克服と決断と
9ページ目〜揺れる、心〜
フレッドを後にし、ただただ雪が積もる野原を歩き続け、景色が緑へと変わって入った。

「あのフレッドの近くに、雪を降らしているフリーザーが居るそうよ。あった事、無いけどね」

ぽつりとフェルは呟いた。
アマリリスの様子がおかしいのはずっとフレッドでニンフィアの事を聞いてからだった。尋ねようとしても、唾が喉につっかえて言葉にすることが出来ない。
俺が俺を拒んだ。
聴いちゃ行けないと。
皆、アマリリスに聞こうとしないという、プレッシャーもあるかもしれない。
何も話すことなく、俺たちは教えてもらった洞窟へと足を踏み入れた。

「涼しいわね…この洞窟」

ルリが言う。

「ここの洞窟、前に来た時には無かったけど…前の…」

「………」

セクトが最後まで言おうとしたが、フェルが無言で遮った。

「前って…?」

俺が気になった。けど、ライもそのことは知らない顔をしていた。

「知らなくて、良いわ…。奥へ進みましょ」

はぐらかされた。話したくないようで、何かを隠しているのはあの時と同じだった。大事な事は一切話さない。フェルの顔が少し、しかめている気がした。俺たちも、奥へ歩いて行ったフェルを追いかけた。しばらく洞窟の最下層部近くまで歩いていると突然レヴェンテが叫び始めた。

「冷たいぞッ!」

そう発したのはレヴェンテだった。

「何、上から落ちてくる水に怒ってるのよ…」

呆れた声でフェルはレヴェンテに言った。

「それはそうだが…お前、リュウとアマリリスが来てから変だぞ」

ずっと思っていた。俺たちと出会ってから、変だと。多分、10年ぐらい長い付き合い何だろうか。彼にそう言われた。

「……別に」

ずっと、モヤモヤばかりが彼女を襲っているのだろうか。
思い切って聞いて見ようとしても、また俺が拒んだ。
けど、勇気を踏み出して聞いて見た。

「フェル先輩…どうして拒んでるんですか?話してくださいよ。入口でも、セクトの話止めてましたし…その前だって」

「…………」

「言えないんですか…?」

セクトが口を開こうとした時、地響きが起きた。

「なっ…何!?この地響き…!」

「この穴からだな…!行くぞ」

俺の目の前に見える地震か何かで大きく開いた穴の中に入っていく俺たち。

「待ってたよ、アマリリスちゃん〜」

そこに立っていたのは二ヤリと笑っている、ミカだった。

「うそ…ミ…カ…」

ふっと意識を失うアマリリス。過っていた展開。

「アマリリス!?大丈夫!」

すぐさま隣に寄り添う、セクト。ショックで意識を失っている。

「…貴女、アマリリスと知り合いだったのね」

フェルが怒っている。

「そうだけど〜?君らには関係ないんじゃなーい?」

へらへらと笑っている。俺の後ろではセクトが水晶の力を使ってアマリリスを治療していた。

「この子…アーバの…」

ぽつりと気づいたように、ルリがつぶやく。

「ん…?キミ、どっかで見たかな?」

ミカがルリを見つめ、フッと笑う。

「な、何?」

「まぁ、いいや。全員まとめて仕留めるから。かかってきなよ」




■筆者メッセージ
謎の地響きはこの世界危ないよサインです。
アラン ( 2018/07/29(日) 06:30 )