15ページ目〜ミカの思い〜
王の部屋はフュールとあまり変わらない部屋だった。王の椅子の前に立ちはだかった、ミカ。
もう、アマリリスは前とは違う。
だから、今度こそ。
「ミカッ!!私は、貴女を止める!」
「ふーん…じゃあ、止めて見てよ」
私の声は、震えていた。
どうして、なんで。
そんなのは、私も分からなかった。
答えを見つけようとしても、混じった色は分からない。
色が黒だから、答えが見つけられない。
手を伸ばしても、消えていく答え。
答えなんて
選択肢なんてあの時には消えていた。
そう、ミーの時には。
私が痛いと言っても言わなくても彼らは私を止める。
国を守ることを、姫を守ることを選んだ彼らは私の過去なんて、知りもしない。知るすべもない。
レンやローザを除いて。
私の過去は、私とヴィス様しか知らない。
誰にも、知られたくない。
思い出せば、辛いだけ。
その辛さを、想いを、怒りを
国を守る者にぶつけた。
「ハイパーボイス!!」
私は、望んでも居ない
涙が
ボロボロと床へと落としていた。
なぜだろうか。そんなものは、私にもわからない。
いろんな感情が入り混じって、どれが今の思う自分なのかさえも。
分からない。
気づいたら私は、床へと倒れていた。
ああ、負けたんだ。
国を守る者達に。
騎士団も、強くなった。
そう思うのは心が穢れきっていないから。
称賛しているんだ。
私が。
誰に。
アマリリスたちに。
ああ、この国を変えておくれ、騎士団たちよ。