2話
「なっ、なんだ!?」
槍の柱全体に地響きが鳴る。後ろを振り向くと、アランとイエローがもう一人の自分と一緒に居た。
「ずいぶんと楽しめたよ。よく抗ってくれた」
奴はそう言った。
「人の不幸を…よくもっ!」
レッドがヤツに言った。
「覚悟ができてる顔をしているなぁ、リーフよ」
「……今ここで、決めるよ」
リーフはヤツに言った。
何もかも全部、全部終わらせる。
「リザードン!」
「…カメックス!」
「っ…フシギバナ!」
三人はオーキド博士にもらった最初のポケモンで決着をつける。レッドは手を出さない。ヤツはモンスターボールからディアルガを出した。
「ディアルガ!時の咆哮!」
ディアルガ専用技をヤツは使った。だが、リーフはディアルガだけを見つめる。そして叫んだ。
「リザードン!ブラストバーン!!」
「なに!?なぜ、時の咆哮が聞かない!?セレビィは死んだはずじゃなかったのかっ!?」
奴は同様していた。
「フシギバナ!ハードプラント!」
「カメックス!ハイドロカノンだ!」
ファイアとグリーンがポケモンに指示をした。リーフは父親に言った。
「確かに、セレビィは私が殺した。だけど貴方が思うように、私は甘くないのよ。父親ならちゃんと私を見て」
「リーフ…お前っ!」
グリーンが彼女の名前を呼ぶ。だけどリーフは父親に近づいて話している。
「旅をして、さんざん傷ついた。だけど、貴方が思うような、『
リーフ』はここにはいないよ。一緒に居たいのなら、言ってよ。もっと別の方法であってほしかったけど、ね」
「………苦しくても、私の事を気にかけていたのだな」
その言葉を聞いて、リーフは小さく言った。ディアルガは倒れ、カメックスとフシギバナとファイア達はリーフを見ていた。
「だって、お父さんだから」
リーフの言葉で、槍の柱全体が光り輝いた。五人は目を瞑った。