7話 黒と白 〜覚醒〜
「ねぇ、皆」
二の島へ向かっている途中、空を飛んでいる間、リーフが口を開いて四人に言った。
「お父さんとの、戦い。私だけで戦いたいの」
「いいよ」
その言葉に一番に言葉を返したのはファイアだった。
「俺とグリーンは反対しない」
続けてファイアがそうリーフに言った。
「私も、イエローも反対しないわ。頑張ってね」
リーフの顔を見て言ったのはアランだった。優しい顔をして、快く賛成してくれた。
「…あれは…ついに覚醒したか」
驚いた顔をして、言ったのはイエローだった。皆も二の島を見てみると変わり果てた島になっていた。
「どうなってるの!?」
リーフがイエローに言った。リザードン達は島へたどり着き、地面へ足をつける。
「イベルタルの仕業よ。石化を解除するには…居るには居るけど奴を止めない限りは無駄よ」
そう言って空を見るとイベルタルとイベルタルの背中に乗っている、リーフの父親がいた。リーフの父親は地面へ足をついた。イベルタルはアラン達を見つめている。イエローと、アラン、ファイアとグリーンはイベルタルを見つめる。そして、イエローがイベルタルに向かって叫んだ。
「イベルタル、今私達が止めてやるっ!!」
リーフは父親を見つめてはっきりと言った。
「お父さん、今助けてあげる。だから、少し我慢してね!」
〜2〜
「アラン!ファイア、グリーン!!イベルタルの攻撃を喰らったら、島の人達みたいになる!気を付けて!」
イエローが三人にそう言うと、三人は頷く。そして四人はポケモンを出した。
「フリーザー!」
「マイト!」
「カメックス!」
「フシギバナ!!」
それぞれのポケモンを出し、イベルタルの攻撃を避ける。
「…デスウイング、厄介な技ね」
そう言うとイエローは舌をペロッと唇を舐めて言った。
「くっ…今まで戦って来た伝説のポケモンでも一番強いっ!マイト!黒に染まったその闇を焼き払えっ!」
アランはイベルタルに攻撃を仕掛ける。
〜3〜
「………」
リーフは息を飲み込み、モンスターボールを握る。お父さんのポケモン…何のポケモンを使ってくるか分からない。辛い目をしてる。ファイア達に助けてもらう前の私と同じような目をしていた。
「リザードン!」
私はリザードンを出した。お父さんはヘルガーを出してきた。
「リザードン、気を付けて!」
そう言うと、リザードンは頷く。
「火炎放射だヘルガーっ!」
「避けて!」
リザードンに指示を出すとヘルガーは突然走って来て、リザードンを叩き落とした。砂埃が舞う。
「何…今の」
リーフは目を瞑りそう呟いた。
〜4〜
「メガ進化っ!!」
と、アランは言い、マイトの体が光る。
「だったら、俺らもだ!メガ進化!」
ファイアとグリーンのポケモンもメガ進化をする。
「仕方ない…ゼルネアス!」
三びきがメガ進化すると、イエローはゼルネアスを出した。角は七色に光、体は青だった。アランは横をちらっと見て納得した。あのポケモンがゼルネアスなんだなと。目線をイベルタルに戻して、マイトに指示をした。続けてファイアとグリーンが指示を出す。
「マイト、火炎放射!!」
「フシギバナ!ソーラービーム!」
「カメックス!ハイドロポンプ!」
イベルタルは直に三つの技が当たり、叫び声をあげている。その隙にイエローはゼルネアスに指示をだす。
「ゼルネアス!ムーンフォース!!」
ゼルネアスの攻撃を受けたイベルタルは口からデスウイングを出し、グリーンに当たりそうになった。思わずアランはグリーンを突き飛ばした。
「っ…!グリーン危ない!」
思わず自分も目をつぶる。だが、恐る恐る目を開けると、そこに立っていたのがマイトだった。
「マ…イト?…マイトっ!」
だが、返事は来ない。色は灰色になっていた。
「ほぉ…ご主人を守ったのね。後でもとに戻してあげるわ。ゼルネアス!もう一発イベルタルにムーンフォースよ!!」
目線をアランとアランのマイトからイベルタルに戻したイエローは叫んだ。
「はっ…あっははは!!」
アランは突然笑い出した。アランは残りの四ひきが入っているボールの開閉スイッチ押す。
「お前は今、私を怒らせた。一瞬で終わらせてやるよっ!」
グリーンは立ち上がり、アランを見つめる。ファイアはイベルタルを見つめ、イエローもグリーンと同じでアランを見つめていた。いっせいに、アランのポケモンはイベルタルに突っ込んでいく。
「袋叩きっ!!!」
アランはそうポケモン達に指示をした。自分のポケモンの他に、ファイア達のポケモンの分までの攻撃をした。イベルタルは倒れこみ、起き上がる気配はない。四人はリーフを横から眺め初めた。