第4話
「う…ん…」
ゆっくりと目を開けると、そこは白い天井だった。横へ顔後と向けると彼が座って私を見つめていた。
「一日中寝てたな。おはよう。今は深夜一時だ。」
「……あの紫のポケモンみたいなのって、なんなの?」
起き上がらず、彼に聞いた。彼は足を組んだまま話した。
「あれは、ウルトラビーストと呼ばれている。実際に姿を見るのはデーターベースで見た以来だがな」
彼は続ける。
「あとはサカキを見つけるためらしい」
「サカキは今居ないの?」
「ああ。5年前に行方知らずらしい。理由は5年前にアローラから来た少女に倒されたから…かどうかは分からんが、今ロケット団を束ねているのは、昨日会ったアテナとランス。あとはラムダとアポロというやつだ」
「そこまで、調べたの?」
しばし黙りこんでいたが、口を彼は開く。
「…調べた…か。あながち間違ってはいないな」
フッと彼は笑った。笑みはすぐに消え、彼は言った。
「あの時、ワタルさんが居なければ、お前は死んでいた。なぜ、敵を煽る行為をした?」
「…………」
彼女は答えない。
「もう、あんな無茶はするな」
「うん……」
私に対して怒っているのは、分かる。
間に合わなければ、復讐さえ果たせない。
なぜ、ヤツらがあのまますぐに殺さなかったのか、私には分からない。
なにか、隠していると思っていたのだろうか。
チャンスが回って来たと、思えばいいのだろうか。
「ごめんなさい……ありがとう」
彼女は涙声になりながらも笑い、お礼を言った。
「絶対に無茶は…もう、よしてくれ…」
彼は暗い顔になった。そして立ち上がった。こちらに近づき、フィーリアの顔を見つめる。
「日付がかわってからもう一度アジトに行ってみたんだが、何も情報は得られなかった。ワタルさんは介抱だけして、無茶はするな、とだけ言って帰っていったよ」
「そう…」
そんな話をしていると、彼はにこやかにロケット団の本拠地を教えてくれた。
「二日間休んだら、ヤツらの本拠地へ向かおうと思う。ただし、体調を万全にしないと、向かっちゃだめだ。それを約束してくれたら、場所を教えるが、約束できるか?」
「…二日で良いのかしら?」
しばらく彼は考えたが、頷いた。それでいいと。
「シルフカンパニー」
やつらは、そこにいると彼は言った。
二日間、休憩を挟みながらもポケモンと己の特訓を彼と行った。
そして、二日後、ヤマブキシティにあるシルフカンパニー。
フィーリアと彼はシルフカンパニーへと向かった。