プロローグ
あの日…あの日の出来事がいつも、同じように繰り返される。
いつ、何処で眠っても。
「あのポケモンを…あの影のポケモンを捕まえただと!?」
彼は驚いた表情を見せ、彼女に言い放った。
そう、ギラティナを捕まえた。
それから暫くしてからのこと。
悪夢を見て魘される少年の家を訪れた。
最近、頻繁に大人や子供が目を覚まさなくなり、魘される…と、
巷で薄気味悪い噂がミオシティなどで耳にはしていた。ミオシティで読みたい本が有ったため、ミオシティの図書館へと向かった。
ヒカリは二階の本棚にある知識、感情、意志の本が置かれている隣に置かれている悪夢、という本を取りだし椅子に座って読み進めた。
「…悪気はない」
つり目を細めてそう小さく呟いた。カタカタと腰に付けているモンスターボールが揺れているのに気づき、そっと取り出す。
「ゴメンね、ゴウカザル。心配しちゃったよね。大丈夫だよ」
そう自身のポケモンに言っても、そのポケモンが気になって仕方がない。そう思った矢先に、自身が座っている机には小さな封筒がおかれていた。
研究家の令嬢 ヒカリ様
そう封筒には書かれていた。
ゴウカザルが入ったボールを再び腰に付け、封筒をさっと手に取り裏を見るが、差出人は書かれていない。気味が悪いと思ったが、中身を確認した。中身には短い言葉と鍵か入っていた。
『その鍵を使えば、読めない看板の家へ行ける』
その言葉を信じ、ヒカリは鍵を右手でそっと握り隣の椅子に置いているバッグに封筒の紙を入れた。立ち上がり、本を元の場所に置いて、ミオ図書館を後にした。
橋を渡り、看板が読めない家に行く。
コツコツと靴音を鳴らしてたどり着いた家。
手に持っていた鍵を鍵穴にスっと入れて右へと捻る。
ガチャリ
音が鳴った。
「開いた…!」
驚いた表情をしたヒカリは鍵を抜いて、ドアを捻る。
ギィィという音を鳴らしてドアは手前へと引き、家へと足を踏み入れた。