プロローグ
わさわさと風が大きな木を揺らしていた。ここはカントー地方。
ここ、カントー地方の南西に位置しているマサラタウン。
そのマサラタウンから…遠い南東に位置している大きな国から物語は始まる。
国の入り口には大きな広場に広場の中心には大きな噴水があり、船旅から出て来たトレーナーや貴族を門と共に出迎える。その噴水から見える大きな城には、女王と王子、その姫君が居る。国をよくしたり、時にはポケモンのバトル大会を国民から提案されたり、賑わっていた。
「わぁあ…!お父様、このポケモンは?」
嬉しいと言わんばかりの声を上げて、父親からゴージャスボールを貰った。
「その中に居るのは、とても珍しいと言われる伝説の鳥ポケモン。フリーザーだ。今日はフィーリアの誕生日だからな」
といい、にっこりと笑ってくれた。今いるのは私の部屋。リースが付いているベッドに座っている私に、そっと渡してくれた。そんな幸せな思いも、出会いも、全て今日、無くなるなど、その時は私は思っても居ない。
「今日の夜は、パーティだぞ!楽しみにしてて待っていてくれ」
「分かった!ありがとうお父様」
笑顔いっぱいに父親にお礼をした。父親が部屋から出ると、ベッドから降りて窓近くに置かれている回復装置に手持ちのポケモン五匹に、新しい仲間を連れて行った。
「皆、新しい新入りさんだよ。挨拶してね」
フリーザーを一度空いている回復装置において、五匹のモンスターボールを出した。部屋は20畳ぐらい。手持ちのポケモンを出しても問題はない。ポケモン五匹を出した後、フリーザーの入ったボールを手に取り、出した。先に出ている5匹に挨拶をする。
「この四匹は私が小さい頃から一緒で、ウリエル…トゲキッスは友人からもらったの」
フリーザーの横顔を見て少女は言った。フリーザーは伝説のポケモンだが、このフリーザーは色違いだ。リザードンも、ロズレイドも。狙われてしまうかもしれない。そんな不安が、一瞬過った。
「………」
リザードンが心配をして突然抱き着いて来た。
「あっ…」
俺達は絶対に姫を守る。負けない。そんなように言っている気がした。
「……ごめんね、心配しちゃったよね」
リザードンは小さく頷き、すっとリザードンは離れた。
「皆はボールに戻って、休んでて。夜のパーティに美味しいもの、食べましょ」
ニコッと笑顔になり、リザードン以外をボールに戻し、ドアの入口へと歩く。
さあ、外に出よう。そう思って、ドアノブをひねった時、爆音が聞こえた。
「なっ…何!?」
パステルカラーのピンク色のドレスは先ほどの爆音と揺れでスカートは揺らめく。プラチナブロンドのロングヘア―の髪、赤色の瞳の視線は、自身のポケモン達へ向けられる。リザードンをボールに戻しすぐさま、手持ちの五匹をスカートにあるポケットに入れて、ドアノブを勢い奥ひねり、開ける。廊下を走る母。自分も走る。
「良かった…無事なのね」
安堵の表情で、フィーリアを見つめる。父もすぐさまやって来た。
「よく聞きなさい、フィーリア」
フィーリアの手を掴み、父は抱いた。その一瞬で左ポケットに入っているリザードンのボールをスッと、築かれないように抜いた。
「…外は燃えている。気を付けて、逃げなさい」
そう耳打ちされた。何が何だか、分からない。
「…っ!後ろっ!!」
フィーリアが抱かれた状態で気づき、父は私を守るために、押し出した。
「きゃっ…」
「あああああっ!」
父と娘をかばい、倒れる母。倒れる母の目の前に見えるのは、見た事もない生き物。
「お母様!!」
立ち上がり、駆け寄ろうとしたが、父が持っていたモンスターボールの開閉スイッチを押され、私のリザードンが飛んできた。
「いや…いやぁ…!!」
離れていく。
二人が。
大切な人が。
苦痛の叫びが廊下に響き渡る。
二人は、父は母をかばうように倒れ込んで、見知らぬポケモンが、近づいて来た。
何度叫んでも、リザードンは羽ばたくのを止めない。
危険だと、判断し守ると決めたから。
ドアを破壊し、パリンと割れるガラスはリザードン達を外へと出す。
光の様に追いかけて来たポケモンらしきモノは、追いかけてこなかった。
放心状態のフィーリアは、リザードンに背中に乗れと言われ、言われるがまま背中に乗った。
見える。
オレンジ色の空が。
燃えている。
国が。
私は国を捨てた。
大きく燃える炎は、人々を飲み込み、国を襲った。
痛い。
苦しい。
助けてくれ。
泣き叫ぶ子供の声。
そんな声達が四方八方自身の耳に入ってくる。
ハッと我に変えったフィーリアは、憎悪を出して言い放った。
「絶対に許さない…」
黒服の人物数人と幹部らしき人物が港の方へと走り去っていく姿を見つけた。
「アイツら…」
奴らは水ポケモンを使って南西へと向かっていた。
自分たちも、奴らにバレないように、カントー地方の、始まりの地へ向かった。