6話
「……アラン」
髪が雨に濡れるのもお構いなしに、アランは黒い雲を顔を上げて見つめていた。イエローの声がして、目線をイエローへ向ける。
「さっきは…ごめん」
「………それより、リーフと話して良いのかしら?」
アランが白い帽子を頭からスッと取ってそうイエローに言った。アランは話し続ける。
「貴方は、過去のリーフでしょ?現代のリーフとは話しちゃ行けない。それに、名前を教えちゃいけないんじゃない?」
「リーフとは、話してないわ。名前も教えちゃいないし。ぶっちゃけ、この世界に二人は存在している。どちらかが、演技をしない限り、そしてどちらかが倒されない限り、この過去から抜け出せないことは、あとから知ったのでしょ?」
「後から知ったのは、貴方の事よイエロー。この世界に来て調べ上げたけども、まさか、ね」
アランはまだ何かを隠している。が、私だってまだ隠してる。アランができないための切り札を私は持っている。アランの瞳は何かを迷っているかのような感じがした。私は雨に濡れながらぽつりとつぶやいた。
「これなら、ヤツをつぶせるさ。きっとね」