ポケットモンスター〜ウィディード〜 - 第二章 帽子の女の子
5話
「ふふっ…何が知りたい、か」

イエローは笑っていた。

「何よ、貴方がヤツの元助手の事を知りたいわけ?それとも……」

両肩を掴まれ、ポケモンセンターのの窓ガラスをバリンと粉々にして、アランは床へ倒れる。雨に濡れ、イエローは馬乗りになっている。ジョーイさんが近寄ってくるが、そんなことはどうでもいい。今は話をすることが大事なんだ。バリンとガラスが割れる音が大きかったため、街の人が近寄ってきたり、奥に居たファイア達が驚いて、戻って来ていた。

「…………」

イエローの瞳は怒りに道溢れていた。

「………」

二人は見つめあって黙っていた。すると、イエローが口を開いた。

「セレビィ……」

その言葉に反応したのはリーフだった。

「……っ!」

「リーフ…」

ファイアが彼女の名前を呟いた。

「それが貴方の切り札よね?」

ニヤリと笑って私にイエローは言った。続けてイエローは私に言う。

「……分からないように演技をしていた、違う?」

「………っ!」

くるりと隙を狙って今度はアランがイエローに馬乗りになり、彼女を見つめた。

「えぇ、そうよ。私の切り札はセレビィ。奴に立ち向かうのにセレビィが必用なのは、貴方も分かっていたでしょ?」

「…そうね」

アランはその言葉を聞いて、立ち上がった。すたすたと、雨が降る外へ向かって行った。

アラン ( 2016/07/09(土) 16:13 )