第2話
「ちっ…何処にもいない…あれから20分ほど探してるけど、見当たらない…。何処かへと逃げたのか?」
トキワシティへと付き、ロズレイドをボールに戻して探している。
「…?」
あくびをしているしたっぱらしき人物を見つけた。
「あ、あの…募集を見かけたのですが…」
「ん…?新しい団員か?」
眠気の余り、目を擦りながら話しを聞いてきた。
「ちょっと、来ていただけます?」
先ほどの弱々しい口調とは裏腹に、楽しそうな口調でしたっぱに言った。森へと連れて、人気のない奥の森へと連れ込んだ。
「おいおい、どこまで行くんだ?」
眠気が少し覚めたのか、したっぱはフィーリアに少し怒りのこもった口ぶりで言葉を発した。
「がっ…!!ぐ、ぐるじい…ぬ…し…ぬ…!!」
ロズレイドのツルがしたっぱの首絞める。
ロズレイドは、したっぱの後ろにいつの間にかたっていた。いつ、ポケモンを出したのかさえもわからない。いや、ずっと前から出していたのかそれさえも、分からない。
首を絞められ、浮いているしたっぱに近づき、フィーリアはしたっぱを睨み付け言う。
「アジトはどこ!?」
「あっ…が…」
「ロズレイド」
ロズレイドはツルをほどき、ロケット団はどさりと地面へと倒れる。なんども、咳き込んでいる。したっぱの首元の服を掴み、木に背中を押し当て、叫んだ。
「お前らは絶対に…許さないっ!!死にたくなければ、早く、アジトの居場所を教えろっ!!!!」
「あ…アジトは…」
言わなければ殺される。こいつの目はマジだ。身震いしたしたっぱは、答えた。
「アジトは、タマムシシティに…ある。本当だ!!…オレはヤツらに見捨てられたんだよ!」
「はぐれたのか…?ちょうどいいじゃない。案内しなさい」
「案内…してもオレは警察行きか、殺されるかのどちらかだがな…」
フィーリアはしたっぱから少し放れ、話をする。
「ロケット団は何してたの」
「くわしくは、分からんが…どこかの国を…破壊したとしか」
「…間違いなさそうね」
したっぱの話を聞いたフィーリアは、自身の国を襲った事は間違いないとしたっぱの発言を、聞いて確信をした。
「間違いない…?お前は、その破壊された国の人なのか?」
したっぱは尋ねる。隠しても国は破壊されているし、人がいるような森ではない。
「……カルミア王国の姫。家族も、国も失ったわよ。いいきみだ。と、思ってるんでしょうけど貴方達からしたら、復讐しようとしてるんだから。内心怯えてるでしょうね。国は壊れたし、復讐するヤツなど居ないと思ってるでしょうけど」
「…オレには関係のないことだ。ロケット団を離れたんだからな。オレはその国には向かってはいないし、オレからすればロケット団は異常さ…」
フィーリアはロズレイドをボールに戻し、リザードンの入ったボールをポケットから取り出した。
「…そう。今の貴方は私の人質なんだから、変なことすれば、命はないと思いなさい」
「…分かってる。首を絞められれば嫌でも死にたくはない。おっと、名前を聞くのを忘れてたな」
リザードンの背中に乗り、フィーリアは背中を見せたまま名乗った。
「フィーリアよ。それと、その服だと私が見たくないから、着替えなさい」
バッグから取り出した、ワイシャツを投げられ、受け取ったしたっぱは、上だけを脱ぎ、ワイシャツへと着替える。
「…これでいいか?」
ちらりとフィーリアは服を見る。ズボンは黒でアールのような文字は入っていない。帽子も脱ぎなさいといい、帽子と服を脱ぎ捨てたまま、したっぱは案内をするために、デリバードをボールから出して、先に飛んでいった。フィーリアは後に続く。トキワシティ西の森から上空へと飛ぶ。道中空を飛びながら、したっぱはフィーリアに言った。
「タマムシシティのゲームセンターの地下にアジトはある!だが、昼と夜は人が沢山入る!深夜に侵入した方がいい!」
「了解!その合間は、ポケモンセンターの個別の部屋で休みましょ」
したっぱの話を聞き、タマムシシティへと向かった。ポケモンセンターでチェックインをし、トレーナーが休む部屋へとジョーイさんに二人は案内をされた。深夜まで疲れを取るために二人はシングルベットにて、眠りに落ちていった。