5話
「ふふっ…何が知りたい、か」
イエローは笑っていた。
「何よ、貴方がヤツの元助手の事を知りたいわけ?それとも……」
両肩を掴まれ、ポケモンセンターのの窓ガラスをバリンと粉々にして、アランは床へ倒れる。雨に濡れ、イエローは馬乗りになっている。ジョーイさんが近寄ってくるが、そんなことはどうでもいい。今は話をすることが大事なんだ。バリンとガラスが割れる音が大きかったため、街の人が近寄ってきたり、奥に居たファイア達が驚いて、戻って来ていた。
「…………」
イエローの瞳は怒りに道溢れていた。
「………」
二人は見つめあって黙っていた。すると、イエローが口を開いた。
「セレビィ……」
その言葉に反応したのはリーフだった。
「……っ!」
「リーフ…」
ファイアが彼女の名前を呟いた。
「それが貴方の切り札よね?」
ニヤリと笑って私にイエローは言った。続けてイエローは私に言う。
「……分からないように演技をしていた、違う?」
「………っ!」
くるりと隙を狙って今度はアランがイエローに馬乗りになり、彼女を見つめた。
「えぇ、そうよ。私の切り札はセレビィ。奴に立ち向かうのにセレビィが必用なのは、貴方も分かっていたでしょ?」
「…そうね」
アランはその言葉を聞いて、立ち上がった。すたすたと、雨が降る外へ向かって行った。