第5話 甘い蜜に誘われて
ソノオタウンの奥へ入ると、先ほどいたギンガ団したっぱの二人が、蜜を持っているおじいさんと会話をしていた。
「じいさん、その蜜渡してくれよ。発電所に現れるフワンテを頂きたいんだからよぉ」
「だ、ダメに決まっているだろ!?」
腕に、おじさんはギンガ団の二人から見えないように甘い蜜を隠して、叫んだ。おじさんがギンガ団二人の後ろに立っているヒカリを見つめ、ギンガ団から助けを求めた。
「き、キミ!助けてくれ!!」
したっぱが振り向くと、その一が驚いた声をだした。
「あっ、お前さっきの!!」
「また、迷惑かけてるんだ。あんた達」
「ちょっくら黙っててくれないか?大人の世界に首突っ込むと痛い目見るってこと、教えてやるよ」
ふーんという声を出しながら、ポケットからモンスターボールを出し、ムクバードを出した。
「つ、つぇえ…なんだこいつ…」
一瞬でバトルを終わらせ、ギンガ団は、マーズ様に報告しに行くぞといい、その場からは居なくなった。
「あ、ありがとう、お嬢さん。お礼にこの甘い蜜と、変なやつらが落としていったこの鍵をプレゼントするよ」
「いえ…当然の事をしたまでですよ」
少し照れながらも、お礼の品を受け取り、おじいさんと別れた。
ソノオタウンを出て、右側にある発電所へ向かう途中に、泥だらけで泣いている少女を見つけ、ヒカリは声をかけた。
「どうしたの?大丈夫?」
目線を少女があまり顔を上げないようにするため、かがみ、たずねる。
「うっひっく…おねえちゃああん…うえええええん!!」
「……」
泣き叫ぶ少女の顔を見ながら、泣き止む彼女を黙ったまま待った。しばらくすると泣き止み、大粒の涙を流しながらも、少女はヒカリに言った。
「悪いやつらがお父さんを連れて行っちゃったのっ…。お父さんに会わせてって言ったら、飛ばされちゃった」
「…教えてくれて、ありがとうねお嬢さん。助けに行ってあげるから」
「や、約束だよ!!」
「ええ、約束」
少女と指切りを交わし、木で隠れている発電所の場所を教えて貰い、潜入を試みたが、鍵は一ヶ所のみ。バレないように中にいる人物を声だけで判別し、7人と分かった。
発電所から少し離れた木の影に隠れていた少女の元に戻り、作戦を練った。