4話 黒と白 〜心の闇〜
四の島の海の先で戦っているイエローはそうリーフの父親に言った。
「娘の事は今でも愛してる。少しだけ過ごした時間も楽しかった。…楽しかった。だが、私の中の私が、言っているんだ。実験を成功させたのなら、実効しろと…」
「………なら、意地でも止めてあげるわよ。……貴方も、リーフも覚悟があるのなら…ね」
そうつぶやいてイエローは四の島へ戻っていった。一人残ったリーフの父親は、波がある海を見つめていた。自分の見にくい顔、闇がずっとこっちを見ているような気がして、気分が悪かった。
「止められるなら、止めてくれ…イエロー、アラン…。君たちが希望なんだよ」
そう悲し声でつぶやいた。ホウオウを操り、二の島へ飛んでいった。
「………」
その光景を近くで見ていたアランは黙ったまま、四の島へ向かった。
「あら、アランじゃないの。久しぶり」
マイトから降りて、マイトをモンスターボールに戻して。声が聞こえた方へ振り向く。声をかけられたのは氷のエキスパートの四天王カンナだった。私は久しぶりといい、イエローの場所を教えてもらった。
「家に居れば、家に戻ってくるんじゃないかしら」
「そうですね。分かりました…」
私はそう言うと家へ戻ろうとする。が、カンナに言われ足を止める。
「だいぶ疲れてるみたいね」
「えぇ、まぁ…ちょっといろいろあったの……で」
そう言うとふらりとアランが倒れる。
「ちょっと、大丈夫!?」
カンナは地面に倒れたアランを抱き上げ、頭を触ると熱があった。
「こ、ここ最近………ずっと、寝てないから」
「寝なきゃダメよ。まだ子供なんだから」
そう言ってカンナは私を抱き上げたまま、家へ連れて行ってくれた。