14ページ目〜再開〜
「っ…しょっと」
隠し通路の床を押しのけ、出て来たルリは久々に自分の城を見つめた。
「どこも…変わってない…」
後ろからはアマリリス、リュウ、アルテ、アリスが出て来た。左側、王に続く部屋から声が聞こえた。
「ルリっ!」
「っ…!お父さんお母さん!!」
ルリはサーナイトとエルレイドを見つけ、抱き合う。
「良かった……お父さん、お母さん…心配かけて、ごめんなさい…でもお姉ちゃんが…っ」
互いに抱き合い、再開を喜び合う。
「分かってる…分かってるから」
「あらら〜感動の再開の所、悪いけど、君たち倒しちゃうからさぁ…」
この声。
まさか。
見覚えのある葵リボン。
「ミカッ!!」
と、アマリリスが叫んだ。ミカの隣に居るのはカラールだ。
「お姉ちゃんっ!!」
「ミカ殿…」
エルレイドが小さく彼女の名前を呼んだ。ミカには聞こえないように。
「アマリリス、前とは違う目をしたね。覚悟を決めた感じがして、戦いがいがあるよ。そうでなくっちゃ」
「…やっぱり、あの時は楽しかったよ。貴女とは決別したけど、あの時の記憶は忘れはしない。たとえ、貴女の演技だったとしてもっ!!」
アマリリスは怒っていない。むしろ優しい声で、ミカへと言った。
「………」
ぎりっという歯の音を鳴らした。
誰が。ミカが。うざいという顔をアマリリスに向けて。
ふざけないでよ。私の事、分からないくせに。
そう小さくミカがつぶやいたのは、彼女しか、分からない。
王の部屋へとミカは行き、俺達はそのあとを追う。ちらりと俺はルリを見つめるが、私達だけで大丈夫、というかのように、ルリは頷いた。俺も頷く。
頑張れ、というように。
「今、元に戻して上げるからね、お姉ちゃん!」
そんな声が、後ろから聞こえた。
今、目の前に居る、ミカを止める。
アマリリスと共にー