第3話 ドキドキ、初めてのジム戦!
ジムの建物へと入ると丁度、ジュンがジムリーダーチェレンと勝負をし、ジュンが勝利をかちとっていた。
「いい勝負だったよジュン君」
ジュンはバッジを受け取り、入り口で立っているヒカリに見せびらかすようにしてニシャッと笑ってバッジケースへと、バッジを入れ、ジュンはポケモンセンターへと走って行く。入り口でジュンに耳打ちされヒカリはチェレンを見つめる。
「戦術、練っておけよ。頑張れ」
ジュンが居なくなるとそのバトルフィールドにいるのは、ヒカリとチェレンのみとなった。
「……」
ヒカリは唇を噛み、入り口からトレーナーが立つ場所へと歩き始めた。
(あの時感じたモノと似ている……)
チェレンは薄々気づいてはいるが、腰に手を当てヒカリに言った。
「じゃ、勝負しようか」
「ええ、分かりました」
審判の人がやって来た。
「互いの使用ポケモンは三体!どちらか三体のポケモンが戦闘不能になったら試合終了です。では、試合かいし!!」
試合かいしの笛がなり、チェレンはボールを投げ、ポケモンを出す。同じく、ヒカリもハンサム出会い、バトルレコードを貰った後に捕まえたピカチュウをボールから出した。
「行け!ミミロル!」
「ピカチュウ!!」
空気がピリピリし、緊張感が高まる。
「ミミロル!はたく!」
「くっ…ピカチュウ!飛んで!」
ものすごい勢いでミミロルが突っ込んできた。ピカチュウは地面を勢い良く蹴り、宙に舞う。
「やるねぇ…キミ。ミミロル!あなをほる!」
「流石、ジムリーダー…ピカチュウ!穴に向かってスピードスター!!」
宙に舞うピカチュウはしっぽから無数のスターを出し、あなをほった場所に向かってスピードスターを投げ入れた。
「ミミィ〜!!」
あなからでてきたミミロルは叫びながら地面へと転がる。
「な…何が起きたんだ…!?」
「私のピカチュウ、スターの起動を変えることが出来るの。ちょっと変わったピカチュウでね…ピカチュウ!電気ショック!!」
スタッと地面へと着地をしたピカチュウは転がるミミロルに止めをさした。チェレンは指示を与えられず、口を開けて驚いている。
(この子なら…真実を知っても動じなさそうだな…)
口を開けていたが、次第に不適な笑みに代わり、チェレンはそう思いボールを取りだしミミロルを戻した。
「お疲れさま、ミミロル。頼んだよ、プリン!!」
プリンはボールから出て来て、ニコニコしている。
「気を付けて、ピカチュウ」
「プリン!歌う!!」
プリンは口を開け、歌い始めた。ピカチュウは大きなあくびをし、眠りにつく。
「続けて目覚ましビンタ!!」
プリンは頬を膨らませ、ピカチュウに向かって 目覚ましビンタをおみまいさせた。ピカチュウは倒れ、ヒカリはピカチュウをボールに戻す。
「ムックル!!
燕返し!!」
ムックルはボールからでると、地面すれすれで燕返しを繰り出し、プリンは宙を舞い、地面へと倒れる。
「戻ってくれ、プリン。まさかここまで追い込まれるとはね。良く鍛えてある。行けぇっ!ミルホッグ!!」
「ムックル!敵討ち!」
「ミルホッグ!冷凍パンチだっ!!」
ムックルの技を受けるが、ミルホッグはその隙を見逃さず、左手でムックルを掴み地面に倒し、冷凍パンチを食らわせ、ムックルは倒れる。
「っ…ありがとう、ムックル。…行くよ、ポッチャマ!!つつく!」
ポッチャマはボールからでて、地面へ足を着かせ、すぐさま攻撃に行き、ミルホッグ攻撃を受ける。先程の戦闘で疲れているため、動きが鈍っていたのを、ヒカリは見逃さなかった。
「ミルホッグ、さっきのスピードスターのように何か仕掛けてくるかもしれない。十分気を付けるんだ」
ホッグと、一声鳴くと倒れている体をお越し、まだまだ行けると言わんばかりの声も出した。
「これで!決める!!ポッチャマ!」
「ミルホッグ!雷パンチ!」
ポッチャマは地面を走り、ミルホッグも走り、右手にはパチパチと電気をまといポッチャマへ近づく。
「冷凍ビーム!」
ポッチャマはギリギリまで近づき、口に溜めていた冷気を発射し、ミルホッグのパンチを受け、ゴロゴロと地面を転がった。
しばしの沈黙が訪れる。ゆっくりと立ち上がるポッチャマはぜぇぜぇと息をあらげている。ミルホッグはゆっくりと地面へと倒れこみ、目をまわした。
「し、勝者!!ヒカリィー!!」
審判は右手を上げた。勝負が終わりヒカリとチェレンはポケモンをボールに戻した。審判はすぐさま別の仕事へと向かい、その場を後にした。またまたその場にいるのはヒカリとチェレンのみ。二人になったが、ヒカリはチェレンへと近づく。ヒカリはバッジを受けとるとバッジケースへといれ、帰ろうとしたところ呼び止められた。
「あぁ、ちょっと待ってくれないか。渡すのもが二つある」
「え?」
動かしていた足を止め、振り向きヒカリは答えた。
「渡すのも?」
「ああ、ひとつは技マシンと…もう一個は」
耳を貸せと言われ、耳元で囁き声で言われた。
「らいと…すとーん…?なんですかそれ?」
チェレンはヒカリの目を見ていい始めた。
「イッシュ地方に伝わる英雄の伝説が仮の姿としている石なんだが、キミに渡そうとしているライトストーンは、真実を見極める覚悟がいる者に渡せ、とボクの先輩に言われてね」
「なら、私がバトル前に感じたモノって…これの事だったのね…」
ライトストーンをヒカリは受け取り、バッグへといれる。
「それと同じ、ダークストーンという、理想を求める者に付いていくゼクロムがいるんだが、数年前に何者かに盗まれてしまってね…」
「……」
「それでさっき渡した、ライトストーンで眠りについているポケモンは、レシラムという。キミが来たとき、キミに反応したような気がして。レシラムがキミを選んだってことだと思うけど…そのポケモンはキミのポケモンにしても構わないから。それじゃあボク、他の仕事があるから、旅、頑張ってね」
そうチェレンが言うと、奥の部屋へと入っていった。ヒカリもジムを後にし、ポケモンセンターで一泊することにした。
その日の夜
「ええ、シャガさん。レシラムはヒカリを選んだようです。数年前…5年前に盗まれたダークストーンなんですが、ヒカリはどうやらその事を知っているような顔になってました」
「ふむ…盗んだ者は誰だか分からんが…とっくにゼクロムは元通りになっているだろう」
「でしょうね…それでは、シャガさんそちらも、頑張ってください」
パソコン通信を切り、暗くなった部屋でポツリと呟いた。
「嫌な予感が過るばかりだな…旅を始めたばかりだというのに、ポケモンの力を極限まで高めるなんて…だからレシラムが選んだ。と言うこともあるだろうが、不思議な少女だな…」
ポケモンセンター無料宿泊にて。
「…チェレンさんが言ってたダークストーンの持ち主って……コトブキで会った少年…のような…」
疲れが溜まっていたのか、ベットですやすやと眠りについた。外の窓に謎の少年が立って小さく呟いた。
「やっぱり、レシラムはキミを選んだんだね…楽しみだ…」
そう言うとパッと姿を消した。