3話
「久しぶりね」
ノワールが高速で飛んでくれたため、すぐ着いた。海の上に立つ、ヤツの研究所。壁に穴が開いていて、マイトとノワールは飛びながら、二人を乗せ、ヤツを見ている。
「イエロー、戻って来ないか?この研究に?」
「だが断る。嫌で抜けたって言うのに。戻すために追いつけ回してたのね」
何のことか分からないが、リーフのほかにも追いかけていたのね。まぁ、奴はその人のためには手段を択ばないが…さて、どうなることやら。私は口を開いた。
「…なんの研究してた訳よ?」
私が質問すると、奴はフッと笑って背中を向けた。そして言った。
「イエローに聞いて見ろ、まぁ、答えないはずだがなぁ…じっくり時間を与えるために、舞台を用意しといてやるよ。貴様らの舞台が整ったら、槍の柱という場所に来い」
そう言って、プテラを出し、ヤツは壊れた壁、私たちの方へ飛んできた。私たちを通り越した瞬間、ピタリと止まって、こう言った。
「あぁ、あとアラン。レッドって言ったっけな、あいつ俺が倒したぜ?せいぜいもがき苦しんでるようだろうなぁ…っはははは!」
そういうと、飛び去って行った。
「最高な舞台ねぇ…イエロー、私はレッドの所に行くから、ファイアとグリーンとリーフを探してくれない?後でレッドを見つけたら連絡するからさ?」
そういうと私は微笑んだ。
「聞かないんだ……」
俯いていたイエローはそうつぶやいた。波の音でかき消されそうな声だった。私は笑顔からイエローを見て言った。
「聞いても教えてくれないでしょ?だから、話してくれるまで待つか…もしくは回りによって状況が変わるかもね。私以外は初対面でしょ?あぁ、あと…リーフには奴にかかわってる事、いっちゃダメよ。彼女、きっと怒るから」
そういうとイエローはアランに目線を向けて、言った。
「分かってる」
そう言ってイエローはマイトから飛び移り、ノワールに乗った。私もノワールからマイトへ飛び移った。マイトへ飛び移ると、私は言った。
「そうだ、その服、あげるよ。もう一着バックに入ってるし」
「いいの?なら、私のもあげるよ。実は、私もバックに入ってますから。あ、あと私、服着換えてから行きますのでそれじゃあ!」
そう言って飛び去って行った。私もまぁ、服は着替えるけど。私は壊れた研究所から動かなかった。マイトに指示をせず、ただ、海の音だけを聞いて、考え込んでいた。
ヤツはイエローを知っていて、イエローはヤツの助手だった。でも何で?何かおかしい。まさかイエロー…私の名前使ってた?だから、あいつはこの世にアランという名前は存在しないって言ったのか?ん?でも、いろいろと矛盾してないか?というか、私とレッドとイエローは現代のままって事は、ファイア達は小さくなってる。つまり、あの三人の時間だけ巻き戻したって事になるな…。もう、おかしくて笑えて来ちゃったよ。そろそろ奴の舞台を終わらせたいね。
「ふっふふ…やってやりましょう、マイト。奴の舞台をフィナーレさせてあげるんです。っと、レッドを探さないとね」
そう言って、マイトに指示をした。ハクタイシティにレッドは居ると、ジョーイさんに聞いて、やって来た。