13ページ目〜王都アーバ〜
船へとのり、揺られるごと二時間ようやく砂漠にある町、ルラートへやって来た。
空はもう暗く、夜になっていた。
砂漠は寒い。が、アーバに忍び込むのは絶好のチャンス。
準備は、船の中でいろいろしたため、関係ない。すぐさまアーバがある西へ行き砂漠を抜ける。砂漠を抜けるとそこは荒野で遠くに見える、王都のアーバが見えた。
スッと何かが通り抜ける。
「レンとローザ!」
アリスが前に立ちはだかった二匹の名前を呼んだ。レンはガブリアス。ローザはジュペッタ。また、こいつらか。
俺達は戦闘態勢に入った。
この二匹も、アーバには入れぬよう戦闘態勢に入る。
「ここは俺だけでいい。ローザは準備をしろ」
「りょーかいしやすた」
レンに言われ、ローザは戦闘態勢から緊張感のない言葉をレンに言った。
レンとは戦ったことがない。皆と力を合わせ、レンの攻撃をよけたり、利用したりした。
「準備できた。レン、行くぞ」
どすの聞いた声をローザは出し、時間稼ぎをしていたようだ。
「了解」
レンはその一言だけを発し、後ろへ引いた。
「貴様らは王都さえ、入れない。せいぜいそこで戦争が始まるのを指をくわえて見て居ろ」
ローザが言うと、彼の力で二人は居なくなった。
「どうする…?」
「奴らの言葉をうのみにするか、リュウ」
リュウが困った顔と共に、皆を見つめて言うと、アルテがそうリュウに言った。
「うのみにすると、だけどね。でも、ローザは実際に何かをしていたし…罠に喰らって全員負けるとそれこそ、戦争が始まっちゃう」
アマリリスがリュウの言葉に付けたしをした。
「……来て、王都から少し遠くなるけど、あの砂漠からアーバの城の中へ入れる、地下があるの」
ルリが手を王国から来た道へと差し出してこたる。ルリの後を付いて4人は、先ほど来た砂漠の町へと戻って来た。王都の道から近いルリの知り合いの小さな家へ上がらせてもらった。
「やぁ、ルリ。お困りかい」
「困ってなければ、こんな大勢でこないでしょーが」
「はは、そうだね。ボクはラルトゥール。城へと行くのはこのタンスを押せばっと…」
苦笑いをするマネネは俺達に名前を言い、城へと続く道、隠し通路を通してくれた。
「ありがとう、ラルトゥール」
「お安い御用で」
俺はお礼をいい、通路を通っていく。
「薄暗いわね」
アマリリスが言うと、ルリが答える。
「そりゃあ、地下に続くもの。リュウの尻尾を頼りにしましょ。それだから、リュウは先頭を歩いてちょうだい」
ルリに言われ、う、うんと答える。しばらく歩くと薄暗いが、上から光が漏れていた。
「ついた」
ルリが答えると一目散にリュウを押しのけ、上へと上がって行く。
「ちょっと、ルリ!」
アマリリスも続く。兄妹はリュウの顔を見つめるだけ。
「行こうか、二人とも」
リュウは優しく二人にそう言った。二匹は頷き、彼女たちに続いた。