
「もう幹部は居ない。どうするんだ」
「…完全に復活させない。残りのヤツらも知ってるかもしれないからね」
「一部の連中は、捕まったみたいだがな」
その事をきき、フィーリアはそう、と答えた。
「ホントに、残りのヤツらも殺す必要があるのか?少し、考えたらどうなんだ」
「…そう、かもね」
しばらく、考えることにした。
復讐は終わったんだもの。
それから二ヶ月後。
「残りのヤツらも捕まったみたいだな。良かったな」
にこっと彼は笑い、安堵の表情を浮かべていた。
「そうね。ねぇ…ちょっといい?」
あらためて、話したいことがある。
そう思い、椅子に座って彼を見つめて口を開いて言った。
「私と一緒にリーグ挑戦しない?」