10ページ目〜過去との思い出〜
「うっ…ここは…」
目が覚めると、そこは荒野だった。
「そこにいると、危ないよミミロップさん」
横で座っていたのは、青色のニンフィアだった。色違い。珍しい色だ。
「貴方は…?」
「私?私はミカ。貴女は?」
「私は…アマリリス」
一瞬だけ、名前を考えた。けど、すぐに出てて来た。ふーんと言われ、ミカは立ち上がった。
「行く当てないだろうし、私が住んでる村へ案内するよ。ついてきて」
そう言われ、ゆっくりとアマリリスは立ち上がり、ミカに付いて行った。
しばらく歩くと、小さな村へと案内された。
「まっすぐある家はこの村の村長さん。でも、最近病気で村の人達も忙しいみたい。私の家はこっちよ。ついてきて」
村の人達は、大慌てで、村長の家へ駆けよっていく人ばかりだった。それだけ重度な病気なのかもしれないと、アマリリスは悲しい顔をした。ミカの顔をハッとしてみると、行くわよ、と先ほども言っていた。二度も口にはしないと顎でクイっとされた。そのまま村から手前の左家へと案内された。中はいたって普通のシンプルな家だった。自分でやる暖炉が置かれており、左にはキッチンとダイニング。と、多分ミカの部屋であろうドアが一つだけ。もう一つはきっとご両親の部屋だろう。なぜかそう思った。
「ま、てきとーに座って。ごはん作るから」
ミカはそういうなり、玄関から左へ向かいキッチンで食事を作り始めた。しばらくすると、食事を出された。ご飯を食べ、食べている間にも、いろいろとこの村の事や王都の話をしてくれた。食事が終わり出掛けると言われ、しばらくここで住んでいても構わないと、お金を渡された。
初めて、ミカと会って接してくれた。
アマリリスは城を出て、広い王都のなかを歩き始めた。どこも建物が大きい。目にはいった酒場の看板。そこへ行くことにした。
「いらっしゃい」
店のポケモン、クチートがそうアマリリスに行った。首にオレンジのペンダントを付けているのが分かったのか、お辞儀をした。
「あ!アマリリス!こっちこっち!」
器用に自分のリボンを使い、呼んでいる。ニンフィアだ。小さな村で出会い、色々教えてくれたポケモン。
「ミカ!来てたんだ!!」
ミカと呼ばれたニンフィアの側へとアマリリスは向かい、顔合わせで、出された飲みのを飲む。ペンダントに気づいたミカは呟いた。
「へぇ〜アンタ、騎士になったんだ。いいじゃん。頑張りなよ!」
「ええ、ついさっきなったばかりだけどね」
たわいない話をした。リュウのことも少し、話した。
騎士になった。
頑張れよ。
あの言葉は自分との決別を意味していたのではないのだろうか。
そんな気がした。
キュウコンが言っていた言葉も、きっとこのことかもしれない。
ああ、自分も覚悟を決めないとなぁ。