5ページ目〜外の世界〜
ガチャリとドアノブが捻られ、アマリリスとレヴェンテ、話をしてきたフェルが戻ってきた。
「フェル、皆!おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
セクトの言葉に優しく答えたのは、ボーマンダのレヴェンテ。リュウの隣に座っているのはセクト。今の今まで水晶で治療していたのだろう。窓の外を眺めているレントラーはポツリと呟く。
「これから姫を取り戻す為に、王都から離れようと思う」
フェルと眠っているリュウ以外、驚いた顔をした。
「ライ!?全員で行っちゃうと…」
セクトが止める。が、レントラーのライは振り向き、セクト達全員に言った。
「部下達にも伝えてある。国を守るため、使命を果たすと、言ってくれた」
「そんな無茶な…」
セクトが言うとレヴェンテが口を開いた。
「新人二匹だけにしておいても、困るしな。王からのお墨付きだ。俺達が面倒を見よう。で、外に出ると、襲ってくるポケモンがいる。戦闘での指揮はリュウに任せよう」
目を開けたリュウをレヴェンテはチラリと見つめた。
「リュウ!おはよう!」
アマリリスがリュウの側に行き、事情を説明してくれた。
「分かりました。十分休みましたし、セクトさんの治療のお陰でもう大丈夫です」
「さん付け無し!仲間何だから、皆呼び捨てにしてよね」
ニコッとしたセクトに言われ、はい、と答えた。混乱していた王都は兵のお陰で落ち着きを取り戻した。城を出て、買い物を澄まし、王都から一歩、外へと踏み出した。
俺たちの長い、冒険が幕を開けた。