ポケットモンスター〜ウィディード〜 - 第二章 帽子の女の子
4話
「…………」

レッドの容態は悪いことを聞いたアランは、透明な窓ガラスの奥に居るレッドを見つめていた。自分の顔がうっすらと窓ガラスに映っている。

「………どうすればいい?どうすれば、ヤツを舞台から下せられる?」

そうぽつりとつぶやいた。壁にもたれ掛かっていると、走ってくる音が聞こえた。

「レッドさん!!」

ファイア達の声が廊下に響いた。考え込んでいた顔は次第に前を向いた。三人は透明な窓ガラスに手を当てて、彼の名前を言った。

「……っ」

リーフは大粒の涙を流していた。リーフは泣きながら思った。

ワタシガイルカラ、ミンナガキズツク……

私が居るから、皆傷ついて痛い思いをする。自分と同じようになるのが怖い。

「………」

イエローは泣きじゃくるリーフを黙って見ていた。アランが、ファイアとグリーンに向かって、口を開いた。

「……私、イエローと一緒にポケモンセンターの外に居るね?」

「え…あ、うん」

グリーンがそう言った。アランはイエローを連れて、暗い廊下を歩いていった。




〜2〜

ハナダシティでは雨が降っていた。雨に濡れながらも、アランはイエローに言った。

「リーフをどうするつもり?お姉ちゃん?」

「……なんで私とリーフが姉妹だって事知ってるのよ。教えたつもりはないけど」

アランは間をあけて、口を開いた。

「見たのよ。ヤツの資料に書かれてたからね。まぁ、本当の姉妹じゃなく、姉妹のように慕ってたって事かしら。リーフは覚えてないでしょうけども」

「…………まだ私の事を知ってるんでしょ?」

イエローの言葉が重く圧し掛かる。黙ってていことがある。

「…知らないわよ」

アランは嘘をついた。ポケモンセンターへ戻ろうとしたとき、私の肩にイエローの手がかかる。

「嘘、下手ね。貴方の目つきはそう言ってるわ」

「……何が知りたいのよ」

私はそう、彼女に言った。

アラン ( 2016/07/09(土) 03:10 )