第1話 謎の人物
「ポッチャマ!はたく!」
「チャマ!!」
草むらを入った所、ムックルと遭遇したヒカリは先ほどコウキから教わった捕獲のやり方などをやろうとしていた。202番道路での初めての野生ポケモンとのバトルをしていた。
「クルーッ!!」
「ポッチャマ!避けてもう一発はたく!」
ポッチャマは指示にしたがい、ムックルが体当たりで突っ込んで来るが右へと避けジャンプをし上から頭部目掛け、はたくをした。地面へ落ちるムックルは直ぐ様動けずヒカリはモンスターボールをポケットから取りだしムックルへ投げた。グラグラと左右に動くモンスターボールは次第に弱まりムックルはボールへと収まった。無事捕獲することが出来た。すると後ろから拍手をする音が聞こえた。
「おめでとうヒカリ。初めてのポケモンだな!」
「ジュン…後ろに入るなんてね」
ヒカリは驚いた顔をしながら草むらの中にムックルが入っているボールを少しかがみ、拾い上げた。ジュンに目線を向けてヒカリはジュンにたずねた。
「もうコトブキシティにいるかと思ったんだけど…どうしてまだここに?」
「へへ…それは」
ジュンは笑ってポケットからナエトルが入ったボールをすっと出し、ヒカリの前へとボールを向け答えた。
「お前と勝負がしたいからさ!!」
ヒカリはため息をついて、ジュンを見るなり、体ごと向きを変え前を向いたままヒカリは言った。
「良いけど、ポケモン達を回復してからね」
「てっきり、断るかと思ったよ」
ワカバタウンへ戻り、ポケモンセンターへ行きポケモン達を回復し、ポケモンセンターの中に内蔵されているバトルフィールドへと足を運んだ。
「いいかー!使用ポケモンは二匹でルールはシングルだ!」
ジュンは両手を口の回りに囲うようにヒカリに言った。
「分かったわ!行くわよ!ポッチャマ!!」
「行け!ナエトル!!」
高まる緊張感、始まるバトル。最初に指示を出したのはヒカリだった。
「ポッチャマ!!」
ポッチャマはヒカリの言葉に頷き、ナエトルの懐へと素早い動きで向かう。ナエトルは驚き、トレーナーのジュンも驚いたが、直ぐ様ナエトルに指示をだす。
「ナエトル!体当たりだ!」
「ポッチャマ!泡!」
至近距離だったが、とっさの指示にポッチャマも分かっていたようで口から大量の泡を吹く。ナエトルは体当たりをしているため、泡が目に入り、うずくまる。
「トドメよ!はたく!」
ヒカリは腕を横へ振り、ポッチャマに指示をだす。
「強いな、ヒカリ。だが、オレだって負けちゃいねー!行け!コリンク!!スパークだ!」
ジュンの二匹目。腰に付けていたモンスターボールを投げ、ボールに入っているコリンクは出てきたあと、スパークを放ち、ポッチャマを倒す。
「ポッチャマ戻って!お疲れさま…さぁ、行くわよムックル!!」
ボールから出すとムックルは飛んだままコリンクを見つめる。ちらりとヒカリを見つめたムックル。ヒカリはムックルが少し微笑んでいるかのように見え、微笑み返した。
「ムックル!砂かけ!!」
空からの急降下を利用。バトルフィールドの砂を利用しコリンクの目をつぶす。コリンクは前足で瞑った目を擦るようにしている。ジュンはコリンクの名前を呼ぶことしか出来ない。
「よし…ムックル!つばめ返し!」
計算通りと言わんばかりの言葉をもらしたヒカリはジュンのポケモン二匹を戦闘不能にし、バトルは終了した。二人はポケモンをボールに戻し、センター内に戻りポケモンをジョーイさんに預け、待っている間にソファーに座りジュンはヒカリと話をした。
「オレ、決めたよ。オレも強くなってチャンピオンになる。そんでオレは、チャンピオンになるお前を応援する。どうだ?」
ふっと笑っているジュン。内面すごく悔しいだろうと思いつつ、私もふっと笑い、答えた。
「なら、約束。私も応援するし、強くなって私を倒してね」
にこっと笑顔になり、ジュンを見つめる。アナウンスがなり、二人はポケモンをジョーイさんに受け取り、ワカバタウンのポケモンセンターで二人は別れた。その日の夜、ヒカリは別れたジュンを追うようにワカバタウンから、コトブキシティへと向かう。トレーナーと戦い、経験値を貰う。少しずつポケモンも強くなる。
コトブキシティに行くと謎の人物が、うろうろしていた。茶色いロングコートを着て。私を見つけ、その人は歩いて訪ねてきた。
「謎の人物、胸にGマークを着けた連中をみなかったか?」
眉をピクリと動かし、ヒカリはその人の質問に答えた。
「いえ、見てませんけど。なにか?」
「失礼。私は国際警察の人だ。コードネームはハンサムだ。君は見たところ旅を始めたばかりだし、どこかでまた会うだろう。携帯は持ってるかね?」
「ええ…持ってますけど。まさか電話交換するんですか?」
今度はヒカリが質問すると、ハンサムはガラケーをポケットから取りだし、私にハンサムの電話番号を見せてきた。
「君の番号も見せていただけるかね?」
「はい、どうぞ」
半ば強引だったが、互いに見せあい、電話番号を交換した。
「それじゃあ、何かあれば連絡をくれたまえ」
「分かりました。私はヒカリです」
「名はヒカリか。覚えておこう。さらば!」
そういいハンサムは洞窟がある方向へと向かって走り出した。すると、アラジンな用な格好をした人が後ろへと立っていた。
「キミ、ボクの存在気づいていたんだね」
腕を組み、振り向かずその質問に答える。
「えぇ。嫌でも感じるわよ…その異様な力。ゾクゾクしちゃう…!」
「そうか…キミが強くなったら、手合わせ願うよ」
「…………」
無言でいると、その異様な力がふっと消えその少年のような声も、気配も消えた。
「あの力…ポケモン…?」
その場で考え込んでいると、後ろからまたも声が聞こえた。
「あ!ヒカリ!!どうしたのそんなところで!」
隣にやって来たコウキは私の顔を除きこんだ。
「えっ……何でもないわよ」
「えー気になる」
「だっ…だから何でもない!」
ぶーたれるコウキの横顔を見つつ、一度ポケモンセンターへ向かい、少し休むことにした。